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トイレの花子さん

七個目

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ボソッと呟いたアイラの言葉に、コハナとメグミが小さく「おお」と声を漏らした。


確かに、花子さんを見付けなければ帰れないということはどこにも書いてないが、三回間違えると終わりとはしっかり書いてある。


それが一番手っ取り早い手段であるように思えた。


「じゃ、じゃあさ、早くやっちゃおうよ。誰が入っても良いんでしょ?  三回間違えれば」


すぐに帰れると思ってか、少し安心した様子でコハナがそう言ったが、ショウコとミラはあまり乗り気ではない様子で。


「ちょっと待って。怪しいよ。もっと慎重になって考えないとさ。誰もいないのに独りでに文字が書かれたのだって怪しいのに、その言う通りにして本当に大丈夫なの?」


「私もミラに賛成。こんな怪しいのに騙されて、簡単にそれに乗っかろうって考えるのは頭悪いだろ」


そう言った途端、アイラが椅子から立ち上がってショウコに詰め寄った。


「じゃあどうやったらここから出られるか、教えろよ。何も考えずに反論してんじゃねぇよ」


一触即発。


こうなる可能性があったから、この二人と一緒にいるのは嫌だったんだと言わんばかりに、他の三人はため息をついた。


「け、喧嘩はやめよう二人とも。ほら、やってみてダメならまた考えればいいんだしさ。とりあえずはやってみようよ」


普段は大人しいメグミが、二人を宥めるようにそう言って間に割って入った。
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