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新たな脅威

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迫る速度があまりにも速い。


日本刀を握り、地面を蹴る足に力を込めて走る。


恵梨香との距離は開いていない。


超高速で移動しているというのに、それを軽く上回る速度だ。


ズザザザッ! という、地面を滑るような音が背後で聞こえた。


東軍の光の壁の切れ目を越え、ここからは直線勝負になる。


早くどこかの建物の中に入らなければと思いはしたが、目の前にある博物館以外に建物が見当たらないのだ。


必死に入る真治と恵梨香の背後に、ナイトの足音が迫る。


「くっ! 少年! 一旦分かれるぞ! 落ち合う場所は緑二丁目西の交差点にあるコンビニだ! そこなら人はほとんどいない!」


「わ、わかりました! もしもどっちかが死んでも、来るまで待つって事ですね!?」


「ああ、だが死ぬつもりはないっ!」


苦肉の策と言わざるを得ない。


ここは東軍で、下手に一人で動くよりも合流するまで待った方が良いという判断だ。


たとえ今、ここでどちらかが犠牲になったとしても。


恵梨香が戦って勝てない相手なのだから、その手段を取るのは仕方がないことだろう。


「じゃあ、死なないでくださいよ!」


そう叫び、進路は左に進路を取った。


ポーン達が追って来ているのが見える。


真治と恵梨香が分かれたことで、ナイトが一瞬でも迷えば引き離すことが出来ると考えたのだが、そんな期待はあっさりと裏切られ、迷う様子もなく、ナイトは真治を追い掛けて来たのだ。
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