上 下
393 / 682
新たな脅威

system_0393

しおりを挟む
そう言えば、恵梨香を見付けたら連絡すると約束していたのをすっかり忘れていた。


「あ、あの……内藤さん」


「ヘイ、ボーイ! 連絡もよこさずに放置とは、随分な真似をしてくれたじゃないか! しかもそんな美人と一緒だなんて! ハァハァ……もうやったの?」


前傾姿勢で、恵梨香を直視したかと思えば左手で輪っかを作り、そこに右の人差し指を出し入れする卑猥なジェスチャーをする。


悪い人ではないことはわかっているが、こういうところが未成年の真治は苦笑いを浮かべてしまう。


きっと恵梨香と内藤なら、女王様と下僕みたいな関係になるのだろうと、チラリと恵梨香を見てみると。


「しょ、少年……なんだこの変質者は……」


真治の肩に手を当てて、ガタガタと震えている。


変質者には違いないが、ビシッと強く言えば内藤は大人しくなることを知っている真治。


「えっと、内藤大地さんって言って……まあ、知り合いです」


真治がそう言うと同時に、華麗に飛び上がり二人に近付いたのだ。


「内藤大地です。お嬢さん、少年のリトルジョンよりも、このスーパーテクニシャン内藤のビッグジョンに悶えないかい!?」


胸に手を当てて、内藤さんがペコリと一礼をした直後に、仰け反って股間を指さしたその時だった。



「きゃああああああっ! へ、変質者っ! お願い! 近寄らないで! 少年、殺して! 叩き潰して!」



今まで一度も聞いた事がないような恵梨香の悲鳴が、真治に衝撃を与えたが、そんな姿を見て、内藤は満面の笑みを浮かべた。
しおりを挟む

処理中です...