413 / 682
聞こえぬ死燕の足音
system_0413
しおりを挟む
起き上がって武器を取り出そうするが、身体が重くて起き上がるのも困難。
こんな状態で戦闘に突入すれば、どんな相手にも勝てる気がしないと真治は感じたが、それでも身は守らなければならない。
音がしたのは奥の診察室辺りで、声の主がどういう行動を仕掛けてくるかと、ジッとそこに目を向けていると。
診察室から小さな顔がひょっこりと出たのだ。
「……おじさん誰?」
細く、高い声で女の子が尋ねる。
まだ高校生の真治にとって、おじさんと呼ばれることは心外だった。
「俺は……ちょっと怪我してて。えっと、キミはどうしてこんな所に?」
敵意も殺意も感じないそこ女の子に、真治は安心して握り締めた日本刀を下ろした。
「うん、亜美はお姉ちゃんと一緒にここにいるの。いつか家に帰れるんだけど、まだ帰れないんだって」
こんな小学生低学年に見える子まで、容赦なくこの街に呼ばれたと考えると酷いものだ。
この街から出るには、どこにあるかもわからない、敵のキングを破壊しなければならない。
小さな女の子には、それはほぼ不可能と言える。
それよりも、他にも人がいるという亜美の言葉に、真治はまだ安心出来ないと再び日本刀を構えた。
この医院の中に、他にも人が潜んでるのかと。
こんな状態で戦闘に突入すれば、どんな相手にも勝てる気がしないと真治は感じたが、それでも身は守らなければならない。
音がしたのは奥の診察室辺りで、声の主がどういう行動を仕掛けてくるかと、ジッとそこに目を向けていると。
診察室から小さな顔がひょっこりと出たのだ。
「……おじさん誰?」
細く、高い声で女の子が尋ねる。
まだ高校生の真治にとって、おじさんと呼ばれることは心外だった。
「俺は……ちょっと怪我してて。えっと、キミはどうしてこんな所に?」
敵意も殺意も感じないそこ女の子に、真治は安心して握り締めた日本刀を下ろした。
「うん、亜美はお姉ちゃんと一緒にここにいるの。いつか家に帰れるんだけど、まだ帰れないんだって」
こんな小学生低学年に見える子まで、容赦なくこの街に呼ばれたと考えると酷いものだ。
この街から出るには、どこにあるかもわからない、敵のキングを破壊しなければならない。
小さな女の子には、それはほぼ不可能と言える。
それよりも、他にも人がいるという亜美の言葉に、真治はまだ安心出来ないと再び日本刀を構えた。
この医院の中に、他にも人が潜んでるのかと。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる