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持つべき信念

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無理な体勢からの攻撃でバランスを崩した真治が、沼沢に重なるように倒れ込み、揉み合うように地面に転がった。


「上手い! でも浅い!」


背後で聞こえた雪子の声。


奈央と里奈を助けに行かず、ずっと見ているつもりかと一瞬視線を向けるとそこには二人。


吹雪と雪子の姿だけで、三葉の姿はなかったのだ。


三葉が探しに行ってるのかと考えたが、今は他のことを考えている余裕はない。


隙を突かなくとも、万に一つの可能性でも真治が勝てば良いだけなのだから。


日本刀を抜いて立ち上がり、振り返った時にはもう沼沢は立ち上がっていた。


右腕から、額から血が流れ落ちているが、雪子が言うように浅かったようだ。


「……まさかそのレベルのサブウェポンを持っていたとはな。もう少し左だったら、脳天貫かれて死んでた。残念だったな」


左手の人差し指で、眉間をトントンと突いて見せる。


そして、手を離して鎖分銅を地面に落とし、再び取り出した時には、左手に鎖が巻き付き、先端の分銅は地面に垂れている状態だった。


右腕がスティレットで貫かれて、思うように使えないからか、左手一本で戦おうとしているのだろう。


今、PBMを取り出して瞬間回復でもしようものなら、それは最大の隙になる。


特に、両手で扱うような武器を使っているなら尚更だ。
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