おっさん異世界物語 ~物理魔法と「鉄の理」。愛欲と硝煙に塗(まみ)れた男が、やがて神を殺すに至る覇道戦記~

眠れる森のおっさん

文字の大きさ
45 / 56
第1章 グリム編

第44話 ヘルガの意外な才能!? そしてレイナからの『お礼』の申し出

しおりを挟む
 ――数日後。

 屋敷での生活も1週間を過ぎて、ようやく新しい生活にも慣れてきた。

 ニーアが忙しなく家事をこなしている間、ヘルガには力仕事を任せている。
 庭の手入れや、ゴミを埋めるための穴掘りなどだ。
 あいつは見た目に似合わず、妙に力がある。
 スコップ一つで器用に大穴を掘ったり、重い廃材を軽々と運んだりしている。
 意外な才能だった。

 ヘルガはよく働いている。
 あいつは物覚えが良い。
 教えればすぐに飲み込むし、何でも器用にこなす。
 俺とニーアの言うことをよく聞いている。
 何をやらせても嫌がらない。
 喜んでやるから可愛いもんだ。
 ニーアがヘルガの手綱を上手く握っているし、飯をたらふく食わせてやっていれば問題行動も起こさない。

 昼飯を食って、3人で食堂で寛いでいると、門の方から声が聞こえてきた。

「リューイチさ~ん! いらっしゃいますか~?
 レイナです~!
 あの時のお礼が言いたくて来ちゃいました~!」

 魔の森で一緒にダイアウルフと戦った冒険者パーティの1人。
 弓使いの女、レイナが屋敷を訪ねて来た。

「久しぶりだな、レイナ。
 どうしてここが?」
「ご、ごめんなさい。
 どうしてもお礼が言いたくって……買取所のバランさんに頼み込んで教えて貰ったんです」
「……なるほどな、バランか。
 まぁ立ち話もなんだし、中に入るか?」
「あ、はい」

 門を開けて屋敷に招き入れてやる。
 レイナを食堂に通して、テーブルの椅子に座らせる。俺も向かい合って座る。
 レイナが室内を見回して驚いている。

「リ、リューイチさんって、こんなに大きな屋敷に住んでいたんですね。
 びっくりしました」
「前までは宿屋暮らしだったんだが、最近この屋敷を手に入れたもんでな。
 それでレイナ、その後の調子はどうだ? 立ち直れたか?」
「はい。アレンが死んでしまって……落ち込みましたけど、もう大丈夫です」
「そうか。あいつは残念だったな。
 お前の恋人だったのか?」
「ち、ちがいますよ!
 アレンとジョンとは、同じ村で育った昔馴染っていうだけです。
 ……あの時、リューイチさんが私を助けに来てくれなければ、きっと殺されてました」
「ああ、そうだな。
 危ないところだった。
 何とか間に合って良かったな」
「だから……本当にありがとうございました。
 ……リ、リューイチさん、格好良かったです」

 ライオンのような大きさの狼に群れで襲われていたからな。
 俺が助けに行かなければ、間違いなく全員死んでいただろう。

「あの後ジョンと話し合って、もう魔の森で魔物を相手にするのはやめることにしたんです。
 また同じことがあったらと思うと……」
「そうか。それが良いかもな。
 次は何するか決まっているのか?」
「はい、商隊の護衛なんかいいかなって」
「ほう、護衛か。
 商隊についてくってことは、別の街へ移るのか?」
「そうなってしまいます……。
 近いうちに護衛の依頼が入ったら行こうかなって」
「ほう。商隊の護衛ってのは稼げるのか?」
「1日あたり銅貨5枚位ですね。
 移動しながらの護衛は大変だし、魔の森よりは落ちますけど。
 魔物と戦うよりはいいかなって」
「だが盗賊なんかも出るんだろ?
 レイナは人間を相手にしたことはあるのか?」
「もちろん、ありますよ。
 こう見えても冒険者ですから。
 それは、あまり気分の良いものじゃありませんけどね」

 これからは街から街、村から村へと転々としながら人生を送るのか。
 大変そうだ。俺ならやりたくないが。

「だからグリムを離れる前に何かお礼がしたくって。
 ……何か私にできることって……ありませんか?
 せめて、美味しい食事をご馳走させてください」
「うん? 別に気にすることはないぞ。
 その気持ちだけで十分だ」
「あ、あの……でも、どうしてもお礼がしたくて……」

 椅子に座ったレイナを眺める。
 良く見ると、なかなか可愛い顔をしている。
 美人というほどではないが、小さな村なら1番と思わせるほどには可愛い顔立ちなんじゃないか。
 ブラウンのポニーテールを揺らしながら下を向いてモジモジしている。


--------------------------------------------------
★【R18完全版】のご案内★

本作は「ノクターンノベルズ」にて、ここには書けない過激な描写(18禁シーン)を全て収録した
『R18完全版(オリジナル版)』
を連載中です。

カットされた「夜の営み」や「リューイチの容赦ない制裁」を楽しみたい方は、ぜひそちらをご覧ください。
激しいシーンを、遠慮なく細部に渡って克明に描写しております。

【探し方】
Web検索、またはノクターンノベルズのサイト内で
『 おっさん異世界物語 』
と検索してください。
(※作者名『眠れる森のおっさん』で検索しても見つかります)
--------------------------------------------------
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

世界最強の七賢者がお世話係の俺にだけはデレデレすぎる件

Y.
恋愛
国の頂点に君臨し、神にも等しい力を持つ『七賢者』。 火・水・風・土・光・闇・氷の属性を極めた彼女たちは、畏怖の対象として国民から崇められていた。 ――だが、その「聖域」の扉を一枚隔てた先では、とんでもない光景が広がっていた。 「アルトぉ、この服脱がせてー。熱いから魔法で燃やしちゃった」 「……アルトが隣にいないと、私、一生布団から出ないから」 「いいじゃない、減るもんじゃないし。さあ、私と混ざり合いましょう?」 彼女たちの正体は、私生活が壊滅的にポンコツで、特定の一人に依存しきったデレデレな美少女たちだった! 魔法の才能ゼロの雑用係・アルトは、世界で唯一「彼女たちの暴走魔力に耐えられる」という理由で、24時間体制の身の回りのお世話をすることに。 着替え、食事の介助、添い寝(!?)まで……。 世界最強の7人に取り合われ、振り回され、いじり倒される。 胃袋と心根をガッチリ掴んだお世話係と、愛が重すぎる最強ヒロインたちによる、至福の異世界ハーレムラブコメ、開幕!

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

処理中です...