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第二部 セルフィニエ辺境伯領編
第百二十四話 魔力再検査
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今日は魔力の再検査をする。
例によって魔力放出は体力を消耗するので、今日は再検査を受けたら授業には出なくていいことになっている。
やっぱり魔力なんてないって言われるのかな。
それともなんとかトーンだとか大仰な属性の持ち主だと言われるのだろうか。
ちょっとドキドキだった。
今日も研究室ではバスティアンさんとジョンさんが待っていた。
前と同じように床に描かれた魔法陣の上に立ち、バスティアンさんが差し出す杖を握った。
「……やはり、魔法陣が消えますね」
「ええ、透明に変化しますね」
そしてやっぱり前と同じように魔法陣の大部分が掻き消えてしまったのだった。
「魔法陣は消失してしまった訳ではない。現にこうして指で触れてみれば石筆の粉の感触が感じられます」
屈み込んで魔法陣が描かれていた箇所を指でなぞるバスティアンさん。
「絶対に殿下が魔力を有していることは間違いないのです。こうなったら、この透明色に変化してしまった粉を調査して属性を割り出してみようかと思います」
「それでは途方もない時間がかかるのでは……」
「ええ。しかし殿下の未知のお力、その正体を是非明かしたいとは思いませんか? その為ならば私は多少の労力は惜しみません!」
バスティアンさんは頼もしい笑みを浮かべて宣言した。
よく分からないけど僕の為に何か色々してくれるらしい。
それにしても何で透明になってしまうのだろう?
光の三原色の赤緑青を混ぜれば白にはなるけど、白は透明とは違うし……。
「属性は判明しませんでしたが、殿下が魔力を有していることは明らかです。来週から魔術の授業を始めましょう」
「いいの? やったー!」
魔術! 遂に未知の力を使える!
僕は諸手をあげて喜んだ!
「普通ならば魔術の授業は最初はその人が得意な魔術から練習していくものなのですが、殿下の場合は属性が判明していないので不得意な属性から練習することになってしまう可能性もございます。ご了承ください」
「うん、いいよ。大丈夫!」
何せ魔術だ。魔術を使えるのだ。
何だって大丈夫だと思えた。
「魔術の授業の教師を務めるのは私です。来週からよろしくお願いいたします」
バスティアンさんがにこりと微笑む。
「よろしくお願いします!」
僕もにっこりと微笑みを返したのだった。
例によって魔力放出は体力を消耗するので、今日は再検査を受けたら授業には出なくていいことになっている。
やっぱり魔力なんてないって言われるのかな。
それともなんとかトーンだとか大仰な属性の持ち主だと言われるのだろうか。
ちょっとドキドキだった。
今日も研究室ではバスティアンさんとジョンさんが待っていた。
前と同じように床に描かれた魔法陣の上に立ち、バスティアンさんが差し出す杖を握った。
「……やはり、魔法陣が消えますね」
「ええ、透明に変化しますね」
そしてやっぱり前と同じように魔法陣の大部分が掻き消えてしまったのだった。
「魔法陣は消失してしまった訳ではない。現にこうして指で触れてみれば石筆の粉の感触が感じられます」
屈み込んで魔法陣が描かれていた箇所を指でなぞるバスティアンさん。
「絶対に殿下が魔力を有していることは間違いないのです。こうなったら、この透明色に変化してしまった粉を調査して属性を割り出してみようかと思います」
「それでは途方もない時間がかかるのでは……」
「ええ。しかし殿下の未知のお力、その正体を是非明かしたいとは思いませんか? その為ならば私は多少の労力は惜しみません!」
バスティアンさんは頼もしい笑みを浮かべて宣言した。
よく分からないけど僕の為に何か色々してくれるらしい。
それにしても何で透明になってしまうのだろう?
光の三原色の赤緑青を混ぜれば白にはなるけど、白は透明とは違うし……。
「属性は判明しませんでしたが、殿下が魔力を有していることは明らかです。来週から魔術の授業を始めましょう」
「いいの? やったー!」
魔術! 遂に未知の力を使える!
僕は諸手をあげて喜んだ!
「普通ならば魔術の授業は最初はその人が得意な魔術から練習していくものなのですが、殿下の場合は属性が判明していないので不得意な属性から練習することになってしまう可能性もございます。ご了承ください」
「うん、いいよ。大丈夫!」
何せ魔術だ。魔術を使えるのだ。
何だって大丈夫だと思えた。
「魔術の授業の教師を務めるのは私です。来週からよろしくお願いいたします」
バスティアンさんがにこりと微笑む。
「よろしくお願いします!」
僕もにっこりと微笑みを返したのだった。
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