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テケテケ&音楽室の怪

二十二曲目

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サクラとキョウジが音楽室に、ヤスダが職員室に向かっている頃、ユキヤは必死にテケテケから逃げ回っていた。


「ひっ……ひっ……い、いつまで追い掛けて来るんだよ!  それに、あいつらどこに行ったんだよ!  俺を置き去りにしてさ!」


二階の廊下と教室を使って、まだ殺されずに上手く逃げている。


話に聞いていた、時速100kmで追い掛けて来るという話は嘘だったのか、ユキヤよりも足が遅くて余裕さえあった。


「そうか、あいつらもう逃げやがったな!?  だから誰も俺を呼びに来ないに違いねぇ!  ふざけんなよ畜生が!」


「アハアハ!  脚ヲヨコセ!  ソノ脚ヲ!」


相変わらずガクンガクンと上下に揺れているものの、最初と比べると足が速くなっているように思える。


それはユキヤとの距離を見てもわかるのだが、徐々に引き離されなくなっているのだ。


教室の前の入口から入り、引き付けて後ろから出て階段の方へと向かう。


階段を下りて一階に移動すると、そこからさらに職員玄関へと向かって走った。


「生徒玄関は……開いてねぇ!  やっぱり職員玄関かよ!」


平面では移動に慣れ始めていても、階段はどうやらまだ苦手のようでかなり引き離せた。


とはいえ、職員玄関がダメだった場合、稼いだ距離が縮まってしまうわけだが。


何とか辿り着いた職員玄関。


しかしユキヤはそのビクともしないドアに絶望することになった。

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