おっさん異世界物語 ~物理魔法と「鉄の理」。愛欲と硝煙に塗(まみ)れた男が、やがて神を殺すに至る覇道戦記~

眠れる森のおっさん

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第1章 グリム編

第45話 レイナを護衛にスカウト! そして『水洗式トイレ』への道

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「……レイナ。
 本当に、何かお礼がしたいのか?」
「っ!……は、はいっ。
 私にできることなら、何でも」
「そうか。それは嬉しいな。
 実は折り入ってレイナに頼みがあるんだ」
「…………えっ、はい?」
「俺に雇われてくれないか?」
「えっ、雇われる……ですか?」
「ああ。もちろん、報酬はきちんと支払う。
 それにジョンも一緒に雇おう。どうだ?」
「えっ……あ、あのっ……お礼の話は……えっ?」
「頼みたいのは主に屋敷の警備と外出時の護衛だ。
 他にもやって貰いたい事が出てくるとは思うが」
「……け、警備と護衛ですか。
 ……それは雇って貰えるのは助かりますけど」
「レイナ。お前の弓の腕前は確かだ。
 そして心根も優しい。
 そんなお前だから俺は頼みたいんだ」
「リューイチさん……そう言って貰えるのは嬉しいですけど……」
「泊まり込みは必要ないんだ。
 朝来て夕方までいてくれれば、それでいい。
 こういった場合の報酬の相場が分からないんだが、どんな感じなんだ?」
「えっと、そうですね……。
 街中の警備と護衛なら……10日で銀貨3枚かな」
「なら、まずは10日。
 その後も続けて頼むかも知れない。
 どうだ。受けてくれないか?」
「それなら、むしろ私の方からお願いしたい位です。
 ぜひお願いします……でも、あの」
「よし、決まりだな。
 契約は冒険者ギルド経由で良いか?」
「……はい、後でリューイチさんも一緒に冒険者ギルドへ行って貰っていいですか?」
「ああ、もちろんだ」

 レイナは優秀な弓使いだ。
 ジョンも前衛として役に立つだろう。
 何より、俺が目を離している間の屋敷の守りが欲しかった。
 レイナたちなら信頼できる。

 一緒に冒険者ギルドへ行って契約を済ませてきた。
 俺の屋敷で知り得たことは漏らさないように機密保持条項を盛り込ませておく。
 漏らしたらギルドからの罰則付きだ。
 気休め程度だが、無いよりはあった方が良い。

 斡旋手数料の2割を上乗せした報酬を2人分、冒険者ギルドに支払った。
 レイナたちは仕事を完遂したら冒険者ギルド経由で報酬を受けとる。
 俺の中では最初の10日は試用期間だ。
 契約を延長するかは様子を見てからの判断になる。

 ---

 ――午後。

 トイレを作ることにした。
 明日から2人増える事になったから、排泄物が一気に倍増する。
 流石に4人分の汚物をどう処理するかは切実な問題だ。

 トイレを設置する場所は、こないだ作った風呂から少し離れた所だ。
 ジョンとレイナは庭で警備させるから、彼らも使えるように屋外に作る。
 彼らには基本的に屋敷の中には立ち入らせない。
 俺とニーアたちのプライベート空間だからな。

 トイレは風呂と同じように魔法で岩をくり抜いて作る。
 屋根付きだから雨の日でも安心だ。
 男女別に1つずつ。男女とも座って使える洋式便器だ。
 便器の横には手桶と水瓶を用意しておく。
 簡易的な水洗トイレのようなものだ。

 便器の底に配置した桶は、冒険者ギルドを介して午前と午後の1日2回、専門の業者に回収して貰う事にした。
 これでヘルガの汚物処理係も廃業だ。

「ご主人様っ!
 この厠とっても使いやすいですっ!」
「そうか、良かったな」
「あぅ……これなら失敗しません……」
「ヘルガ。もう居室の便所は廃止するから、これからは糞尿の処理しなくていいぞ」
「うん、分かった!」

 この機会に居室の便所は廃止して、ヘルガは汚物から遠ざける。
 頑張ってるご褒美に、これからは綺麗な仕事だけさせてやろう。

 こうして我が屋敷の衛生環境が一気に向上することになった。

 ――翌日。

 朝食を終えた頃にレイナとジョンがやってきた。
 早朝に来られると迷惑だから遅めに来るように言っておいた。

「リューイチさん。おはようございます。
 今日からよろしくお願いします」
「おっさん、いやリューイチの旦那! でっけえ家だなあ!」
「来たか。ジョン、久しぶりだな。
 今日から屋敷の警備と護衛を頼むぞ」
「ああ、任せてくれよ!」

 2人にニーアとヘルガを引き合わせておく。

「ニーアとヘルガだ。
 ヘルガとは冒険者ギルドで顔見知りだったな」
「ニーアと言います。よろしくお願いします」
「ヘルガです。ジョンさんとレイナさん、久しぶりですね!」
「よろしく……ってヘルガさんじゃねーかよ?」
「お二人とも、よろしくお願いします」
「2人とも俺の奴隷だが、特に可愛がってる女たちだからな。
 俺と同様のつもりで接してくれ」
「はい、分かりました」
「分かったぜ」

 ニーアたちが外出する時には必ず1人が護衛につくよう言っておく。
 これでニーアも自由に買い物に行ける。
 ヘルガの洋服が無いから服を買うように言って、ニーアに金を渡しておく。

 初日は彼らの警備の様子を見ながら屋敷で過ごした。
 たまに庭をぐるっと見回りながら油断なく警戒しているようだった。

 夕方になって2人が帰ってからニーアとヘルガの意見を聞くが、特に問題無さそうだったので彼らに警備を任せて、俺は明日から魔の森へ行くことにした。


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