39 / 70
発展
39
しおりを挟む
適当な大きさの石や朽ちた丸太に座ると、佐久間の周辺に集まる。六人が俺の視界に入っているという偏った位置関係になっていた。
(よく見ると俺と佐久間以外は皆女子だな)
流石というべきか、佐久間は器用に皆との会話をこなしていた。俺はふと思いにふける。要たち今頃どうしてるかな。そんな事を考えながら目線を反らすと、断層があり、その露出している部分に茶色の土を発見した。
「もしかして……粘土か……」
俺は一目散に近づいてしゃがむと手に取った。
(うん、分かんね。こういうのだと思うんだけどな……)
「城詰……それが粘土で間違いないのか?」
「ん~、多分としか。試しに持って帰って愛丘に渡そう。これで土器を作れるなら後でまた取りに来ようか」
「分かった。無理しない程度に集めてくれ。それが終わったら一旦戻ろうか」
「賛成ー!」
女子たちは嬉しそうに返事をした。
【帰還】
狩猟の方は成功したようだ。獣が数体並んでいた。探索は得には進展なし。拠点は木の骨組みを並べるまでで終了した。
骨組みの形状から旧拠点より少し大きくなりそうだ。だが、壁や扉はまだ無ようだ。先に仮の住居を素早く作って、後からしっかりした物にする予定だそうだ。
【就寝の時間帯】
俺たちは何時も通り、要たちと焚火周辺に集まる。みーちゃんに聞いて見た。
「探索はどうだった?」
「ん~、獣に遭遇したけど追い払うのは大丈夫そう。不死原君かなり強いし」
要は心配そうな表情で聞いた。
「どんな能力だった?」
「《ブラッド》だって。血を操る能力みたい。飛ばしたり、刀っぽくしたり色々してたよ」
「そうか……」
俺は歯切れの悪い言葉と表情を見て察した。日頃のお返しだ。多分俺はニヤついていただろう。
「はーん。分かったぞ要ー。みーちゃんが心配なんだろ」
そこで名前を出された本人は頬を僅かに染めてソワソワとしていた。
「当たり前だろ。まだ近場とは言え、二人だけで周辺を探索してるんだ……」
和も意地の悪い表情をしていた。
「そうじゃなくて……要はみーちゃんが取れないか心配なんじゃない~?」
要が珍しく動揺していた。
「あ~それは大丈夫だ。もう俺と未来とは付き合ってるから」
そこで俺と和は唖然としていた。
「え?」「へ?」
「ちょっと要! 私から話すって言ったのに……もうっ……」
「あ、不味かったか?」
「えーっ! みーちゃん何時から? 私知らないんだけどぉ!」
「えっと……こ、ここに来て二日目の夕方……要から……その……付き合おうって……」
「はぁ~、道理でたまに見かけないと思った。イチャついてたのかよ」
「わりぃわりぃ。言おうとは思ったんだが、タイミングが無くてな」
そこまで言うと、今度は要が牙を向いた。悪い笑みだった。
「ていうかさ。俺の心配より自分の心配をしろよ。誰かに取られちまうぞ。清水に看病されると安らぐって、男女問わず、人気になってるからなー」
(よく見ると俺と佐久間以外は皆女子だな)
流石というべきか、佐久間は器用に皆との会話をこなしていた。俺はふと思いにふける。要たち今頃どうしてるかな。そんな事を考えながら目線を反らすと、断層があり、その露出している部分に茶色の土を発見した。
「もしかして……粘土か……」
俺は一目散に近づいてしゃがむと手に取った。
(うん、分かんね。こういうのだと思うんだけどな……)
「城詰……それが粘土で間違いないのか?」
「ん~、多分としか。試しに持って帰って愛丘に渡そう。これで土器を作れるなら後でまた取りに来ようか」
「分かった。無理しない程度に集めてくれ。それが終わったら一旦戻ろうか」
「賛成ー!」
女子たちは嬉しそうに返事をした。
【帰還】
狩猟の方は成功したようだ。獣が数体並んでいた。探索は得には進展なし。拠点は木の骨組みを並べるまでで終了した。
骨組みの形状から旧拠点より少し大きくなりそうだ。だが、壁や扉はまだ無ようだ。先に仮の住居を素早く作って、後からしっかりした物にする予定だそうだ。
【就寝の時間帯】
俺たちは何時も通り、要たちと焚火周辺に集まる。みーちゃんに聞いて見た。
「探索はどうだった?」
「ん~、獣に遭遇したけど追い払うのは大丈夫そう。不死原君かなり強いし」
要は心配そうな表情で聞いた。
「どんな能力だった?」
「《ブラッド》だって。血を操る能力みたい。飛ばしたり、刀っぽくしたり色々してたよ」
「そうか……」
俺は歯切れの悪い言葉と表情を見て察した。日頃のお返しだ。多分俺はニヤついていただろう。
「はーん。分かったぞ要ー。みーちゃんが心配なんだろ」
そこで名前を出された本人は頬を僅かに染めてソワソワとしていた。
「当たり前だろ。まだ近場とは言え、二人だけで周辺を探索してるんだ……」
和も意地の悪い表情をしていた。
「そうじゃなくて……要はみーちゃんが取れないか心配なんじゃない~?」
要が珍しく動揺していた。
「あ~それは大丈夫だ。もう俺と未来とは付き合ってるから」
そこで俺と和は唖然としていた。
「え?」「へ?」
「ちょっと要! 私から話すって言ったのに……もうっ……」
「あ、不味かったか?」
「えーっ! みーちゃん何時から? 私知らないんだけどぉ!」
「えっと……こ、ここに来て二日目の夕方……要から……その……付き合おうって……」
「はぁ~、道理でたまに見かけないと思った。イチャついてたのかよ」
「わりぃわりぃ。言おうとは思ったんだが、タイミングが無くてな」
そこまで言うと、今度は要が牙を向いた。悪い笑みだった。
「ていうかさ。俺の心配より自分の心配をしろよ。誰かに取られちまうぞ。清水に看病されると安らぐって、男女問わず、人気になってるからなー」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる