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テケテケ&音楽室の怪
十六曲目
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その頃、テケテケに追われているユキヤは、階段を上がってすぐ右にある部屋に隠れていた。
「な、なんだ……なんだあいつは。もしかしてあれがウジ虫の言ってたテケテケか!? バカな! そんなのありえないぜ!」
教室の窓側。机の影に身を隠していたユキヤが廊下の方に目を向けると、月明かりに照らされてガクンガクンの上下に揺れる人影が廊下にあったのだ。
その、あまりにも人間離れした動きの不自然さに震え、これまでの人生で感じたことのない悪寒と恐怖を身を竦ませていた。
教室の前を、不自然な動きで……いや、そもそもテケテケは上半身だけの化け物だったはずだ。
どうしてそんな化け物が、磨りガラス越しに見えるくらいの高さで移動しているのかが、ユキヤにはどうしても理解出来なかった。
「さっき見た時は間違いなく足がなかった……だったらあれはなんだよ。ウジ虫のやつ、嘘を教えたのか!?」
あまりの恐怖に、頭で考えていることが小さく声になって漏れる。
少しでも正気を保つ為とはいえ、近くに化け物がいるというのに声を出すのは危険なことだった。
それでも、スピーカーから聞こえるピアノの音が邪魔をしてくれると思っていたのだが。
急に、ユキヤを照らすかのように教室に月の明かりが射し込み始めた。
一瞬、何が起こったかわからなかったが、それには言いようのない違和感を覚えた。
「な、なんだ……なんだあいつは。もしかしてあれがウジ虫の言ってたテケテケか!? バカな! そんなのありえないぜ!」
教室の窓側。机の影に身を隠していたユキヤが廊下の方に目を向けると、月明かりに照らされてガクンガクンの上下に揺れる人影が廊下にあったのだ。
その、あまりにも人間離れした動きの不自然さに震え、これまでの人生で感じたことのない悪寒と恐怖を身を竦ませていた。
教室の前を、不自然な動きで……いや、そもそもテケテケは上半身だけの化け物だったはずだ。
どうしてそんな化け物が、磨りガラス越しに見えるくらいの高さで移動しているのかが、ユキヤにはどうしても理解出来なかった。
「さっき見た時は間違いなく足がなかった……だったらあれはなんだよ。ウジ虫のやつ、嘘を教えたのか!?」
あまりの恐怖に、頭で考えていることが小さく声になって漏れる。
少しでも正気を保つ為とはいえ、近くに化け物がいるというのに声を出すのは危険なことだった。
それでも、スピーカーから聞こえるピアノの音が邪魔をしてくれると思っていたのだが。
急に、ユキヤを照らすかのように教室に月の明かりが射し込み始めた。
一瞬、何が起こったかわからなかったが、それには言いようのない違和感を覚えた。
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