東京バベルブレイカー～殺戮都市バベル～

襲い来る野獣

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「……津堂燕飛と香月えりです」


津堂は間違いないが、香月えりの方は確かめたわけではないから本人かどうかはわからない。


「おいおい、それって東軍の四天王じゃねぇか。しかも二人とか。マジかよ。死神を殺すのは俺だと思ってたのに！」


池田の手下に囲まれた状態で、そんな緊迫感などどこ吹く風と言った様子で、黒井はマイペースを貫く。


そんなやり取りに痺れを切らしたのは池田だった。


「お、俺を無視して話してんじゃねぇ！　わかったよクソガキ……決闘してやるよ。黒井なんかに邪魔はされたくねぇからな」


このままでは黒井に殺されかねないと判断したのだろう。


PBMを取り出して、「来いよ」とばかりに指を動かして真治を誘う。


「なんだ、決闘するのか。なかなか姿を見せない、下品なオークションを開いてる元締めと偶然出会えて嬉しかったのに。ま、俺は見物させてもらうよ。死神の弟子が、どれくらいやれるかにも興味があるからね。それに、勝った方にはどうして喧嘩をしていたか聞きたいからね」


何があったのか、わかっていて言っているのか、黒井は冷たい視線を池田に向けて。


真治は黒井に頷いて、PBMを池田に向けて決闘の申し込みをした。