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新たな脅威

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「来るぞ! 全力で走れ!!」


内藤がナイトを引き付けてくれたが、これでは自分達が騙したようなものだ。


「恵梨香さん! あれはあまりにも……」


「私は何一つ嘘は言っていない! それに、内藤が死ぬ寸前、恨み言を言っていたか!? 違うだろ!」


確かに恨み言は言っていなかったが、どうにも納得出来ない。


ナイトのことを教えなかった自分も同罪で、恵梨香だけが悪いわけではない。


心のどこかで、内藤が囮になってくれたらと真治も望んでいたんだろう。


侵攻を教えてくれた、頼れる変質者が何とかしてくれると。


などと、今になって思うのは卑怯なのだろう。


ダメだとわかっていてもなお、逃げもせずにナイトを引き付けた内藤の想いを無駄にしてはいけない。


「悩め悩め! 悩まずに大成した者などいるものか! 考えることから逃げるな! そうやって強くなるのだ!」


恵梨香は今まで、そうして生きてきたのだろう。


まだ高校生の真治にはわからないことだった。


光の壁の切れ目に到達し、すぐさま東軍の方に進路を変えた真治の目に、間近に迫ったナイトの姿が映った。
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