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学園入学
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一学年の赤クラスは特徴のないローブを身に付けた男女の教師。黒クラスは露出の高い服、身長差がある女性二人が教師である。どうやら落差が激しいようだ。
マグナ先生は気にせずに話を続ける。
「分かっていると思うが、この白クラスは優秀な者たちが集まっている。推薦組、試験組、関係なしにだ。他クラスに追い抜かれぬよう常に精進するように」
その言葉の後、教師の背後の魔板(※黒板)が割れ、凄まじい轟音と共に高波が襲って来た。殆どの者は恐れる間もなく茫然とそれを眺めていた。
ジェイクは波を拳で消そうと前に出た。ロロはフィンリーに近寄り、風の球体で身を守る。白髪の女子生徒はスヤスヤと眠っていた。リルはその他の動けない者を守ろうとする。
「ヒートシールド!!」
(ふむ、ノラの魔法から着想を得たな)
そこでノラが接近し、槍で教師の首を跳ねた。皆が驚愕し、誰かが叫んだ。
「何やってんだぁーーーー!!!」
「……分からない? これは幻の魔法」
「……え?」
パチンと音がすると何事も起こっていないただの教室だった。廊下からマグナの声が聞こえる。
「勝手ながら実力を試させてもらった。各々でよく対応した。反応出来なかった者は精進するように」
「幻影……そ、そういう事だったのか……じゃあさっきの奇抜な服装も」
「そうだ、察しの通り」
マグナが勢いよくドアを開ける。
「廊下に居る俺たちは実体だ」
先ほどと同じ顔、服装の二人が改めて入って来た。
「……」
「魔導具科、魔導学科の奴はすまなかった。魔導戦闘科は一か月後に早くも個人戦がある。その順位は実績点に加算される。頑張れよ」
マグナ先生が話している際、もう一方の先生と目が合った。そして、名簿を確認していた。
この学園はただ授業を受けるだけでなく、実績点なるものがある。テストや個人戦で上位に入ったり、魔導具作成、開発、論文を提出することで実績点数を稼げる。
学年が上がる時のクラスが変動したり、卒業の後に有利に働く。マグナ先生は魔導戦闘科を主に、ラルクロ先生は魔導具科、魔導学科を主に担当する。
科に別れて授業を受けることとなる。魔導戦闘科は外だ。移動していた時、ラルクロ先生がスーッとリルの手を掴んだ。優しそうな声であった。
「リルルナ・フールマンさん。それでは行きましょうか?」
「あの……私、魔導戦闘科ですけど」
「な、なんと!」
首を横に振り、悲しそうな表情で言う。
「その宝石……少し見せてはもらえないだろうか……」
「これですか?」
『リル、離れておけ……』
しかし、彼は許可をもらうことなく素早く手を伸ばして触れる。輝き澄み切った瞳であった。
「まさか、いや、これは、いや、しかし……賢者の……」
その時、苦しそうな声をあげて離した。背後にはマグナ先生が居た。首を掴み持ち上げる。
「何してやがるラルクロぉ。てめーはこっちじゃないだろうが……」
「ぐおおぉぉぉおお! ま、待てマグナ! これは!」
「あー? うるせーな。とっとと持ち場に行け!」
渋々それに従うラルクロ先生。
『まったくっ。これだから研究者ってのはっ……』
(『……そうだねーー』)
マグナ先生は気にせずに話を続ける。
「分かっていると思うが、この白クラスは優秀な者たちが集まっている。推薦組、試験組、関係なしにだ。他クラスに追い抜かれぬよう常に精進するように」
その言葉の後、教師の背後の魔板(※黒板)が割れ、凄まじい轟音と共に高波が襲って来た。殆どの者は恐れる間もなく茫然とそれを眺めていた。
ジェイクは波を拳で消そうと前に出た。ロロはフィンリーに近寄り、風の球体で身を守る。白髪の女子生徒はスヤスヤと眠っていた。リルはその他の動けない者を守ろうとする。
「ヒートシールド!!」
(ふむ、ノラの魔法から着想を得たな)
そこでノラが接近し、槍で教師の首を跳ねた。皆が驚愕し、誰かが叫んだ。
「何やってんだぁーーーー!!!」
「……分からない? これは幻の魔法」
「……え?」
パチンと音がすると何事も起こっていないただの教室だった。廊下からマグナの声が聞こえる。
「勝手ながら実力を試させてもらった。各々でよく対応した。反応出来なかった者は精進するように」
「幻影……そ、そういう事だったのか……じゃあさっきの奇抜な服装も」
「そうだ、察しの通り」
マグナが勢いよくドアを開ける。
「廊下に居る俺たちは実体だ」
先ほどと同じ顔、服装の二人が改めて入って来た。
「……」
「魔導具科、魔導学科の奴はすまなかった。魔導戦闘科は一か月後に早くも個人戦がある。その順位は実績点に加算される。頑張れよ」
マグナ先生が話している際、もう一方の先生と目が合った。そして、名簿を確認していた。
この学園はただ授業を受けるだけでなく、実績点なるものがある。テストや個人戦で上位に入ったり、魔導具作成、開発、論文を提出することで実績点数を稼げる。
学年が上がる時のクラスが変動したり、卒業の後に有利に働く。マグナ先生は魔導戦闘科を主に、ラルクロ先生は魔導具科、魔導学科を主に担当する。
科に別れて授業を受けることとなる。魔導戦闘科は外だ。移動していた時、ラルクロ先生がスーッとリルの手を掴んだ。優しそうな声であった。
「リルルナ・フールマンさん。それでは行きましょうか?」
「あの……私、魔導戦闘科ですけど」
「な、なんと!」
首を横に振り、悲しそうな表情で言う。
「その宝石……少し見せてはもらえないだろうか……」
「これですか?」
『リル、離れておけ……』
しかし、彼は許可をもらうことなく素早く手を伸ばして触れる。輝き澄み切った瞳であった。
「まさか、いや、これは、いや、しかし……賢者の……」
その時、苦しそうな声をあげて離した。背後にはマグナ先生が居た。首を掴み持ち上げる。
「何してやがるラルクロぉ。てめーはこっちじゃないだろうが……」
「ぐおおぉぉぉおお! ま、待てマグナ! これは!」
「あー? うるせーな。とっとと持ち場に行け!」
渋々それに従うラルクロ先生。
『まったくっ。これだから研究者ってのはっ……』
(『……そうだねーー』)
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