555 / 682
怒りの咆哮
system_0555
しおりを挟む「簡単だが作戦を立ててみたぜ。俺がこいつを引き付ける。お前はなんとしてでも右の前足か左の後ろ足を斬るんだ。切断出来なくても良い、動けなく出来ればこっちの勝ちだ」
「は、ははっ。随分大雑把な作戦ですね……俺次第ってわけか。ポーンはどうします? 近くまで来てますけど」
こうして話している間にも、ポーンが迫って来ている。
考えている時間はなく、このままナイトと戦うか、ポーンを蹴散らしながら東軍まで逃げるかの選択を迫られていたが。
「ポーンくらいどうにでも出来るだろ。雑魚を片付けながら、本命を狙う。返事は『OK』か『はい』のどちらかにしろ!」
ポーンが雑魚とは、随分軽く言ってくれるものだ。
つい先日まで、真治はポーンにも勝つことが出来なかったというのに。
日本刀のレベルが上がり、ポーンにも勝てるようになったと思ったら、今度は二人がかりとは言え、ナイトと戦っている。
真治自身はあまりわからないが、確実に強くなっているということが相対的にわかる。
「OK!」
そう言い、黒井がナイトの正面に飛び込むと同時に、真治は左側に回り込んだ。
顔を動かし、二人の動きを確認するナイト。
左に回り込んで、この作戦の意味を真治は少し理解した。
ナイトが黒井の方を向いたら真治が後ろ足を、真治の方を向いたら、黒井が前足をということだろう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる