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怒りの二宮金次郎像
二十六冊目
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が、コウセイは気付いてしまった。
気分よく石像を叩き壊していたが、いつの間にか自分を取り囲むように、二宮金次郎像の顔をした生徒達がいたのだ。
それも、校庭を埋め尽くすほどに大量の生徒達が。その全員が手にバットを持っていて、ジリジリとコウセイににじり寄って来ている。
「お、おい……いつの間に。い、いやそうじゃねぇ……どこにこんな数の生徒がいるんだよ! 明らかにうちの学校の生徒より多いだろ!」
手を伸ばし、掴み掛かろうとする生徒達。
「く、来るんじゃねぇ!」
そう叫び、握り締めた金属バットをフルスイング。
一人の生徒の頭部に直撃し、地面に倒れるが、それがたった一人では話にならない。
仲間がやられたとでも思ったのか、生徒達は一斉にコウセイに詰め寄り、その身体を固定するように掴んだのだ。
「う、うわっ! は、離せ! 何だお前ら! ぶっ殺すぞコラ! 離せっつってんだろうが!」
四方から無数の手が伸び、腕一本、指一本に至るまで、生徒達に掴まれて身動きが取れない。
そんな中、生徒達の群れを割って現れた物に、コウセイは自分の目を疑った。
今、自分が金属バットで滅多打ちにして破壊した石像が、何事もなかったかのように目の前に現れたのだから。
しかも、手にはなくなっていた頭部を持って。
気分よく石像を叩き壊していたが、いつの間にか自分を取り囲むように、二宮金次郎像の顔をした生徒達がいたのだ。
それも、校庭を埋め尽くすほどに大量の生徒達が。その全員が手にバットを持っていて、ジリジリとコウセイににじり寄って来ている。
「お、おい……いつの間に。い、いやそうじゃねぇ……どこにこんな数の生徒がいるんだよ! 明らかにうちの学校の生徒より多いだろ!」
手を伸ばし、掴み掛かろうとする生徒達。
「く、来るんじゃねぇ!」
そう叫び、握り締めた金属バットをフルスイング。
一人の生徒の頭部に直撃し、地面に倒れるが、それがたった一人では話にならない。
仲間がやられたとでも思ったのか、生徒達は一斉にコウセイに詰め寄り、その身体を固定するように掴んだのだ。
「う、うわっ! は、離せ! 何だお前ら! ぶっ殺すぞコラ! 離せっつってんだろうが!」
四方から無数の手が伸び、腕一本、指一本に至るまで、生徒達に掴まれて身動きが取れない。
そんな中、生徒達の群れを割って現れた物に、コウセイは自分の目を疑った。
今、自分が金属バットで滅多打ちにして破壊した石像が、何事もなかったかのように目の前に現れたのだから。
しかも、手にはなくなっていた頭部を持って。
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