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第1章:魔法は爆発だ
第4話:魔術クラステスト(改稿版)
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魔術クラスのテストは魔射場という、文字通り魔法での射撃を練習する場所で行われます。
魔力テストとスペルテストがあるらしいのですが、剣術クラスのテストのように予想外のものが無ければよいのですが。昼ご飯も食べ損ねてしまったので、お腹も空いてますし、早く済ませてしまいたいものです。
「リートは今から魔法クラスのテスト?」
同級生の女の子のチャコが声をかけてくれました。
「うん、剣術クラスのテストでボロボロだけどね・・・」
「あー、今年のテスト結構大変らしいね。
苦労した人、リートだけじゃないみたいだよ。
なんか、剣術クラス担当の先生が結構入れ替わったらしくて、厳しめのテストになってるらしいよ」
「そうだったんだ・・・剣術クラスは絶望的な感じがするよ・・・」
「ま、リートは学術クラスが確実なんだからいいじゃない?」
「それはそうなんだけどね・・・」
「とりあえず、魔術クラスのテスト頑張ってね。そんなに大変じゃなかったから」
「ありがとう、チャコ。
とりあえずチャレンジしてくるよ」
魔射場に入ると、大きな結晶石が置いてあって、テストを受ける学生がそこに手をついてます。
あれが、魔力テストに使う鑑定石でしょうかね。
様々な色や輝き方をしていて、まったく同じ輝き方をすることはないように見えます。
街中で見た鑑定石だと結構はっきり色分けされて光るのでわかりやすいのですが、アカデミーの鑑定石はどうやらちょっと違うようです。
先生は光り方を見て、細かくメモを取っています。どういう基準なんでしょうね?
「はい、次の人!」
呼ばれたので、鑑定石の前に行きます。
「鑑定石に両手を当てて、魔力を軽くこめて下さい」
鑑定石に手を当てると、ひんやりした感じがします。
球形に見えたのですが、細かい角がついていて、球に近い球形の宝石のような感じです。
魔力を少しこめると、透明に見えた球の中心あたりから光が溢れてきて、一瞬パーンと光って消えました。
『え?普通、何かもっと光ったりするんじゃないのかな??』
「はい、じゃあ次のスペルテストに行って下さい」
と先生は淡々と言います。
「え?これで終わりですか?」
つい聞いてしまいました。
「そうですね、光が出たら終わりですよ」
「そう・・・なんですね・・・」
あんな一瞬光っただけで終わりってことは、期待できない感が大なんですけど、大丈夫なんでしょうかね。
先生の反応も淡々としたものだったし、もう諦めた方がいいんでしょうか。
とりあえずまだスペルテストが残っているので、最後まで頑張りたいとは思います。
魔射場なので、壁には一面に的が設置されているのですが、テストを受けている学生はそこに向かって魔法を放っています。
色々な魔法が飛び交っているので、自分の好きな魔法が撃てたりするんですかね。
「次、そこのクジをひいて下さい」
魔射場の前にいた先生が声をかけてくれました。
『違った!クジなのか!!』
クジが入れられてる箱に手を入れると四角い紙が入っています。
適当に一枚取り出しました。
見たことないスペルが書かれています。
「知らないスペルなんですが?」
担当の先生に聞いてみます。
「あ、それは皆知らないスペルになるようになってるのよ。
そういう魔法がかけられてるの。
自分の知ってる魔法を撃ってもらっても、面白くないじゃない?」
面白さ重視なんですか・・・
しょうがないので、空いた的の前に行って、書かれていた魔法陣を魔力を使い転写し、スペルを唱えます。
『これ結構長いな・・・魔法陣も複雑だし、何の魔法なんだろう?』
とか思いながら、スペルを唱えながら魔力をこめていきます。
なんか、想定以上に魔力が流れてるような気がするんですけど、気のせいですかね。
僕の周りに魔力風が吹き始めます。
金色の魔力風なんて初めて見たんですけど、これ本当に何の魔法なんでしょうかね。
やっとスペルの終わりが近づきました。
こんなことなら、魔法文字の意味をちゃんと勉強しておけば良かったとか思います。
魔法文字を読めるには読めるのですが、意味がちゃんとわかるほどではないので、なんか何系の魔法ってこと位しかわからないのが玉に瑕なんですよね。
スペルを唱え終わったので、両手を空中に転写sれた魔法陣の方に突き出します。
魔法陣が黄金色に輝き、光が溢れた瞬間、魔力を全部持っていかれて、僕は気絶しました。
スペルが完成したその瞬間、魔法陣からは空間を焼き尽くすような7本の光が放たれて、瞬時に的を蒸発させて、さらに防御結界の張られていた壁がたわんだ後、パリーンと言うような音がして防御結界が粉々になり、壁に穴をうがちました。
壁の中には分厚い防御結界が何層にも組み込まれていたので、壁が反対側まで抜けるということはありませんでしたが、それでも防御結界が何層か抉られたようです。
しばらくして気が付くと、先生の声が聞こえました。
「大丈夫ですか?!しっかりして!」
パンパン頬っぺたを叩かれてます。
「・・・先生・・・痛いです・・・」
なんとか声を絞りだしました。
「あ、気が付いたのね。あなた、何の魔法使ったの???」
「え?紙に書かれていた魔法ですよ。
書いてあったままのやつを詠唱しました」
「おかしいわね・・・あんな魔法普通は出てくるはずないのに・・・」
「あんな魔法って何ですか?」
「これは、口外無用ね。
あれは・・・軍事魔法よ・・・」
今、何て?
「それも、普通は詠唱したとしても発動しないようにプロテクトがかけられているはずなんだけど、何で使えたのかしらね・・・」
「というか、何でそんな魔法が入ってるんですか?」
「わからないわ。
ただ、その人が使えない魔法がランダムに魔導書ネクロノミコンから選ばれるようになってるのよ。
ただ、どう考えてもあのレベルの魔法は普通出てこないはずなんだけど、何でかしら?」
「それは、僕が聞きたいですよ・・・」
「あなた、軍事魔法以外全部使えるとか?」
「商店の息子ですよ、そんなのあり得ませんよ」
「そう・・・じゃあ、単なる事故かしらね・・・」
「事故・・・なんですか?」
「まぁ、とりあえずテストは終了よ。
結果は、5つ半の刻に講堂に張り出されるから見に行ってね」
「わかりました、ありがとうございます」
とりあえず介抱してくれたお礼を言って魔射場から出ました。
介抱してくれたと言っても、頬っぺたを叩かれただけなんですけどね。
おかげで、まだ頬っぺたがひりひりします。
あの魔法のせいで魔力もなんか使い果たした感じで、精神的にもぐたぐたな感じです。
『お腹空いたよ・・・』
「リート、終わったのか?」
友達の男の子のジェスが声をかけてくれた。
「あ、ジェス。
うん、まぁ、なんとか死なずにすんだ」
「え?テストで死ぬとかあるの?」
「今日は、3回死にかけたけど・・・」
「お前よっぽど運が悪いんだな。
俺なんてぴんぴんしてるぞ」
「そうかも・・・今日は発表見たらまっすぐ家に帰るよ。
それより、お腹空いたから何か食べたい・・・」
「お、俺もちょうど小腹が減ってたとこだから付き合うぞ」
2人で購買に行って、僕は惣菜パンとジュースを買って、ジェスも菓子パンみたいなのを買っていました。
2人で道の横に設置されている長椅子に座ってぱくぱく食べて、少し落ち着いてきたので、さっきの魔法のことを考えてみました。
『なんであんな魔法が出てきたんだろうな。
せいぜい出て、火とか水の派生魔法くらいだと思ったのに。
今まで使ったことある魔法なんて、火をつける魔法とか、光をともす魔法とか、水を出す魔法くらいで、攻撃魔法なんて使ったことなかったのに、いきなり軍事魔法とかありえないよね・・・』
「リートどうした?」
「ん、いや、ジェスは魔法得意だっけ?」
「まぁ、魔法クラス希望だし、一応宮廷魔術師の息子だし、そこそこはできるぞ」
「どのくらいの魔法使えるの?」
「うーん、中級くらいまでかな。
ファイアバレットとかアイスバレットとか、そんな感じか」
「そっか、その年齢でそれはすごいね。
ところで、軍事魔法とかって使ったことある?」
「お前、馬鹿か?
軍事魔法なんて普通一般人が目にすることないぞ。
だいたい秘匿されてる。
俺もおやじのとこに見学に行って、少し見せてもらったくらいで、使うとか絶対ない」
「そんなもんか。
じゃあ、僕が軍事魔法使えたって言ったらどうする?」
「あはは、面白い冗談だな。
そんなの、天地がひっくり返っても、世界が終わってもないから安心しろ」
「え、そんな感じ?
てか、世界が終わってもないとかひどくない?」
「ひどくないひどくない。
それくらい軍事魔法使えるやつなんて稀有な存在なんだよ」
「そこまで?」
「宮廷魔術師でも、軍事魔法使える人は数えられるくらいかな。
そもそも魔法陣の転写が普通の人にはできないらしいんだよ。
必要な魔力も莫大で、スペル唱えても発動すらしないことが多いらしいぞ」
「なんと・・・じゃあ、一般人が使うのは無理?」
「無理とか言うレベルじゃないな。
一般人が、いくら生まれ変わってもあり得ない」
「生まれ変わっても・・・ってそれはさすがにひどくね?」
「それくらいのレベルで使えないって思ってくれればいいよ」
「そっか。
なんとなくわかったような気がする」
「理解してくれてよかった」
僕が軍事魔法を使えた理由はまったくわからないけど、普通は使えないって理由はよくわかりました。
結局あれは何だったんでしょうかね。疲れてて幻でも見たんでしょうか。
『ふふふ、もう少しでアエルネ・・・』
なんか、声が聞こえた気がします。
「ジェス、なんか言った?」
「いや、何も言ってないけど、どうした?」
「ん、なんか声が聞こえたような気が・・・」
「お前疲れてるんだよ。
目の下にクマできてるぞ」
「まじ?」
「まじまじ」
「まぁ、3回くらい死にかけたらそんな感じにもなるのかも」
声はとりあえず幻聴ってことにして、そろそろ結果発表に向かいたいと思います。
他の学生達も講堂の方に三々五々向かっていくので、そこにジェスと混じって講堂に向かいます。
魔力テストとスペルテストがあるらしいのですが、剣術クラスのテストのように予想外のものが無ければよいのですが。昼ご飯も食べ損ねてしまったので、お腹も空いてますし、早く済ませてしまいたいものです。
「リートは今から魔法クラスのテスト?」
同級生の女の子のチャコが声をかけてくれました。
「うん、剣術クラスのテストでボロボロだけどね・・・」
「あー、今年のテスト結構大変らしいね。
苦労した人、リートだけじゃないみたいだよ。
なんか、剣術クラス担当の先生が結構入れ替わったらしくて、厳しめのテストになってるらしいよ」
「そうだったんだ・・・剣術クラスは絶望的な感じがするよ・・・」
「ま、リートは学術クラスが確実なんだからいいじゃない?」
「それはそうなんだけどね・・・」
「とりあえず、魔術クラスのテスト頑張ってね。そんなに大変じゃなかったから」
「ありがとう、チャコ。
とりあえずチャレンジしてくるよ」
魔射場に入ると、大きな結晶石が置いてあって、テストを受ける学生がそこに手をついてます。
あれが、魔力テストに使う鑑定石でしょうかね。
様々な色や輝き方をしていて、まったく同じ輝き方をすることはないように見えます。
街中で見た鑑定石だと結構はっきり色分けされて光るのでわかりやすいのですが、アカデミーの鑑定石はどうやらちょっと違うようです。
先生は光り方を見て、細かくメモを取っています。どういう基準なんでしょうね?
「はい、次の人!」
呼ばれたので、鑑定石の前に行きます。
「鑑定石に両手を当てて、魔力を軽くこめて下さい」
鑑定石に手を当てると、ひんやりした感じがします。
球形に見えたのですが、細かい角がついていて、球に近い球形の宝石のような感じです。
魔力を少しこめると、透明に見えた球の中心あたりから光が溢れてきて、一瞬パーンと光って消えました。
『え?普通、何かもっと光ったりするんじゃないのかな??』
「はい、じゃあ次のスペルテストに行って下さい」
と先生は淡々と言います。
「え?これで終わりですか?」
つい聞いてしまいました。
「そうですね、光が出たら終わりですよ」
「そう・・・なんですね・・・」
あんな一瞬光っただけで終わりってことは、期待できない感が大なんですけど、大丈夫なんでしょうかね。
先生の反応も淡々としたものだったし、もう諦めた方がいいんでしょうか。
とりあえずまだスペルテストが残っているので、最後まで頑張りたいとは思います。
魔射場なので、壁には一面に的が設置されているのですが、テストを受けている学生はそこに向かって魔法を放っています。
色々な魔法が飛び交っているので、自分の好きな魔法が撃てたりするんですかね。
「次、そこのクジをひいて下さい」
魔射場の前にいた先生が声をかけてくれました。
『違った!クジなのか!!』
クジが入れられてる箱に手を入れると四角い紙が入っています。
適当に一枚取り出しました。
見たことないスペルが書かれています。
「知らないスペルなんですが?」
担当の先生に聞いてみます。
「あ、それは皆知らないスペルになるようになってるのよ。
そういう魔法がかけられてるの。
自分の知ってる魔法を撃ってもらっても、面白くないじゃない?」
面白さ重視なんですか・・・
しょうがないので、空いた的の前に行って、書かれていた魔法陣を魔力を使い転写し、スペルを唱えます。
『これ結構長いな・・・魔法陣も複雑だし、何の魔法なんだろう?』
とか思いながら、スペルを唱えながら魔力をこめていきます。
なんか、想定以上に魔力が流れてるような気がするんですけど、気のせいですかね。
僕の周りに魔力風が吹き始めます。
金色の魔力風なんて初めて見たんですけど、これ本当に何の魔法なんでしょうかね。
やっとスペルの終わりが近づきました。
こんなことなら、魔法文字の意味をちゃんと勉強しておけば良かったとか思います。
魔法文字を読めるには読めるのですが、意味がちゃんとわかるほどではないので、なんか何系の魔法ってこと位しかわからないのが玉に瑕なんですよね。
スペルを唱え終わったので、両手を空中に転写sれた魔法陣の方に突き出します。
魔法陣が黄金色に輝き、光が溢れた瞬間、魔力を全部持っていかれて、僕は気絶しました。
スペルが完成したその瞬間、魔法陣からは空間を焼き尽くすような7本の光が放たれて、瞬時に的を蒸発させて、さらに防御結界の張られていた壁がたわんだ後、パリーンと言うような音がして防御結界が粉々になり、壁に穴をうがちました。
壁の中には分厚い防御結界が何層にも組み込まれていたので、壁が反対側まで抜けるということはありませんでしたが、それでも防御結界が何層か抉られたようです。
しばらくして気が付くと、先生の声が聞こえました。
「大丈夫ですか?!しっかりして!」
パンパン頬っぺたを叩かれてます。
「・・・先生・・・痛いです・・・」
なんとか声を絞りだしました。
「あ、気が付いたのね。あなた、何の魔法使ったの???」
「え?紙に書かれていた魔法ですよ。
書いてあったままのやつを詠唱しました」
「おかしいわね・・・あんな魔法普通は出てくるはずないのに・・・」
「あんな魔法って何ですか?」
「これは、口外無用ね。
あれは・・・軍事魔法よ・・・」
今、何て?
「それも、普通は詠唱したとしても発動しないようにプロテクトがかけられているはずなんだけど、何で使えたのかしらね・・・」
「というか、何でそんな魔法が入ってるんですか?」
「わからないわ。
ただ、その人が使えない魔法がランダムに魔導書ネクロノミコンから選ばれるようになってるのよ。
ただ、どう考えてもあのレベルの魔法は普通出てこないはずなんだけど、何でかしら?」
「それは、僕が聞きたいですよ・・・」
「あなた、軍事魔法以外全部使えるとか?」
「商店の息子ですよ、そんなのあり得ませんよ」
「そう・・・じゃあ、単なる事故かしらね・・・」
「事故・・・なんですか?」
「まぁ、とりあえずテストは終了よ。
結果は、5つ半の刻に講堂に張り出されるから見に行ってね」
「わかりました、ありがとうございます」
とりあえず介抱してくれたお礼を言って魔射場から出ました。
介抱してくれたと言っても、頬っぺたを叩かれただけなんですけどね。
おかげで、まだ頬っぺたがひりひりします。
あの魔法のせいで魔力もなんか使い果たした感じで、精神的にもぐたぐたな感じです。
『お腹空いたよ・・・』
「リート、終わったのか?」
友達の男の子のジェスが声をかけてくれた。
「あ、ジェス。
うん、まぁ、なんとか死なずにすんだ」
「え?テストで死ぬとかあるの?」
「今日は、3回死にかけたけど・・・」
「お前よっぽど運が悪いんだな。
俺なんてぴんぴんしてるぞ」
「そうかも・・・今日は発表見たらまっすぐ家に帰るよ。
それより、お腹空いたから何か食べたい・・・」
「お、俺もちょうど小腹が減ってたとこだから付き合うぞ」
2人で購買に行って、僕は惣菜パンとジュースを買って、ジェスも菓子パンみたいなのを買っていました。
2人で道の横に設置されている長椅子に座ってぱくぱく食べて、少し落ち着いてきたので、さっきの魔法のことを考えてみました。
『なんであんな魔法が出てきたんだろうな。
せいぜい出て、火とか水の派生魔法くらいだと思ったのに。
今まで使ったことある魔法なんて、火をつける魔法とか、光をともす魔法とか、水を出す魔法くらいで、攻撃魔法なんて使ったことなかったのに、いきなり軍事魔法とかありえないよね・・・』
「リートどうした?」
「ん、いや、ジェスは魔法得意だっけ?」
「まぁ、魔法クラス希望だし、一応宮廷魔術師の息子だし、そこそこはできるぞ」
「どのくらいの魔法使えるの?」
「うーん、中級くらいまでかな。
ファイアバレットとかアイスバレットとか、そんな感じか」
「そっか、その年齢でそれはすごいね。
ところで、軍事魔法とかって使ったことある?」
「お前、馬鹿か?
軍事魔法なんて普通一般人が目にすることないぞ。
だいたい秘匿されてる。
俺もおやじのとこに見学に行って、少し見せてもらったくらいで、使うとか絶対ない」
「そんなもんか。
じゃあ、僕が軍事魔法使えたって言ったらどうする?」
「あはは、面白い冗談だな。
そんなの、天地がひっくり返っても、世界が終わってもないから安心しろ」
「え、そんな感じ?
てか、世界が終わってもないとかひどくない?」
「ひどくないひどくない。
それくらい軍事魔法使えるやつなんて稀有な存在なんだよ」
「そこまで?」
「宮廷魔術師でも、軍事魔法使える人は数えられるくらいかな。
そもそも魔法陣の転写が普通の人にはできないらしいんだよ。
必要な魔力も莫大で、スペル唱えても発動すらしないことが多いらしいぞ」
「なんと・・・じゃあ、一般人が使うのは無理?」
「無理とか言うレベルじゃないな。
一般人が、いくら生まれ変わってもあり得ない」
「生まれ変わっても・・・ってそれはさすがにひどくね?」
「それくらいのレベルで使えないって思ってくれればいいよ」
「そっか。
なんとなくわかったような気がする」
「理解してくれてよかった」
僕が軍事魔法を使えた理由はまったくわからないけど、普通は使えないって理由はよくわかりました。
結局あれは何だったんでしょうかね。疲れてて幻でも見たんでしょうか。
『ふふふ、もう少しでアエルネ・・・』
なんか、声が聞こえた気がします。
「ジェス、なんか言った?」
「いや、何も言ってないけど、どうした?」
「ん、なんか声が聞こえたような気が・・・」
「お前疲れてるんだよ。
目の下にクマできてるぞ」
「まじ?」
「まじまじ」
「まぁ、3回くらい死にかけたらそんな感じにもなるのかも」
声はとりあえず幻聴ってことにして、そろそろ結果発表に向かいたいと思います。
他の学生達も講堂の方に三々五々向かっていくので、そこにジェスと混じって講堂に向かいます。
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