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第二部 セルフィニエ辺境伯領編
第百二十三話 お兄ちゃんとお散歩っ! ②
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「セルフィニエ家では南部の肥沃な土地を活かして代々ワイン造りに従事しているそうだ」
「わぁ……!」
城を囲むように広がる緑の葡萄畑に僕は感嘆の声を上げた。
辺境伯の城に着いた時は疲れ切っててうつらうつらとしてたから、馬車から外の景色を覗いたりなんてしなかったのだ。こうして外に出て直接見ると格別美しい景色に見えた。
南部は空気が良いから体調が良くなると宰相に聞いた時は疑わしかったが、本当に空気が美味しく感じられる。
ここにいれば本当に身体が丈夫になりそうな感じがした。
まあそんな風にポジティブに考えられるのはお兄ちゃんが隣にいるからだけど。
「もう少ししたら葡萄の花が咲くそうだ」
周囲に人影がないので、お兄ちゃんは素の口調で僕に話しかける。
「わあ、葡萄の花ってどんなのだろう……!」
「花弁がないそうだからな。慎ましいものらしいぞ」
花びらがない花ってどんな姿なのかなとワクワクと想像を膨らませる。
「じゃあ晩餐で大人たちが飲んでたワインもここで造られたものなのかな?」
「恐らくそうだろう。今晩聞いてみるといい」
昨日の晩餐では酒を飲める年齢の人たちは肉料理に舌鼓を打ちながら赤い葡萄酒の入ったグラスを傾けていた。
白ワインが合う料理であれば白ワインが饗されるのかもしれない。
「東にずっと行くと森があり、辺境伯は時折そこで狩りをするらしい」
「へー」
お兄ちゃんは東の方を指して説明する。
とても深く広い森があり、入口の方には森番がいるけれども奥は危険なので決して勝手に行ったりしないようにとは辺境伯からも説明を受けた。興味がないので全然行くつもりないけど。
「湖は? 海みたいに大きな湖があるんでしょう?」
「ああ。南の太陽の国まで跨るほど大きな湖があるそうだ。今度この目で見てみたいな」
国と国とに跨るほど大きな湖ってほとんど海じゃないだろうか。
そんなに大きいのに全部淡水なのかな。
「東には深い森が広がり、さらに国境に沿うように湖があるから太陽の国が陸から攻めてくる方向は限られるらしい。ここら辺は国防の要なんだ」
「ふーん。でも陸からとは限らないんじゃない? 湖を渡ってくるかもよ?」
「考えてみればそうだな……。きっと湖からの侵攻に対しては何らかの対策がなされているのだろう。まあどちらにせよ、今の時代に太陽の国と戦争など起きはしない」
「?」
太陽の国との戦争が起きないってどういうことだろう、と首を傾げる。
「第二皇妃は太陽の国から嫁いできた姫だろう。あれは月の国と太陽の国の友好の証だ。実際、しょっちゅう太陽の国から第二皇妃の母親が月の国を訪ねに来るだろう」
今は月の国と太陽の国の関係は極めて良好ということらしい。
そうじゃなかったら安心して来れないもんね。
「ねーねー、僕も大きな湖見てみたい! 今度一緒に行こうよ!」
「そうだな、カレンの体調が良かったらそうしよう。だがまずは来週は工房巡りだ、覚えているな?」
「うん!」
お兄ちゃんと笑い合いながら、僕はお兄ちゃんと一緒に南部に来れて良かったと心から思ったのだった。
「わぁ……!」
城を囲むように広がる緑の葡萄畑に僕は感嘆の声を上げた。
辺境伯の城に着いた時は疲れ切っててうつらうつらとしてたから、馬車から外の景色を覗いたりなんてしなかったのだ。こうして外に出て直接見ると格別美しい景色に見えた。
南部は空気が良いから体調が良くなると宰相に聞いた時は疑わしかったが、本当に空気が美味しく感じられる。
ここにいれば本当に身体が丈夫になりそうな感じがした。
まあそんな風にポジティブに考えられるのはお兄ちゃんが隣にいるからだけど。
「もう少ししたら葡萄の花が咲くそうだ」
周囲に人影がないので、お兄ちゃんは素の口調で僕に話しかける。
「わあ、葡萄の花ってどんなのだろう……!」
「花弁がないそうだからな。慎ましいものらしいぞ」
花びらがない花ってどんな姿なのかなとワクワクと想像を膨らませる。
「じゃあ晩餐で大人たちが飲んでたワインもここで造られたものなのかな?」
「恐らくそうだろう。今晩聞いてみるといい」
昨日の晩餐では酒を飲める年齢の人たちは肉料理に舌鼓を打ちながら赤い葡萄酒の入ったグラスを傾けていた。
白ワインが合う料理であれば白ワインが饗されるのかもしれない。
「東にずっと行くと森があり、辺境伯は時折そこで狩りをするらしい」
「へー」
お兄ちゃんは東の方を指して説明する。
とても深く広い森があり、入口の方には森番がいるけれども奥は危険なので決して勝手に行ったりしないようにとは辺境伯からも説明を受けた。興味がないので全然行くつもりないけど。
「湖は? 海みたいに大きな湖があるんでしょう?」
「ああ。南の太陽の国まで跨るほど大きな湖があるそうだ。今度この目で見てみたいな」
国と国とに跨るほど大きな湖ってほとんど海じゃないだろうか。
そんなに大きいのに全部淡水なのかな。
「東には深い森が広がり、さらに国境に沿うように湖があるから太陽の国が陸から攻めてくる方向は限られるらしい。ここら辺は国防の要なんだ」
「ふーん。でも陸からとは限らないんじゃない? 湖を渡ってくるかもよ?」
「考えてみればそうだな……。きっと湖からの侵攻に対しては何らかの対策がなされているのだろう。まあどちらにせよ、今の時代に太陽の国と戦争など起きはしない」
「?」
太陽の国との戦争が起きないってどういうことだろう、と首を傾げる。
「第二皇妃は太陽の国から嫁いできた姫だろう。あれは月の国と太陽の国の友好の証だ。実際、しょっちゅう太陽の国から第二皇妃の母親が月の国を訪ねに来るだろう」
今は月の国と太陽の国の関係は極めて良好ということらしい。
そうじゃなかったら安心して来れないもんね。
「ねーねー、僕も大きな湖見てみたい! 今度一緒に行こうよ!」
「そうだな、カレンの体調が良かったらそうしよう。だがまずは来週は工房巡りだ、覚えているな?」
「うん!」
お兄ちゃんと笑い合いながら、僕はお兄ちゃんと一緒に南部に来れて良かったと心から思ったのだった。
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