ワイズマンと賢者のいし

刀根光太郎

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これから

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 それに俺は一応有名人みたいだからな。

『そうだな……俺の名を呼ぶときはこう呼ぶのが良い。愚かな挑戦をし続ける者、フールマン、と』

「ぅ……そ、それは難しいです……ッ。で、ではフーと呼びます」

『なら俺もリルと呼ばせてもらおう』

「えへへ、よろしくお願いします」

 しばらく歩き、穏やかな川の周辺で腰を下ろした。まずは基本知識をリルの送る。そこをマスターしたら次の知識を送り込む。

「す、凄い……」

 知識だけでは一流の魔導師にはならない。自身で観て、自身で感じ、自身で新たに切り開いてこそ、煌く魔法が生まれるのだ。

「ぁぁ! 爆発したっ!」

 急にあたふたとしだしたかと思えば叫んだ。余程悲しい出来事に遭遇した未熟なルクスの記憶でも観たのだろう。

(おっと、間違って無駄な知識を送ったか)

 その後、ルクスのドタバタ劇にリルは笑っていた。少し元気を取り戻せたようだ。

(さて……)

 リルが知識を整理している内に今後について考える。


 王やその側近たちに出会えれば、魔……。色々と情報が分かるのだが。そう上手くはいかないだろうな。

 人が集まる所。リルをそこそこ鍛えたら王都にでも行くか。バラックにももう一度会っておきたい。現代の魔法の在り方を学べるところでも紹介してもらおう。


(まあ、基礎と言ってもまずは……)

『リル。まずは魔力を上げる。それと毎日魔力を貰うからな』

「分かった」

 どうやらある程度リルから離れると、魔力の供給が途切れる。今のうちに少しづつ魔力を蓄積をして、緊急事態に備えないとな。ついでに魔力を上げるのにも役立つ。

 さらに精神を鍛えるために、なるべく野性的な生活をさせることにした。リルは果物が好きらしい。見つけたらすぐに採って来ていた。

 ルクスも果物が好きだった気がする。特にリンゴを良く口にしていた。

 最初の内は貰ったお金を使い、宿屋を利用していた。だが次第にそれを使わなくても大丈夫になった。それどころか、時折村に寄る際に採取した薬草や肉を売る事でお金が貯まっていった。


 そして、一年の月日が流れた。リルは十二歳になっていた。俺たちは丘の上から王都を眺めていた。

「あれが王都、凄く大きい!」

『先に水浴びだな。少し前に新調したのがあるだろ?』

「あれ着て良いの! やった」

 リルは近くの川を見つけると服を脱いで飛び込んだ。体を洗うと言うより、ただバシャバシャと遊んでいるだけに見えるが。まあ楽しそうだからいいか。

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