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新たな脅威

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あまりにも速く接近したナイトに対処が追い付かない。脳を身体を揺さぶる激しい衝撃が襲う。


盾で殴り付けられた真治は為す術もなく弾かれ、地面を転がった。


地面に叩き付けられて何度も回転して。


動きが止まった頃には、真治ただ地面の一点を見詰めているだけになっていた。


「しょ、少年!? くっ!」


恵梨香に返事をすることも、それどころか指一本動かすことも出来ない。


ナイトが、ポーンが駆け寄って来る足音が真治の耳に聞こえる。


こいつらに食われてしまうのかと、内藤に囮を任せて、東軍に行こうとしたバチが当たったのかと、今にも意識が途切れそうになる状態で真治は考えていた。


「グルルルルルル……」


兜の中にこもる、ナイトの声が聞こえる。


ポーン達に食われるのが先か、槍で貫かれるのが先かと、半ば諦めて死を待っていたその時だった。




「おー、報告にあった新しい化け物ってのはこれか。いやぁ、でけぇって! うん? 誰か倒れてんぞ?」




どこからか、そんな呑気な声が聞こえて来たのだ。


「……私と同じ高校生くらいね。腕の色からすると、南軍みたいだけど、どうする?」


低く、渋い声の男と、細く透き通った女の子の声が。
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