こんなもんだろう

かぁくん

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一章11 勝負

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えみ達は外に出された椅子に座り、出番を待っていた。


その頃舞美と舞は学校につき、急いで走っていた。

舞美「早くお母さん!遅れちゃったからえみちゃん達見れなくなっちゃうよ!」
舞「チョット待って!走んないで!あんたも弁当もちなさいよ!」
舞美「何でそんないっぱい作ったの!?私ブルーシート持ってるから無理だよ!」
舞「だって心ちゃんのお父さん来れないから心ちゃんのぶんも作らないと!」
舞美「それにしたって弁当デカすぎ!それおせち入れるやつでしょ!?」
舞「もーいい!あんた先行って待ってて!」
舞美「わかった!」



1年生の徒競走が始まった。
えみ達は自分が走る順番まで待っている。
そして次は心の順番になった。

心(どうしよう。緊張してきた)

すると遠くの方から心の名前を呼ぶ声が聞こえた。
その方向を見ると舞美が手を振っている。

心(あ!舞美ちゃんだ!)


舞美「お母さん遅いよ!」
舞「え!?誰か走っちゃった?」
舞美「次、多分心の番。きた!走るよ!」

心(よし。もうしょうがない。思いっきり走ろう。いっぱい練習したし、大丈夫!)

そして先生がピストルを持っている手を上げた。
2秒位たち大きな音でピストルがなった。


舞美「心が走った!」
舞「え!?チョット!見えない!」
舞美「えーー!!」
舞「何!?」
舞美「心おっそー!!」
舞「チョット!見えない!」
舞美「え!しかもこけた!」
舞「見えた!転んでるじゃん!」
舞美「諦めるなよー?」

心が立ち上がりまた走り出した、

舞美「よし!走れー!!」

舞美が大声で叫んだ。

心がゴールに着いた。
ビリだった。
すると舞美が急に心の方に走り出した。

先生「チョットえみちゃんのおばさん入っちゃダメですよ!」

舞美は無視して心の所に行き心を抱きしめた。

舞美「心!頑張った!」

心は舞美の服にうもれながら言った。

心「うん」
舞美「よし!頑張った!泣くな!」
心「うん」

舞美はしゃがみ、心の服のホコリをはらう。

舞美「血出てんじゃん!先生これ保健室じゃないんですか!?」
先生「そうですね。連れて行きますからえみちゃんのおばさんは戻ってください」
舞美「すみません。心!お昼一緒にご飯食べようね!」
心「うん」
舞美「それと先生、私おばさんじゃないですから。まだお姉さんですから」
先生「あ、ごめんなさい」

舞美が舞の所に戻ると舞はジッと舞美を見ている。

舞「何してんの?」
舞美「心の所行ってきたの」
舞「本当に恥ずかしい」
舞美「だって気になんじゃん!」
舞「で?心ちゃんどうだった?」
舞美「泣いてた」
舞「そ」

しばらくすると駿の番がやってきた。

舞美「あれ駿君じゃない?」
舞「あ、そうかも!」

ピストルがなった。
駿はものすごい勢いで走り1番をとった。

舞美「おー。すごいじゃん」
舞「で?えみちゃんはいつ?」
舞美「まだ女の子の番きてない。まだじゃない?」

その頃えみは。

えみ(心ちゃん大丈夫かな?保健室行ったのかな?)

そして女子の番がきた。
えみはかなり前から緊張していた。



えみ(どうしよう。もう自分の番きちゃう。けどもうどうしようもないし)

えみの番がきた。

ピストルが上がった。

えみ(もういい!頑張る!)

ピストルがなった。
皆いっせいに走り出す。

えみ(練習思い出して!)

するとえみの前に人がいない事にえみは気づいた。

えみ(あれ?私今1番だ!よし!このまま!)



舞美「チョットお母さん!えみちゃん今1位だよ!いけ!」
舞「本当だ!いけ!」


えみは1番でゴールした。


舞美「チョット待ってえみちゃん1位だよ!やばいやばい!行ってくる!」
舞「ダメ!ここにいなさい!」
舞美「えー!何で!?1位だよ!?」
舞「ダメなもんはだめ!」
舞美「えー」


えみ(私1位だ!やった!どうしよう!?嬉しい!)

えみは校舎を見た。

えみ(心ちゃん所に早く行かなきゃ!)

えみはそのまま校舎に走り出した。

先生「えみちゃん!どこ行くの!?待って!」

えみは無視して校舎に向かう。

先生「はー。あの家族めちゃくちゃ」

えみが校舎に入り保健室に入るなり心に抱きついた。
そして心の顔を見て人差し指を上げた。

心「1番?」

えみが頷く。

心「本当に!?やったじゃん!」



運動場では春の出番がやってきた。


舞美「今度は春ちゃんじゃない?」
舞「本当だ。ねーえみちゃんどこ行ったの?」
舞美「心の所じゃない?」
舞「えー。舞美といい、えみちゃんといい、何なの!?」

春はピストルがなるまでの間、小声でずっと自問自答していた。

春「大丈夫。いける。1位になれる」

ピストルがなった。

春は思いっきり地面を踏み、走り出した。
春は中盤までは1位だったが最後のギリギリで抜かれてしまい、2位だった。
春はとても悔しそうな顔をしていた。
だがしばらくすると晴れ晴れしたような顔に変わった。

春が戻ると駿が春を待っていた。

駿「春、心の所行こうぜ」
春「わかってる」

2人は心の所に向かった。


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