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新たな脅威

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「動け! 早く行くんだ少年!!」


その金属音を出したのは恵梨香だった。ナイトの身体を駆け上がひ、大きな兜にトンファーの一撃を食らわせたのだ。


その強い衝撃でナイトが一瞬動きを止めたが、ダメージが通っているかと言われたら疑問を感じるレベルだ。


二人でならなんとかなるとか、なんと甘い事を考えていたのだと真治は悔いる。


ポーンを一撃で仕留める恵梨香でさえ、ナイトの気を逸らすのが精一杯なのだから、真治がどうにか出来るレベルではないことは明白。


震える足に力を込めて、真治は中央部に向かって走り出した。


何度も転びそうになりながらも必死に。


光の壁の切れ目が近付くが、眼前にはポーンの群れ、背後にはナイト。


進んでも退いても地獄なこの状況でも、真治は足を止めることはなかった。


迷って動きが止まれば、その時点で詰んでしまうし、まだ南軍に逃げ込むという選択肢が残っているから。


「遅いぞ少年! もっと速く足を動かせ! 死ぬ気で逃げろ!」


ナイトに一撃を食らわせた恵梨香が、早くも真治の横に並んで中央部を目指して走っている。


だが、恵梨香に言われるまでもなく、全力で死ぬ気で走っているのだ。


恵梨香にさらに引き離されて、真治に焦りが生じる。


そんな時、背後から地面をドラムのように叩くような音が聞こえた。
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