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狂い始める歯車
system_0629
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黒井と津堂が戦っている音が聞こえる。
だが、そんなことなどどうでもいいと言わんばかりに、真治は光の粒越しに見える理沙の亡骸を見て、そちらの方に歩き出した。
完全に光の粒に変化した、香月がいた場所を歩いて理沙の前。
「何してんだよ……早く光の粒にならないと。ソウルが0だなんて嘘だろ? 少し遅れてるだけだよな?」
亡骸の前で膝を付いて、その手に触れる。
「ほら、死んだなんて嘘だ。こんなに手は温かいんだから、まだこれから光の粒に変わるんだ」
そう呟いて、今まで目を向けなかった金棒で潰された部分。
そこに、理沙の制服のポケットから飛び出していた、砕かれたPBMがあったのだ。
その瞬間、真治の頭の中は真っ白になった。
涙がポロポロと頬を伝い、心が悲鳴を上げる。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
床に伏せている理沙に、覆い被さるようにして抱いて、ただ泣く事しか出来なかった。
奈央も、理沙も、どうして死ななければならなかったのだと、どうして自分は、守りたいと思う人を守れないんだと、自分自身を恨んで。
だが、そんなことなどどうでもいいと言わんばかりに、真治は光の粒越しに見える理沙の亡骸を見て、そちらの方に歩き出した。
完全に光の粒に変化した、香月がいた場所を歩いて理沙の前。
「何してんだよ……早く光の粒にならないと。ソウルが0だなんて嘘だろ? 少し遅れてるだけだよな?」
亡骸の前で膝を付いて、その手に触れる。
「ほら、死んだなんて嘘だ。こんなに手は温かいんだから、まだこれから光の粒に変わるんだ」
そう呟いて、今まで目を向けなかった金棒で潰された部分。
そこに、理沙の制服のポケットから飛び出していた、砕かれたPBMがあったのだ。
その瞬間、真治の頭の中は真っ白になった。
涙がポロポロと頬を伝い、心が悲鳴を上げる。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
床に伏せている理沙に、覆い被さるようにして抱いて、ただ泣く事しか出来なかった。
奈央も、理沙も、どうして死ななければならなかったのだと、どうして自分は、守りたいと思う人を守れないんだと、自分自身を恨んで。
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