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新たな脅威

system_0392

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ビルを出て、少しだけ南下した二人は東に向かって夜道を歩く。


「ナイトなどという化け物が出たということは、バベルのシステムが少し変わったのかも知れん」


「システムって、そんな頻繁に変わるんですか? 今後もまた変更があるんでしょうか」


「さあな。時々ガチャから出現する武器が増えることもあるのだが、今回はそうでもなさそうだ」


そんな話をしながら、東軍の光の壁に向かって歩いていた時だった。




「トゥルットゥルー。やあお嬢さん、こんな暗い道を歩いていたら、悪い狼に食べられてしまうよ? もっとも、狼じゃなく、食べられちゃうのは白鳥のビックジョンにかもしれないけどね!」




前方の暗がりからそんな声が聞こえ、真治は首を傾げた。


恵梨香を見てみると、手首の色は赤色になっていてステルスになっているようだから、敵だと判断したわけではない。


聞き覚えのあるその声に、前方の暗がりを凝視する。


「ふん。それは何のつもりだ? 私は食べても旨くはないぞ? それとナンパのつもりか? 下手くそなものだな」


呆れたようにそう言った恵梨香に、暗がりから出て来た人物が、外灯の下まで進む。


そして姿を現したのは……。



「食べるかどうかは素材と味付け次第! そう、俺は白い紳士!」



どこかで聞いた声だと思えばそれは、白鳥の衣装を着た内藤。


ビシッと片足でバランスを取る内藤の姿を見て唖然とすると共に、真治はある事を思い出した。
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