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新たな脅威
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しおりを挟む「いくら敵軍とはいえ、見殺しなんて夢見が悪いっしょ。新種の化け物の力ってのも知っておきたいし。ちょっと引き付けておいてよ。俺があのボウズを助けるからさ」
「いつもそうやって楽な方を選ぶ」
「そう言わずに。ま、死にゃしないっしょ」
随分軽い男と、しっかりした女の子という印象を受けたが、あまりにもナイトを甘く見ているのではないか。
迂闊に戦いを挑めば殺されてしまうのは目に見えているというのに。
遠くから聞こえていた女の子の声の主は、いつの間にか倒れている真治の横に立っていて、その手には日本刀が握られていた。
「……こっちに来なさい。新種の化け物」
冷たくそう言い放ち、抜刀と同時にナイトに斬り付け、脚から血を噴出させたのだ。
どれだけ深く斬れたのかはわからない。
血が噴き出しはしたものの、ナイトの動きに異常は見られず、大したダメージではないようだ。
「ただ大きいだけではないようね。なるほど、ポーンとは強度が違う」
ブツブツと呟き、確かめるように攻撃をしながらこの場を離れた女の子。
その隙に、軽薄そうな男が駆け寄って。
「おい、生きてっか? ちょっとばかり乱暴に運ぶけど勘弁してくれよな」
そう言って、一切真治を気遣わない様子で肩に担いで、男は逃げるように走った。
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