東京バベルブレイカー～殺戮都市バベル～

襲い来る野獣

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それも、ただ防いだだけではない。


ソードブレイカーの名前の由来になっている、特徴的な峰の部分に付いた凹凸。


刃がそこに絡められ、グッと力が込められる。


このまま折るつもりかと危機を察知し、日本刀を破壊される前に柄から手を放した瞬間、今度はランスで薙ぎ払う横の打撃。


強烈な一撃が右脇腹に直撃したが、叩き付けられたと言うよりは押し付けられたような感覚で、横に吹っ飛ばされる。


日本刀を抜くことが出来なかったが、咄嗟に鞘を抜いたおかげで、膝を付いてだったが体勢を整えることが出来た。


「これを避けるかよ！　目の良さだけなら死神よりも上じゃねぇのか!?」


横に振ったランスの尖端を真治に向けて、息つく暇も与えずに接近した黒井。


狙いは眉間。


回避するにも、片膝を付いた状態では行動が限られる。


死が目の前に迫った真治が、咄嗟に取った手段。


「くそっ!!」


日本刀を逆手に持ち、下からランスの進路をずらす事だった。


ギャリギャリと、日本刀とランスが擦れる音が真治の目の前で聞こえるが、その勢いに押されて後方に倒れ込んだ。


完全な死に体……だが、そこに勝機が見えた気がした。