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三章 龍の花嫁
75 ノアの野菜は一味違います
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ジッキンデンさんの騒動があってから1週間ほど経ち、ついにジッキンデンさんが目を覚ましました。
「誠に、申し訳ございませんでした」
見事な土下座です。冷静さは戻ってるみたいですね。
「「「申し訳ございませんでしたぁ!」」」
「馬鹿、あんた達は謝らなくていいのよ! 悪いのは私なんだから!」
「いえ、私どもにも責任がございます。ジッキンデン様に拾っていただいた命、ジッキンデン様と共に失うのならば本望です!」
「あんたたち……」
なんかドラマが生まれてますけど、別に処刑とかしないですよ?
「あと、なにか誤解してるみたいですけど、別に処刑とかしませんよ?」
「へ?」
「城は一部壊れましたけどもう直ってますし、怪我人もいません。まぁ何もなしという訳にも行きませんけど、処刑なんてありえませんよ」
何もなし、というのは国の対応として不味いので何かしらの罰はあると思いますけど、そこまで重いことにはなりません。
「マ、マーガレット様……自国の城を壊されてもそれほど寛大な処置を……」
まぁ、別の国だったら他国の貴族が城を壊して女王を危険に晒したら死刑ですし戦争は免れません。
ただ、ここはノアの国ですので。私が女王であり、罰は私が決めれます。あまり好き勝手にはしませんけどね。
「その器の大きさ、素晴らしいわ……。性別は違っても、思い描いていたマーガレット様と同じ、素晴らしい王なのね」
褒められました。
「それで、私たちの罰はどうなるのかしらん?」
「そうですね……」
痛いこととかはしないですし、強制労働も違う気がします。
「では、この国との貿易をお願いできますか?」
「貿易? それはノアの国が有利になるようにってことかしら?」
「そうですね。別な搾取するわけじゃないので細かい話はルールー、シルフィとお願いします」
「……なかなか手強そうねぇ」
手強いと思いますよあの二人は。
「あとはそうですね……丁度収穫の時期です。みんなに混ざって手伝ってください」
「そ、それだけでいいのかしら? あまり罰にはなってないんじゃないかしら」
「貴方方を苦しめるよりも、ノアのためになる事をした方がいいと思うだけですよ。さ、慣れない作業だとは思いますが、やってもらいますよ」
ジッキンデンさんはルールー、シルフィと話し合いです。のこりの人達は収穫作業です!
とりあえず、武器を作りましょう。
「はい、好きな武器を持ってくださいね」
「え? なぜですか? 収穫ですよね?」
「収穫ですよ? だからこそ武器を出したんです」
ノアの国の野菜たちは一味違いますからね。もちろん、そのままの意味で美味しいということもありますが、変わっているのはその生態です。
ためしに、そこの野菜を抜こうとしてみてください。
「これですか? で、では。いきまーー」
『キサマァァァァ』
「うわぁ?! 喋った?!」
そうです。ノアの国の植物は収穫に抵抗します。単一の言葉しか喋りませんが、簡単か魔法を使うこともあるので油断してると危険です。
『グハァ』
ただ、こうして一部分でも切ってしまえば普通の野菜になりますから、魔法に気をつければ怖い存在ではありません。
「では、あとは頑張ってくださいね。目標はあれです」
「え?」
子供たちのほうをみてください。次々に野菜たちを収穫していきます。
『キチクガァァァ』
『ツマヲカエセェェェ』
『ノロッテヤル! ノロッテヤルゾォォ』
「収穫祭、楽しみだねー」
「ほんとだねー!」
野菜たちの言葉は意味を持ってるように聞こえますが、あまり気にしては行けません。気にしすぎると心が病みます。
では、改めて頑張ってもらいましょう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ジッキンデンさま、聞いてください! 信じられない働きをしたんですよ!」
「ジッキンデン様! ここの野菜は凄まじい美味しさです! これはぜひ輸入を!」
「ジッキンデン様!」「ジッキンデン様!」
「ちょ、ちょっと落ち着きなさいあなた達!」
最初は戸惑っていましたが、日が落ちる頃には子供たちと勝負をするくらいには作業になれていた見たいです。
ジッキンデンさんはルールー、シルフィのコンビとの話し合いで疲れ切っているみたいです。
話し合いの結果は……なるほど、ノアの国がとてつもなく有利な取引ですね。ただ、搾取ではなく、ちゃんとハプスブル家側にも利益はあります。
「いい交渉でしたね。2人に任せて正解でした。今日はあがっていいですよ」
2人は仲良くハイタッチをして喜んでいます。そのまま飲みに行くみたいですね。
二日酔い防止の魔法をこっそりかけておきます。
今年の収穫量は去年よりもかなり増えました。そもそもの作付面積が増えたのもありますが、技術もあがってきてますね。
素晴らしいことです。
さ、私もお酒を飲みにでもいきましょーーん? どうしました子供たち。
「遊ぶとこなくなっちゃった」
遊ぶとこ? あぁ、ジッキンデンさんが子供たちの遊び場になっていましたから、変身が解けて遊ぶところが無くなったと。
あ、アダムも来ましたね。子供たちみんな、同じ意見ですか?
「じゃあ作りましょうか、遊ぶところ」
「「「やったー!」」」
どんなのがいいでしょうか。遊具? それとも山?
「お母さん、ダンジョンがいい!」
「ダンジョンですか……」
子供たちの実力なら、たしかに楽しめるでしょう。ただ前にフェンが言ってたことを思い出します。
『ダンジョンを生み出そうとする者は多いが、利用できたものはとても少ない』
そんなことを言っていました。
ただ、別にダンジョン風なら大丈夫でしょう。魔法で定期的にゴーレムを出して模擬戦みたいにすれば楽しんでもらえるはずです。
「よーし、じゃあダンジョン風の遊び場を作りましょうか!」
「「「はい!」」」
「ただ、今日はもう遅いので明日からです。今日はみんながとってくれた野菜を楽しみましょう」
子供たちははーいと元気な返事をしてくれます。
アダムも、一緒に帰りましょうか。抱っこさせてください。
照れくさいですか? そう言わず。あと何年こうして貴方を抱っこできるのかわかりませんから、お母さんのわがままを聞いてください。
「少し大きくなりましたか?」
「そうみたい。体重も増えたんだよ!」
「たしかに、重くなりましたね」
今後の成長がとても楽しみです。さぁ、帰って美味しい野菜を使った料理でもしましょう。
「誠に、申し訳ございませんでした」
見事な土下座です。冷静さは戻ってるみたいですね。
「「「申し訳ございませんでしたぁ!」」」
「馬鹿、あんた達は謝らなくていいのよ! 悪いのは私なんだから!」
「いえ、私どもにも責任がございます。ジッキンデン様に拾っていただいた命、ジッキンデン様と共に失うのならば本望です!」
「あんたたち……」
なんかドラマが生まれてますけど、別に処刑とかしないですよ?
「あと、なにか誤解してるみたいですけど、別に処刑とかしませんよ?」
「へ?」
「城は一部壊れましたけどもう直ってますし、怪我人もいません。まぁ何もなしという訳にも行きませんけど、処刑なんてありえませんよ」
何もなし、というのは国の対応として不味いので何かしらの罰はあると思いますけど、そこまで重いことにはなりません。
「マ、マーガレット様……自国の城を壊されてもそれほど寛大な処置を……」
まぁ、別の国だったら他国の貴族が城を壊して女王を危険に晒したら死刑ですし戦争は免れません。
ただ、ここはノアの国ですので。私が女王であり、罰は私が決めれます。あまり好き勝手にはしませんけどね。
「その器の大きさ、素晴らしいわ……。性別は違っても、思い描いていたマーガレット様と同じ、素晴らしい王なのね」
褒められました。
「それで、私たちの罰はどうなるのかしらん?」
「そうですね……」
痛いこととかはしないですし、強制労働も違う気がします。
「では、この国との貿易をお願いできますか?」
「貿易? それはノアの国が有利になるようにってことかしら?」
「そうですね。別な搾取するわけじゃないので細かい話はルールー、シルフィとお願いします」
「……なかなか手強そうねぇ」
手強いと思いますよあの二人は。
「あとはそうですね……丁度収穫の時期です。みんなに混ざって手伝ってください」
「そ、それだけでいいのかしら? あまり罰にはなってないんじゃないかしら」
「貴方方を苦しめるよりも、ノアのためになる事をした方がいいと思うだけですよ。さ、慣れない作業だとは思いますが、やってもらいますよ」
ジッキンデンさんはルールー、シルフィと話し合いです。のこりの人達は収穫作業です!
とりあえず、武器を作りましょう。
「はい、好きな武器を持ってくださいね」
「え? なぜですか? 収穫ですよね?」
「収穫ですよ? だからこそ武器を出したんです」
ノアの国の野菜たちは一味違いますからね。もちろん、そのままの意味で美味しいということもありますが、変わっているのはその生態です。
ためしに、そこの野菜を抜こうとしてみてください。
「これですか? で、では。いきまーー」
『キサマァァァァ』
「うわぁ?! 喋った?!」
そうです。ノアの国の植物は収穫に抵抗します。単一の言葉しか喋りませんが、簡単か魔法を使うこともあるので油断してると危険です。
『グハァ』
ただ、こうして一部分でも切ってしまえば普通の野菜になりますから、魔法に気をつければ怖い存在ではありません。
「では、あとは頑張ってくださいね。目標はあれです」
「え?」
子供たちのほうをみてください。次々に野菜たちを収穫していきます。
『キチクガァァァ』
『ツマヲカエセェェェ』
『ノロッテヤル! ノロッテヤルゾォォ』
「収穫祭、楽しみだねー」
「ほんとだねー!」
野菜たちの言葉は意味を持ってるように聞こえますが、あまり気にしては行けません。気にしすぎると心が病みます。
では、改めて頑張ってもらいましょう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ジッキンデンさま、聞いてください! 信じられない働きをしたんですよ!」
「ジッキンデン様! ここの野菜は凄まじい美味しさです! これはぜひ輸入を!」
「ジッキンデン様!」「ジッキンデン様!」
「ちょ、ちょっと落ち着きなさいあなた達!」
最初は戸惑っていましたが、日が落ちる頃には子供たちと勝負をするくらいには作業になれていた見たいです。
ジッキンデンさんはルールー、シルフィのコンビとの話し合いで疲れ切っているみたいです。
話し合いの結果は……なるほど、ノアの国がとてつもなく有利な取引ですね。ただ、搾取ではなく、ちゃんとハプスブル家側にも利益はあります。
「いい交渉でしたね。2人に任せて正解でした。今日はあがっていいですよ」
2人は仲良くハイタッチをして喜んでいます。そのまま飲みに行くみたいですね。
二日酔い防止の魔法をこっそりかけておきます。
今年の収穫量は去年よりもかなり増えました。そもそもの作付面積が増えたのもありますが、技術もあがってきてますね。
素晴らしいことです。
さ、私もお酒を飲みにでもいきましょーーん? どうしました子供たち。
「遊ぶとこなくなっちゃった」
遊ぶとこ? あぁ、ジッキンデンさんが子供たちの遊び場になっていましたから、変身が解けて遊ぶところが無くなったと。
あ、アダムも来ましたね。子供たちみんな、同じ意見ですか?
「じゃあ作りましょうか、遊ぶところ」
「「「やったー!」」」
どんなのがいいでしょうか。遊具? それとも山?
「お母さん、ダンジョンがいい!」
「ダンジョンですか……」
子供たちの実力なら、たしかに楽しめるでしょう。ただ前にフェンが言ってたことを思い出します。
『ダンジョンを生み出そうとする者は多いが、利用できたものはとても少ない』
そんなことを言っていました。
ただ、別にダンジョン風なら大丈夫でしょう。魔法で定期的にゴーレムを出して模擬戦みたいにすれば楽しんでもらえるはずです。
「よーし、じゃあダンジョン風の遊び場を作りましょうか!」
「「「はい!」」」
「ただ、今日はもう遅いので明日からです。今日はみんながとってくれた野菜を楽しみましょう」
子供たちははーいと元気な返事をしてくれます。
アダムも、一緒に帰りましょうか。抱っこさせてください。
照れくさいですか? そう言わず。あと何年こうして貴方を抱っこできるのかわかりませんから、お母さんのわがままを聞いてください。
「少し大きくなりましたか?」
「そうみたい。体重も増えたんだよ!」
「たしかに、重くなりましたね」
今後の成長がとても楽しみです。さぁ、帰って美味しい野菜を使った料理でもしましょう。
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