おっさん異世界物語 ~物理魔法と「鉄の理」。愛欲と硝煙に塗(まみ)れた男が、やがて神を殺すに至る覇道戦記~

眠れる森のおっさん

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第1章 グリム編

第21話 訳あり『ジパーン人』の美女奴隷 読み書きできる元人妻をお買い上げ

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「ほう、これはどんな奴隷なんだ?」
「こちらの商品は元々ジパーン国の商人をしておりました。
 商売の借金が支払えずに、夫婦ともども奴隷として売られていたものを、私どもが偶然手に入れたのです」
「なるほどな。夫はどうしたんだ?」
「夫の方は既に他のお客様が買われていきました」
「そうか。
 年齢は? 子供はいるのか?」
「27歳にございます。
 1人産んでおりますが、子の方は当店では取り扱っておりません」
「なるほどな。本人と話しても?」
「どうぞ。それでは、よくご覧ください」

 前に進み出たニーアの体をじっくりと観察する。
 貫頭衣の上からでも分かるほど、豊かな胸の膨らみがある。
 すらりとした体には余分な脂肪がないのに、素晴らしい物をお持ちだ。
 子を産んでいる割に、身体の張りも悪くない。

 俺はニーアの前に近寄ると、魔力を持っていることに気づいた。
 司祭の爺さんと同じ位だ。
 魔法が使えるという話は聞いていないが。

「お前は文字の読み書きができるとか?」
「はい」
「人に教えることはできるか?」
「大抵の文字なら分かりますので教えられると思います」
「ふむ。家事もできるか?」
「はい。家事は得意です」
「夫に未練はないのか?」
「夫のことは……忘れ、ました」

 なるほど、大分未練があるらしい。
 これって普通に人妻だよな。

「ふむ。この奴隷はどれ位ここにいるんだ?」
「1年ほどになります」
「1年? なぜ売れ残っているんだ?」
「この地方では残念ながらジパーン人の顔立ちはあまり好まれませんので」

 ジパーン人というのか。
 日本人の顔立ちは好まれないらしい。

「なるほど。で、いくらだ?」
「この奴隷は年齢が行っておりますが、読み書き算術が可能でございますので、金貨2枚となっております」
「ほう、もう少し安くはならんか?」
「当館では自信を持って適正価格を値付けさせていただいております。
 誠に申し訳ございませんが、値引きは一切いたしておりません」
「分かった、適正価格なら文句はないんだ。
 それで買おう」
「かしこまりました。
 ご購入ありがとうございます」
「ああ、そうだ。
 ところで魔法を使える奴隷というのは、ここにはいるか?」
「いえ、お客様。
 魔術師の奴隷は大変貴重でございます。
 そのような商品は貴族様が買っていかれますので、当館にも一般のお客様にお売りできる商品はないのでございますよ」
「そうか、それは残念だ」

 魔法使える人間のことを魔術師っていうのか。
 魔術師は相当貴重らしい。
 このニーアは魔力があるのに魔法が使えないってことか?

「実は奴隷の購入は初めてでな。
 奴隷に関して教えて欲しい」
「かしこまりました。
 では準備をいたしますので、商品は下がらせます」

 ニーアが店員に連れられて部屋を出て行った。

「それでは奴隷について何をお知りになりたいでしょうか?」
「基本的なことを教えて欲しい」
「かしこまりました。
 まず購入された奴隷はお客様の所有物になります。
 奴隷には何の権利もございません」
「何の権利もないというのは道具などの物品と同じということか?」
「左様でございます」
「奴隷を死なせたらどうなる?」
「何も問題ございません。
 奴隷はお客様の持ち物ですから、何をしても所有者の自由でございます」
「では鞭で打っても、剣で切り裂いても、食い物を与えずに餓死させても、どんなことをしても問題ないと?」
「左様でございます。
 生殺与奪は所有者の正当な権利でございます」
「分かった。本当に何しても良いんだな」
「ただし、お客様の財産である奴隷が他人を傷つけた場合、責を問われますのはお客様になりますのでご注意を」
「それはそうだな。
 あと奴隷から解放することは可能なのか?」
「可能でございます。
 その場合は当館へお越しいただければ手続きをいたします」
「奴隷を解放することは、たまにあるのか?」
「ございません。
 奴隷は死ぬまで奴隷でございます」

 この世界の奴隷は主人に何されても仕方のない存在らしい。

 ――ってことは森で焼き殺された女も奴隷だったとしたら、この世界の法では何も問題ないのか。
 むしろ強姦殺人犯の男どもを始末した俺が悪いってか?

「そうだ。変なことを聞くが、奴隷の行動を縛る魔法なんていうのはあるのか?」
「魔法? いえ、そのような魔法は聞いたことがございません」
「ではどうやって奴隷が逆らわないように縛るんだ?」
「逆らった奴隷を見せしめに殺したり、拷問にかけます。
 そうすると他の奴隷は逆らえなくなるのです」
「では逆おうと思えば、逆らうことはできるのか」
「左様でございます。
 稀に弱い主人が奴隷に殺されるという事件も起きております」
「普段からよく奴隷を躾けておかないとならないということか。
 大体理解した」
「ようございました。
 それでは、ご契約とお支払いを」

 契約書にサインをして、金貨2枚を支払った。

「商品をお持ちします」

 奴隷商が部屋を出て行って、先ほどの女奴隷――ニーアを連れてきた。
 貫頭衣から粗末な服に着替えている。

「お待たせいたしました。
 それでは商品をお受け取り下さい」
「よし、ニーア。ついてこい」
「はい。ご主人様」
「この度はご購入ありがとうございました。
 またのお越しをお待ちしております」
「色々と助かった。ではまたな」

 そうして俺は、美人で巨乳の若妻を連れて宿屋へ帰っていったのだった。

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【探し方】
Web検索、またはノクターンノベルズのサイト内で
『 おっさん異世界物語 』
と検索してください。
(※作者名『眠れる森のおっさん』で検索しても見つかります)
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