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持つべき信念

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校内がどうなっているかわからない校舎に飛び込めば、それこそ圧倒的不利な状況に追い込まれてしまう。


グラウンドに沼沢をおびき寄せる作戦を取る方が良いだろうという判断だ。


グラウンドでは、たき火を囲んだ人達が六人ほど、何かを食べながら話をしている。


夜の闇に紛れられるのを防ぐ為に、周囲を炎で照らしながら真治が来るのを待っているのだろう。


「雪子! ごめん、遅くなって!」


いつ行こうかと考えていると、現れたのは三葉。


ハァハァと息を切らせて、雪子に駆け寄った。


「あれ? 三葉ちゃん一人だけ? 恵梨香はどうしたよ?」


「それが……あの子めちゃくちゃでさ、集まって来たやつらを一人で相手してるの。早く行けって言われたから来ちゃった」


ここでようやく、誰も真治達を追って来ていない理由がわかった。恵梨香が一人で西軍を引き付けて、大暴れしていたから誰も追って来なかったのだろう。


「ひゅう、さすが死神と呼ばれるだけはあるね。賞金額が大きいはずだわ」


フフッと笑い、真治肩に手を置いて、グッと力を込めて押し出した雪子は声を上げた。


「しっかりお膳立てしてもらったんだ、ここからは自力でどうにかしな! 私達は真治の後ろからついて行くからさ!」


突然押し出され、転びそうになりながらも体勢を立て直した真治は、深呼吸をして心を落ち着かせた。


「はい、行ってきます」
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