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トイレの花子さん

六個目

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~トイレの花子さん~

・この中に花子さんがいます。その人を探してください。

・花子さんを奥から三番目の個室に入れてください。方法、状態は問いません。

・三回間違えると終わりです。



そう書き終えると、チョークは床に落下してしまった。


意味がわからない五人は皆して首を傾げて、お互いに顔を見合わせる。


「どういうこと?  この中に花子さんがいるって……ねぇ?」


バカにしたような笑みを浮かべてショウコがそう言ったが、さすがにその言葉には同意なのか、誰も反論しない。


「そうだよね……でも、この書き方だと、花子さんを見付けるまで私達は帰れないってこと?」


何度も黒板に書かれた文字を読み直し、文字の裏に隠された言葉を読み取ったミラに、四人の視線が集まった。


「え、あ、ありえないって。この中に花子さんがいるって……皆クラスメイトだし、知ってる人だもん。誰かになりすましてるってこと?」


コハナがそう尋ねるが、この場にいる誰もがそれに対する言葉を持ち合わせてはいなかった。


それもそうだろう。こんな事態は初めてだし、今、ここにいることですら完全には受け入れられないでいるのだから。


「でもさ、三回間違えると終わりってことは、さっさと三回間違えたら帰れるんじゃね?」


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