434 / 682
聞こえぬ死燕の足音
system_0434
しおりを挟む
ランキング自体は高いが、それは一般人と比べたら。
もっとランキング一桁の沼沢と戦った真治には、何のプレッシャーもない。
「思ったよりやるねぇ。構えで弓長の親父より強いのがわかる」
ニヤリと笑い、レイピアを振り回したと思った次の瞬間、素早く詰め寄ると同時に真治に向かって切っ先を突き付けたのだ。
速い……が、反応は出来る。
的確に額を貫こうと迫って来るレイピアの先端を、首を傾けて回避し、日本刀を振り上げてレイピアを弾いた。
と真治は思ったのだが、刃同士が接触して小さな音が聞こえた瞬間、それは視界から消えて、気付いた時には工藤が後退すると同時に真治の左太ももを斬り付けていたのだ。
「速い!」
思った以上に左手だけで戦うというのは難しい。
脚の怪我はズボンが切れて、皮膚の表面を斬られたくらいで深くはないが、すぐに次の行動を移るのは困難。
いつもと違えば、こうも反応が遅れてしまうのか。
「思ったより強くないのな、お前。まあ、決闘だから俺に損はないんだけどねぇ。もしかして弓長の親父より強いってのは俺の勘違いだったか?」
この工藤という男は本気でやっておらず、まだ遊んでいるという雰囲気が伝わってくる。
このまま負けるなら、慣れない構えで反応が遅れるならと真治はひとつの考えに辿り着いた。
もっとランキング一桁の沼沢と戦った真治には、何のプレッシャーもない。
「思ったよりやるねぇ。構えで弓長の親父より強いのがわかる」
ニヤリと笑い、レイピアを振り回したと思った次の瞬間、素早く詰め寄ると同時に真治に向かって切っ先を突き付けたのだ。
速い……が、反応は出来る。
的確に額を貫こうと迫って来るレイピアの先端を、首を傾けて回避し、日本刀を振り上げてレイピアを弾いた。
と真治は思ったのだが、刃同士が接触して小さな音が聞こえた瞬間、それは視界から消えて、気付いた時には工藤が後退すると同時に真治の左太ももを斬り付けていたのだ。
「速い!」
思った以上に左手だけで戦うというのは難しい。
脚の怪我はズボンが切れて、皮膚の表面を斬られたくらいで深くはないが、すぐに次の行動を移るのは困難。
いつもと違えば、こうも反応が遅れてしまうのか。
「思ったより強くないのな、お前。まあ、決闘だから俺に損はないんだけどねぇ。もしかして弓長の親父より強いってのは俺の勘違いだったか?」
この工藤という男は本気でやっておらず、まだ遊んでいるという雰囲気が伝わってくる。
このまま負けるなら、慣れない構えで反応が遅れるならと真治はひとつの考えに辿り着いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる