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第1話
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「エミリー、君との婚約は破棄することに決まった。」
「どういうことなのラルフ・・?」
私、エミリー・ヴェルファイアは婚約者のラルフ・プロボクスからの一方的な宣言に驚きを隠せなかった。
「ねえ、説明してちょうだいラルフ。先週もデートに行ったばかりじゃない。なのに、どうしていきなり婚約破棄なんて話になるの?」
「簡単な話さ。君よりも条件のいい結婚相手が見つかったってことだよ。南方のシエンタ家のご令嬢が僕に一目ぼれしたらしくてね。一昨日、向こうから婚約の打診があったから乗り換えることにしたんだ。」
『より条件の良い方に乗り換える』などと平然と言い放つラルフの言葉を私は理解できなかった。
「な、何よそれ?」
「エミリー、貴族同士の結婚が勢力拡大のための取引なのは君も分かってるだろう?家柄こそ格式高いが貧乏なヴェルファイア家と新興ではあるものの飛ぶ鳥落とす勢いのシエンタ家、どちらが僕にとって有意義な相手なのか考えた結果さ。」
「そんな・・・」
ラルフと出会ったのは2年と半年前・・・私が15歳の時。
親同士がセッティングする婚約者探しのための顔合わせイベントでのことだった。
他にも何人かの貴族の子息たちと会ったけれど、一番馬が合うと感じたのがラルフだった。
ラルフも私とは気が合うと感じたようで、それ以後も何回か一緒に出掛け、いつしか両家公認の関係になっていた。
18歳になったら結婚しようということで話も進んでいたのに。
(それなのに、こんなに簡単に婚約破棄されてしまうなんてーーー!!)
私の心中など知ったことではない言わんとばかりにラルフは話し続ける。
「そういうわけだから君とはこれでお別れだ。さようなら、エミリー。」
「待ってよ、ラルフ!悪いところがあったなら直すわ、だから私を捨てないで!」
「別に君のことが嫌いになったわけじゃない。単に君よりも素晴らしい相手が現れただけさ。」
私の必死の声も意に介さず、ラルフは淡々と話を進めていく。
「幸い僕らの関係はまだ正式な書類によって裏付けされたものではないから、いくらでもやり直しはきくだろう。」
「ラルフ、私たち3年間も付き合ってきたのよ?それを今から無かったことにしようなんて、私にはできないわ。あなたは平気なの?」
「・・・貴族の結婚というのは、そういうものさ。君も諦めて受け入れたらどうだ。」
そう言い捨てるとラルフは足早に去っていった。
追いかけることは出来なかった。
体から力が抜け落ちて、目の前が真っ暗になってしまったようだ。
(ああ、こんなことになるなんて・・・ひどいわラルフ。それにシエル、たった一人のかわいい妹・・・あなたにもなんて言って詫びればいいの・・?)
私は非情なラルフを恨んだ。
そして、同じくらいに妹のシエルのことも気がかりだった。
なぜなら、この結婚は妹の命に関わるものでもあったから。
「どういうことなのラルフ・・?」
私、エミリー・ヴェルファイアは婚約者のラルフ・プロボクスからの一方的な宣言に驚きを隠せなかった。
「ねえ、説明してちょうだいラルフ。先週もデートに行ったばかりじゃない。なのに、どうしていきなり婚約破棄なんて話になるの?」
「簡単な話さ。君よりも条件のいい結婚相手が見つかったってことだよ。南方のシエンタ家のご令嬢が僕に一目ぼれしたらしくてね。一昨日、向こうから婚約の打診があったから乗り換えることにしたんだ。」
『より条件の良い方に乗り換える』などと平然と言い放つラルフの言葉を私は理解できなかった。
「な、何よそれ?」
「エミリー、貴族同士の結婚が勢力拡大のための取引なのは君も分かってるだろう?家柄こそ格式高いが貧乏なヴェルファイア家と新興ではあるものの飛ぶ鳥落とす勢いのシエンタ家、どちらが僕にとって有意義な相手なのか考えた結果さ。」
「そんな・・・」
ラルフと出会ったのは2年と半年前・・・私が15歳の時。
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他にも何人かの貴族の子息たちと会ったけれど、一番馬が合うと感じたのがラルフだった。
ラルフも私とは気が合うと感じたようで、それ以後も何回か一緒に出掛け、いつしか両家公認の関係になっていた。
18歳になったら結婚しようということで話も進んでいたのに。
(それなのに、こんなに簡単に婚約破棄されてしまうなんてーーー!!)
私の心中など知ったことではない言わんとばかりにラルフは話し続ける。
「そういうわけだから君とはこれでお別れだ。さようなら、エミリー。」
「待ってよ、ラルフ!悪いところがあったなら直すわ、だから私を捨てないで!」
「別に君のことが嫌いになったわけじゃない。単に君よりも素晴らしい相手が現れただけさ。」
私の必死の声も意に介さず、ラルフは淡々と話を進めていく。
「幸い僕らの関係はまだ正式な書類によって裏付けされたものではないから、いくらでもやり直しはきくだろう。」
「ラルフ、私たち3年間も付き合ってきたのよ?それを今から無かったことにしようなんて、私にはできないわ。あなたは平気なの?」
「・・・貴族の結婚というのは、そういうものさ。君も諦めて受け入れたらどうだ。」
そう言い捨てるとラルフは足早に去っていった。
追いかけることは出来なかった。
体から力が抜け落ちて、目の前が真っ暗になってしまったようだ。
(ああ、こんなことになるなんて・・・ひどいわラルフ。それにシエル、たった一人のかわいい妹・・・あなたにもなんて言って詫びればいいの・・?)
私は非情なラルフを恨んだ。
そして、同じくらいに妹のシエルのことも気がかりだった。
なぜなら、この結婚は妹の命に関わるものでもあったから。
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