おっさん異世界物語 ~物理魔法と「鉄の理」。愛欲と硝煙に塗(まみ)れた男が、やがて神を殺すに至る覇道戦記~

眠れる森のおっさん

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第1章 グリム編

第20話 文字の読み書きができる奴隷を探せ! 市場で見つけた黒髪の女性

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 これで全財産は金貨16枚分以上になったな。
 まとまった金ができた。
 良さそうな奴隷がいないか見てみるか。

 夕方、冒険者ギルドへ行って銅プレートを受け取った。
 これで通行料が免除だな。

 ――翌朝。

 早速、市場へ行って奴隷を探すことにした。

 テントで見かけた白人女がまだいる。
 長いこと売れ残ってるなぁ。
 俺はテントの前に立っているターバンを巻いた奴隷商の男に声をかける。

「よう。良さそうな奴隷はいるかい?」
「とびきりの奴隷がいますぜ、旦那。
 今日はどんな奴隷をお探しで?」
「そうだな。文字を読み書きできるのはいないか?」
「ははぁ。読み書きできるってーと元商人の奴隷ですな。
 あいにく今はおりませんで。
 技能持ちの奴隷は需要が高いですからなぁ」

 文字の読み書きができる奴隷を買って、そいつに教えて貰おうって作戦だが需要が高いらしい。
 そりゃそうだよな。

「そうか、残念だな。では若い女は?」
「それなら良い品が入ったとこですぜ。
 おい、準備させろ!」

 ターバン男の合図でテントからスタッフが出てきた。
 横で体育座りしていた白人女が立たされ、服を整えられる。
 薄着にされ、身体のラインが分かるようにされた。

 白人女は両腕を後ろで掴まれているので、身を隠しようがない。
 顔を斜め下に向けているから髪の毛に目が隠れている。俺と目を合わせようとしない。

 白人だから肌は白いな。
 年とると汚い肌になるんだろうか。
 胸の大きさはそれなりか。
 まぁ普通だな。

「この奴隷は良いですぜ。
 肌が透き通るように白い。
 顔も美人だ。
 こんなの滅多にお目にかかれませんぜぇ。ゲッヒッヒ」
「ほう。奴隷になる前は何をしていたんだ?」
「市外区域に住んでいたんで」
「市外区域というと川の向こう岸だっけか。
 それがなんで奴隷に?」
「まぁよくある口減らしってワケで。
 金に困った親が子を売るんでさ」
「なるほどな」
「旦那、この娘はまだ18歳ですぜ」
「ほう、18か。
 ……で、いくらなんだ?」
「本当は金貨4枚って言いたいが、旦那なら特別に金貨3枚と銀貨5枚にしようじゃねぇか」
「ほう。もっと安くならんか」
「それじゃ、金貨3枚と銀貨2枚でどうでしょ?」
「うーん。女と喋らせてくれるか?」
「もちろんでさ。
 おい、旦那の聞くことに答えるんだぞ!」

 ターバンの商人が白人女に怒鳴りづける。
 値切っといて何だが、人の命が金貨3枚=30万程度って安すぎると思うな。

「お前の名前は?」
「……」
「おい、旦那に名前を言うんだ!」
「……エリー」

 近くで良く見ると腕に古傷のようなものがある。
 こりゃ駄目だ。
 気にならない奴もいるとは思うが俺はパスかな。
 愛想も悪いし。
 一応、健康状態だけ見ておくか。

「ちょっと歩いてみろ」
「……」
「早く歩け!
 へへっ旦那も慎重ですなぁ。グヒッヒッヒッ」

 少しだけ歩かせてみたが、足取りが重い。
 まだ体力は回復しきっていないようだな。
 とりあえず動きは見れたので頷く。

「うーん、興が乗らんなぁ」
「そんな旦那ぁ!
 よっしゃ、俺も男だ。金貨3枚まで負けますぜ!」
「金貨3枚でもな。ではまたな」
「旦那ぁ!」

 いるんだよなぁ。
 詳しく見るとガッカリする女。
 買う前に全身を確認できるってのは良いな。
 あの古傷や体調の悪さは近くでじっくり見ないと分からなかったしな。
 ああ、だから売れ残ってるのか?

 いや、そういえば性処理のために奴隷を買いに来たんじゃなかった。
 別に古傷があっても良いっちゃ良いか。
 まあとりあえず保留だな。

 しばらく市場を歩いて奴隷商のテントを見て回った。
 初見の若い女が次々と目の前で身体検査されていく。
 こんな機会は日本じゃ絶対ありえないからな。
 近くでじっくりと眺めて記憶に留めておく。
 だが結局あまりピンと来る女はいなかった。
 もちろん男は論外だ。

 ふと広場に面した建物に目が留まった。
 人間の歩く絵を描いた看板がついている。
 何かと思い建物に入ってみると、そこは奴隷商館だった。
 立派な建物だ。
 テントの奴隷商よりも断然に格調が高い。
 髭を生やして紳士風の壮年の男が相手をしてくれる。

「お客様、私は当館の主をしておりますヒルベルトと申します。
 当館では様々なお客様のご要望に応える奴隷を取り扱っております。
 本日はどのような奴隷をご入用でしょうか?」
「ああ、文字の読み書きができる者がいないかと思ってな」
「それでしたら打ってつけの商品がございます。
 お見せしてよろしいでしょうか?」
「おお、ぜひ見たい。連れてきてくれ」
「かしこまりました。ではこちらへ」

 奴隷商館の主人に広めの個室へ案内される。
 調度品が整っている部屋だ。
 俺はソファに腰かけて奴隷が来るのを待つ。

「お待たせいたしました。
 こちらの奴隷はご所望の文字の読み書きが可能でございます」
「ニーアです。よろしくお願いします」

 奴隷商館の主人に連れられて貫頭衣を着た女が入ってきた。
 日本人のような顔をしている。
 美人だ。
 整った目鼻立ちをしている。
 美人だが唇がぷっくりとしているから愛嬌もある。
 ロングに伸ばした黒髪。
 前髪は眉のあたりで整えてある。

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【探し方】
Web検索、またはノクターンノベルズのサイト内で
『 おっさん異世界物語 』
と検索してください。
(※作者名『眠れる森のおっさん』で検索しても見つかります)
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