636 / 682
狂い始める歯車
system_0636
しおりを挟む
床に日本刀を突き刺し、それを支点に強引に向きを変える。
「チッ! 肩を借りるぜ真治!」
それと同時に、黒井が真治の肩を蹴り、空中で向きを変えたのだ。
「なんて無茶苦茶な移動を!」
しかも、真治の肩と首を踏み付けて、黒井が蹴ったものだから、その反動で移動速度が落ちてしまう。
先に行った黒井が、空中から津堂に襲い掛かる。
突き出されたランス、短刀でそれを逸らす津堂。
一見地味な攻防だが、お互いに次の行動が取りにくい方向へと相手の武器を誘導している。
真治にはとても考えられない高度な心理戦。
しかしそんなことはどうでも良かった。出来ることは、怒りと恨みを持って、力ずくで斬り倒すだけ。
理沙が味わった痛みを、苦しみを、少しでも返してやらないと気が済まないと、真治は吠えた。
「うおおおおおおおっ!!」
黒井に先を越されるわけにはいかないと、咆哮と共に駆け寄った真治は、壁際ギリギリに身体を寄せ、低い体勢で武器を構えた。
それでも、その殺気を感じたのか、ゴーグル越しの津堂の目は真治を見ている。
このまま攻撃をしても確実に回避されるだろう。
(殺気を消せ! 次の攻撃を悟られないように、次で仕留められるように! ほんの一瞬で良い……怒りを鎮めろ!)
「チッ! 肩を借りるぜ真治!」
それと同時に、黒井が真治の肩を蹴り、空中で向きを変えたのだ。
「なんて無茶苦茶な移動を!」
しかも、真治の肩と首を踏み付けて、黒井が蹴ったものだから、その反動で移動速度が落ちてしまう。
先に行った黒井が、空中から津堂に襲い掛かる。
突き出されたランス、短刀でそれを逸らす津堂。
一見地味な攻防だが、お互いに次の行動が取りにくい方向へと相手の武器を誘導している。
真治にはとても考えられない高度な心理戦。
しかしそんなことはどうでも良かった。出来ることは、怒りと恨みを持って、力ずくで斬り倒すだけ。
理沙が味わった痛みを、苦しみを、少しでも返してやらないと気が済まないと、真治は吠えた。
「うおおおおおおおっ!!」
黒井に先を越されるわけにはいかないと、咆哮と共に駆け寄った真治は、壁際ギリギリに身体を寄せ、低い体勢で武器を構えた。
それでも、その殺気を感じたのか、ゴーグル越しの津堂の目は真治を見ている。
このまま攻撃をしても確実に回避されるだろう。
(殺気を消せ! 次の攻撃を悟られないように、次で仕留められるように! ほんの一瞬で良い……怒りを鎮めろ!)
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる