5 / 31
守る約束
しおりを挟む
フィデルは宣言した通り、その場で服を選んできた。淡い青のワンピースと腰帯はそれより濃い青、髪に編み込みするという白いリボン。ネックレスは小さい赤い石がついたもの。
どれもグレースなら選ばないような色合いだった。ほぼ死蔵品である。さらに白い手袋も添えてあった。
「似合わない」
そういって抵抗するグレースだが、フィデルはどうしても着せたいらしく、お付きのメイドたちも仲間に引き入れ、泣き落としをはかった。
あきらめて着替えたが、意外と似合った。
細身でも華奢でもないからと曲線が出るような服は着ないようにしていたが、思ったよりすっきりと見える。
もっと言えば痩せているように感じた。
「お嬢様、素敵です」
年も近いから少し気安いメイドが嬉しそうだった。そう言えば彼女は、もう少し、明るい色を着ましょうと時々提案してくれていた。
「なかなか見る目のあるメイドのようですね」
メイド長も少しばかり感心しているようだった。そう言われればグレースも少しは見栄えもよくなかったかと嬉しく思う。
だが、フィデルがそうでしょう、そうでしょうと頷くのが鬱陶しい。
『お嬢様、きれい』
さらにメモに書いてわざわざ見せてくるその気持ちがわからない。
「今までの服がお似合いにならなかったというわけではございませんが、今のほうがよりお嬢様向きです」
メイドたちは服に関してちょっとした意見をくれることはあってもここまで踏み込んだことを言うことはなかった。
「そ、そうかしら」
「では、今後はミラに相談して決めます」
確定していた。そ、それはちょっとと思ったが、メイドたちの熱量を感じた。
グレースはなんだか気合い負けして頷くほかなかった。
そうこうしているうちに気がつけば日が沈みそうになっており、メイドたちは慌てて自分たちの仕事に戻っていった。
残されたグレースは疲れた気がしてどさっと椅子に座った。メイド長も安心しているのか、グレースとフィデルの二人で残された。
安心するのが早すぎるのではないかとグレースは思ったが、安心できない相手が護衛というのも嫌だなと考え直した。
フィデルは言われたわけでもないのにお茶の準備を始めた。優雅ではないが手慣れた仕草に見える。
「なんだか、お嬢様を着飾りたいけど、あまりお好きではなさそうだし、無難な感じと言われるから遠慮してたみたいですよ。
婚約者もいるし浮ついた格好もしたくないって話でしたけど、今は、ちょっと目立ってもらいたいのですみません」
「……なんで目立つのがいいの」
「相手方はこっそり、嫌がらせしたいんですよ。深刻な国家間の問題にならない程度の。どの王子が後継者になるにせよ、お隣なので関わらねばなりませんし。そのあたりはグレース様の方がご存じだともいますけど。
もう、嫌がらせされた時点で国際問題突入なんですが、その考えなさそうなので過激派が勝手にやらかしてるといったところなんだと思います。自陣営にそういうの抱えると頭痛いでしょうね。まあ、止められてもいないということは女性一人傷ついたところで、というところかなって。腹が立ちます」
「まあ、あちらは女性の侯爵なんてありえないというお国柄だから」
つまりこの国よりも窮屈だということだ。グレースは嫁げと言われなくて幸いである。
「というわけで、目立ってそこにいるのがわかるとこっそり襲撃はあまりできなくなります。
ところが別の問題がありまして」
「なにかしら」
「目立った襲撃の的にはなります。なりふり構わん、というやつですね。
他国でそこまで暴れるバカじゃないといいんですけど、王太子が選ばれる最終局面ではありえます。嫌がらせってやつですね」
「他国の王を悪く言いたくないけど、統率取れなさすぎじゃない?」
グレースは誰にも言ってなかった愚痴をつい口にしてしまった。
「病床といえど、何とかしてほしいものだわ」
本来なら妃殿下が頑張るところなのだが、事故死された王太子は妃殿下のご子息だった。一人だけのお子でそう簡単に気持ちを切り替えられないだろう。
王としても後を任せていいと考えていた息子が亡くなったのだから失意に沈んでもいい。
が、王として仕事もしてほしいところだ。それを言うのは冷酷だが。
「まあ、都合よく、なにもしない、とも言えますけどね」
「それも、そう」
つけ入る隙がある。次期国王に恩を売っておくのは悪くない。元々、後継者の争奪戦になるというのは、王太子以下はそれほど勢力に差があるわけでもなかったからだ。今はグレースの婚約者が一番有力候補になりつつあるが、それも後ろ盾があってのもの。婚約しているからという建前で他国の力を借りてようやく決着をつけられる。
永続的な貸しをつけるのは無理でも、短期的な取り立てはできる。小娘一人と国家の利益、比べるべくもない。ただ、巻き込まれたくはなかった。グレースは心底そう思う。
目のまえにお茶を差し出されて、グレースはそのまま飲んだ。ちょっと渋いがまずくはない。客には出せないかもしれないが、グレース本人が飲むなら文句を言うほどでもない。
意外そうにフィデルに見られていたことにグレースは気がつかなかった。
「とりあえずは元気で平気そうなそぶりをして煽っておくわ。何事もない風にというのが、腹立つでしょうし。
明日、外出するので通達しておくように」
「仰せのままに。
あ、どっちの俺がいいですか?」
「騎士で来なさい」
「承知しました。
馬車をご用意します。徒歩は現地で少しだけでお願いしますね。うちで目立たない男少ないんですよ。大きいか体格が良すぎて平民っぽく近くに紛れ込ませるの無理なんで。無難そうな数人しか配備できません」
「……心に留めておくわ」
確かに、騎士団の護衛として見かけるのは大柄な者が多い。あれはそこに護衛がいると威圧するのが目的なので問題ないらしい。隠密行動と真逆である。
フィデルは護衛に回っている騎士には出かける予定は伝えるが、他のものには言わないようにグレースに依頼した。
当日、思い立ったように出かけたほうが安全であろうという考えからだ。
言いたくはないが、騎士でも他国とつながっている可能性はなくもない。この外出で念入りな襲撃があったとしたら、騎士が怪しいと思って構わないと。さらに何もないからといって信用しすぎないようにとさえいう。
「なんだか、自分だけ信用しろといっているみたいね」
「この件は誰が味方で誰が敵かなんてのがよくわかってないみたいなんで、こういう注意になってしまいますね。一応、私は隣国とは血縁的付き合いもない立場ではありますし、ながーく続いている家の出身なんで信用されてここにいますけどね。
私も決して裏切らないとは言えません。そんなつもりなかった、で、裏切っちゃうことも世にあります」
達観したようにフィデルは告げる。
「ですが、誠実ではありたいと思います。
グレース様をきちんとお守りしたい」
「……頼むわ」
「ええ、頼まれました」
軽く請け負われたことの重さをグレースが知るのはもう少し先のことだった。
「では、今日は下がらせていただきます。
一人部屋もらったんでちょっと偽装を」
「部屋?」
「通いのメイドなんていないでしょ?」
その通りだった。
どれもグレースなら選ばないような色合いだった。ほぼ死蔵品である。さらに白い手袋も添えてあった。
「似合わない」
そういって抵抗するグレースだが、フィデルはどうしても着せたいらしく、お付きのメイドたちも仲間に引き入れ、泣き落としをはかった。
あきらめて着替えたが、意外と似合った。
細身でも華奢でもないからと曲線が出るような服は着ないようにしていたが、思ったよりすっきりと見える。
もっと言えば痩せているように感じた。
「お嬢様、素敵です」
年も近いから少し気安いメイドが嬉しそうだった。そう言えば彼女は、もう少し、明るい色を着ましょうと時々提案してくれていた。
「なかなか見る目のあるメイドのようですね」
メイド長も少しばかり感心しているようだった。そう言われればグレースも少しは見栄えもよくなかったかと嬉しく思う。
だが、フィデルがそうでしょう、そうでしょうと頷くのが鬱陶しい。
『お嬢様、きれい』
さらにメモに書いてわざわざ見せてくるその気持ちがわからない。
「今までの服がお似合いにならなかったというわけではございませんが、今のほうがよりお嬢様向きです」
メイドたちは服に関してちょっとした意見をくれることはあってもここまで踏み込んだことを言うことはなかった。
「そ、そうかしら」
「では、今後はミラに相談して決めます」
確定していた。そ、それはちょっとと思ったが、メイドたちの熱量を感じた。
グレースはなんだか気合い負けして頷くほかなかった。
そうこうしているうちに気がつけば日が沈みそうになっており、メイドたちは慌てて自分たちの仕事に戻っていった。
残されたグレースは疲れた気がしてどさっと椅子に座った。メイド長も安心しているのか、グレースとフィデルの二人で残された。
安心するのが早すぎるのではないかとグレースは思ったが、安心できない相手が護衛というのも嫌だなと考え直した。
フィデルは言われたわけでもないのにお茶の準備を始めた。優雅ではないが手慣れた仕草に見える。
「なんだか、お嬢様を着飾りたいけど、あまりお好きではなさそうだし、無難な感じと言われるから遠慮してたみたいですよ。
婚約者もいるし浮ついた格好もしたくないって話でしたけど、今は、ちょっと目立ってもらいたいのですみません」
「……なんで目立つのがいいの」
「相手方はこっそり、嫌がらせしたいんですよ。深刻な国家間の問題にならない程度の。どの王子が後継者になるにせよ、お隣なので関わらねばなりませんし。そのあたりはグレース様の方がご存じだともいますけど。
もう、嫌がらせされた時点で国際問題突入なんですが、その考えなさそうなので過激派が勝手にやらかしてるといったところなんだと思います。自陣営にそういうの抱えると頭痛いでしょうね。まあ、止められてもいないということは女性一人傷ついたところで、というところかなって。腹が立ちます」
「まあ、あちらは女性の侯爵なんてありえないというお国柄だから」
つまりこの国よりも窮屈だということだ。グレースは嫁げと言われなくて幸いである。
「というわけで、目立ってそこにいるのがわかるとこっそり襲撃はあまりできなくなります。
ところが別の問題がありまして」
「なにかしら」
「目立った襲撃の的にはなります。なりふり構わん、というやつですね。
他国でそこまで暴れるバカじゃないといいんですけど、王太子が選ばれる最終局面ではありえます。嫌がらせってやつですね」
「他国の王を悪く言いたくないけど、統率取れなさすぎじゃない?」
グレースは誰にも言ってなかった愚痴をつい口にしてしまった。
「病床といえど、何とかしてほしいものだわ」
本来なら妃殿下が頑張るところなのだが、事故死された王太子は妃殿下のご子息だった。一人だけのお子でそう簡単に気持ちを切り替えられないだろう。
王としても後を任せていいと考えていた息子が亡くなったのだから失意に沈んでもいい。
が、王として仕事もしてほしいところだ。それを言うのは冷酷だが。
「まあ、都合よく、なにもしない、とも言えますけどね」
「それも、そう」
つけ入る隙がある。次期国王に恩を売っておくのは悪くない。元々、後継者の争奪戦になるというのは、王太子以下はそれほど勢力に差があるわけでもなかったからだ。今はグレースの婚約者が一番有力候補になりつつあるが、それも後ろ盾があってのもの。婚約しているからという建前で他国の力を借りてようやく決着をつけられる。
永続的な貸しをつけるのは無理でも、短期的な取り立てはできる。小娘一人と国家の利益、比べるべくもない。ただ、巻き込まれたくはなかった。グレースは心底そう思う。
目のまえにお茶を差し出されて、グレースはそのまま飲んだ。ちょっと渋いがまずくはない。客には出せないかもしれないが、グレース本人が飲むなら文句を言うほどでもない。
意外そうにフィデルに見られていたことにグレースは気がつかなかった。
「とりあえずは元気で平気そうなそぶりをして煽っておくわ。何事もない風にというのが、腹立つでしょうし。
明日、外出するので通達しておくように」
「仰せのままに。
あ、どっちの俺がいいですか?」
「騎士で来なさい」
「承知しました。
馬車をご用意します。徒歩は現地で少しだけでお願いしますね。うちで目立たない男少ないんですよ。大きいか体格が良すぎて平民っぽく近くに紛れ込ませるの無理なんで。無難そうな数人しか配備できません」
「……心に留めておくわ」
確かに、騎士団の護衛として見かけるのは大柄な者が多い。あれはそこに護衛がいると威圧するのが目的なので問題ないらしい。隠密行動と真逆である。
フィデルは護衛に回っている騎士には出かける予定は伝えるが、他のものには言わないようにグレースに依頼した。
当日、思い立ったように出かけたほうが安全であろうという考えからだ。
言いたくはないが、騎士でも他国とつながっている可能性はなくもない。この外出で念入りな襲撃があったとしたら、騎士が怪しいと思って構わないと。さらに何もないからといって信用しすぎないようにとさえいう。
「なんだか、自分だけ信用しろといっているみたいね」
「この件は誰が味方で誰が敵かなんてのがよくわかってないみたいなんで、こういう注意になってしまいますね。一応、私は隣国とは血縁的付き合いもない立場ではありますし、ながーく続いている家の出身なんで信用されてここにいますけどね。
私も決して裏切らないとは言えません。そんなつもりなかった、で、裏切っちゃうことも世にあります」
達観したようにフィデルは告げる。
「ですが、誠実ではありたいと思います。
グレース様をきちんとお守りしたい」
「……頼むわ」
「ええ、頼まれました」
軽く請け負われたことの重さをグレースが知るのはもう少し先のことだった。
「では、今日は下がらせていただきます。
一人部屋もらったんでちょっと偽装を」
「部屋?」
「通いのメイドなんていないでしょ?」
その通りだった。
42
あなたにおすすめの小説
白い結婚に、猶予を。――冷徹公爵と選び続ける夫婦の話
鷹 綾
恋愛
婚約者である王子から「有能すぎる」と切り捨てられた令嬢エテルナ。
彼女が選んだ新たな居場所は、冷徹と噂される公爵セーブルとの白い結婚だった。
干渉しない。触れない。期待しない。
それは、互いを守るための合理的な選択だったはずなのに――
静かな日常の中で、二人は少しずつ「選び続けている関係」へと変わっていく。
越えない一線に名前を付け、それを“猶予”と呼ぶ二人。
壊すより、急ぐより、今日も隣にいることを選ぶ。
これは、激情ではなく、
確かな意思で育つ夫婦の物語。
王子、侍女となって妃を選ぶ
夏笆(なつは)
恋愛
ジャンル変更しました。
ラングゥエ王国唯一の王子であるシリルは、働くことが大嫌いで、王子として課される仕事は側近任せ、やがて迎える妃も働けと言わない女がいいと思っている体たらくぶり。
そんなシリルに、ある日母である王妃は、候補のなかから自分自身で妃を選んでいい、という信じられない提案をしてくる。
一生怠けていたい王子は、自分と同じ意識を持つ伯爵令嬢アリス ハッカーを選ぼうとするも、母王妃に条件を出される。
それは、母王妃の魔法によって侍女と化し、それぞれの妃候補の元へ行き、彼女らの本質を見極める、というものだった。
問答無用で美少女化させられる王子シリル。
更に、母王妃は、彼女らがシリルを騙している、と言うのだが、その真相とは一体。
本編完結済。
小説家になろうにも掲載しています。
【完結】花に祈る少女
まりぃべる
恋愛
花祈り。それは、ある特別な血筋の者が、(異国ではいわゆる花言葉と言われる)想いに適した花を持って祈ると、その花の力を増幅させる事が出来ると言われている。
そんな花祈りが出来る、ウプサラ国の、ある花祈りの幼い頃から、結婚するまでのお話。
☆現実世界にも似たような名前、地域、単語、言葉などがありますが関係がありません。
☆花言葉が書かれていますが、調べた資料によって若干違っていました。なので、少し表現を変えてあるものもあります。
また、花束が出てきますが、その花は現実世界で使わない・合わないものもあるかもしれません。
違うと思われた場合は、現実世界とは違うまりぃべるの世界と思ってお楽しみ下さい。
☆まりぃべるの世界観です。ちょっと変わった、一般的ではないまりぃべるの世界観を楽しんでいただけると幸いです。
その為、設定や世界観が緩い、変わっているとは思いますが、まったりと楽しんでいただける事を願っています。
☆話は完結出来ていますので、随時更新していきます。全41話です。
★エールを送って下さった方、ありがとうございます!!お礼が言えないのでこちらにて失礼します、とても嬉しいです。
“足りない”令嬢だと思われていた私は、彼らの愛が偽物だと知っている。
ぽんぽこ狸
恋愛
レーナは、婚約者であるアーベルと妹のマイリスから書類にサインを求められていた。
その書類は見る限り婚約解消と罪の自白が目的に見える。
ただの婚約解消ならばまだしも、後者は意味がわからない。覚えもないし、やってもいない。
しかし彼らは「名前すら書けないわけじゃないだろう?」とおちょくってくる。
それを今までは当然のこととして受け入れていたが、レーナはこうして歳を重ねて変わった。
彼らに馬鹿にされていることもちゃんとわかる。しかし、変わったということを示す方法がわからないので、一般貴族に解放されている図書館に向かうことにしたのだった。
【完結】捨てられた皇子の探し人 ~偽物公女は「大嫌い」と言われても殿下の幸せを願います~
ゆきのひ
恋愛
二度目の人生は、前世で慕われていた皇子から、憎悪される運命でした…。
騎士の家系に生まれたリュシー。実家の没落により、生きるために皇宮のメイドとなる。そんなリュシーが命じられたのは、廃屋同然の離宮でひっそりと暮らすセレスティアン皇子の世話係。
母を亡くして後ろ盾もなく、皇帝に冷遇されている幼い皇子に心を寄せたリュシーは、皇子が少しでも快適に暮らしていけるよう奮闘し、その姿に皇子はしだいに心開いていく。
そんな皇子との穏やかな日々に幸せを感じていたリュシーだが、ある日、毒を盛られて命を落とした……はずが、目を開けると、公爵令嬢として公爵家のベッドに横たわっていた。けれどその令嬢は、リュシーの死に因縁のある公爵の一人娘……。
望まぬ形で二度目の生を享けたリュシーと、その死に復讐を誓った皇子が、本当に望んでいた幸せを手に入れるまでのお話。
※本作は「小説家になろう」さん、「カクヨム」さんにも投稿しています。
【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~【長編】
暖夢 由
恋愛
「サリー・ナシェルカ伯爵令嬢、あなたの婚約は破棄いたします!」
高らかに宣言された婚約破棄の言葉。
ドルマン侯爵主催のガーデンパーティーの庭にその声は響き渡った。
でもその婚約破棄、どうしてあなたが言うのですか?
*********
以前投稿した小説を長編版にリメイクして投稿しております。
内容も少し変わっておりますので、お楽し頂ければ嬉しいです。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】ご期待に、お応えいたします
楽歩
恋愛
王太子妃教育を予定より早く修了した公爵令嬢フェリシアは、残りの学園生活を友人のオリヴィア、ライラと穏やかに過ごせると喜んでいた。ところが、その友人から思いもよらぬ噂を耳にする。
ーー私たちは、学院内で“悪役令嬢”と呼ばれているらしいーー
ヒロインをいじめる高慢で意地悪な令嬢。オリヴィアは婚約者に近づく男爵令嬢を、ライラは突然侯爵家に迎えられた庶子の妹を、そしてフェリシアは平民出身の“精霊姫”をそれぞれ思い浮かべる。
小説の筋書きのような、婚約破棄や破滅の結末を思い浮かべながらも、三人は皮肉を交えて笑い合う。
そんな役どころに仕立て上げられていたなんて。しかも、当の“ヒロイン”たちはそれを承知のうえで、あくまで“純真”に振る舞っているというのだから、たちが悪い。
けれど、そう望むのなら――さあ、ご期待にお応えして、見事に演じきって見せますわ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる