34 / 223
理科準備室の人体模型
二十二枚目
しおりを挟む
少しして、ドアを開けて何かが入って来る気配があった。
ベチャッ、ベチャッと、液体が床で弾けるような音が聞こえる。
フーフーという息遣いが、キョウがが身を潜める板の向こう側から聞こえる。
それが、狭めた通路に入って行ったと判断した瞬間、キョウは板を押しながら通路の中に入った。
ドンッという衝撃が板に加わり、抵抗しているのか、そこからなかなか先に進まない。
「ぐうっ! 僕の力ではこれ以上は!」
「じゃあ後は俺に任せろ!」
その声が聞こえたと同時に、棚の上に乗っていたセイヤと、人体模型が入っていた箱が人体模型目掛けて落下した。
キョウの力では押し負ける可能性がある。
ただ箱を上から落としても、回避されたりセイヤが殺されてしまう可能性があったから。
板を押させて、逃げられない状況を作り出したのだ。
さらには床に、箱の蓋を敷いていて、上から押さえ付けるだけで箱の中に戻せるという作戦だった。
上から箱が降ってくるとは思わなかったのか、人体模型からボキッと何かが折れるような音が聞こえたが、セイヤは止めなかった。
グイッと箱に引っ掛かった人体模型を後ろに引き倒し、そのまま箱を被せたのだ。
想像以上に上手く行って、ホッと胸を撫で下ろしたキョウとセイヤ。
「ど、どうだ化け物が! そのまま永遠に眠ってろ!」
ソラミも、安心して椅子に座ると、ゆっくりと意識が遠のいて行くのがわかった。
セイヤが床に倒れそうになる瞬間、不可解な物が目に映ったのだ。
それは……微かに笑って自分を見下ろすキョウの顔。
その態度の理由は、セイヤにはわからなかった。
ベチャッ、ベチャッと、液体が床で弾けるような音が聞こえる。
フーフーという息遣いが、キョウがが身を潜める板の向こう側から聞こえる。
それが、狭めた通路に入って行ったと判断した瞬間、キョウは板を押しながら通路の中に入った。
ドンッという衝撃が板に加わり、抵抗しているのか、そこからなかなか先に進まない。
「ぐうっ! 僕の力ではこれ以上は!」
「じゃあ後は俺に任せろ!」
その声が聞こえたと同時に、棚の上に乗っていたセイヤと、人体模型が入っていた箱が人体模型目掛けて落下した。
キョウの力では押し負ける可能性がある。
ただ箱を上から落としても、回避されたりセイヤが殺されてしまう可能性があったから。
板を押させて、逃げられない状況を作り出したのだ。
さらには床に、箱の蓋を敷いていて、上から押さえ付けるだけで箱の中に戻せるという作戦だった。
上から箱が降ってくるとは思わなかったのか、人体模型からボキッと何かが折れるような音が聞こえたが、セイヤは止めなかった。
グイッと箱に引っ掛かった人体模型を後ろに引き倒し、そのまま箱を被せたのだ。
想像以上に上手く行って、ホッと胸を撫で下ろしたキョウとセイヤ。
「ど、どうだ化け物が! そのまま永遠に眠ってろ!」
ソラミも、安心して椅子に座ると、ゆっくりと意識が遠のいて行くのがわかった。
セイヤが床に倒れそうになる瞬間、不可解な物が目に映ったのだ。
それは……微かに笑って自分を見下ろすキョウの顔。
その態度の理由は、セイヤにはわからなかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる