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学園入学
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【運動場】
皆は体育着と呼ばれる動き易い服に着替えていた。
「先生ッ、魔導師用の服やローブでやらないんですか!!? これにはなんの魔法がかかってませんが……」
「個人戦は皆必死に勝ちを狙う。強力な魔法の応酬になるのは分かるな?」
「は、はい」
「魔導服の防御魔法が必ず発動するなら良いが、欠損はつきもの……魔導服を過信し過ぎた為に死んでしまったなんていうのはざらにある」
その言葉に唾を飲みこむ。
「これより一週間は自身の力のみで魔法防御を行う訓練になる。それは二人組を作れ、お互いに軽めの魔法で練習してみろ……」
先生は少し間を置き追加する。
「それとフィンリー、お前は俺とだ……ジェイク、お前もだ。手加減ってやつを教えてやる」
「ええっ!!! 先生と!!!」
「おっしゃ! 手加減魔法ってやつを極めて、全部吹き飛ばしてやるぜ!!」
ロロは呆れながら言う。
「そりゃそうっしょ、あんた等の魔法なんて受けたくないわよ」
リルとロロが組んだ。最初にリルが火の魔法を放ち、それを同じく火で相殺する。今度は交代した。火のシールドを構えるとロロがニヤリとした。木の短剣をリルに向け、風の魔法を放つ。
何処からともなく魔法同士接触した音がなる。しかし、次の瞬間リルが吹き飛ばされた。透明な何かが横から当たった。
「……ぃッ」
「はい残念ー! 見えなかったっしょ! ヒートウォールじゃ防げなかったね!」
「むー! ずるーい! それとシールド!!」
「あははは! 本番なら私の勝ちだね!」
『うむ。ここまでで自分の弱点が二つほど見えたんじゃないか?』
(『え? う~ん…………あ、火しか使えない? 後は……』)
『それと魔力の感知、いずれは分析も必要だ』
(『でも急に言われても難しいよ』)
『魔力感知の時は第三試験で無意識に出来ていた。それを意識的にやればいい』
「ほらっ、どうしたの? それとももう降参?」
「これからだよ!」
杖を振るうとロロを中心とし、四方八方に炎の球が現れた。それがロロに集まる様に動き始める。
「これでどう!」
ロロは大きな風の球体で自分を守っていた。
「ふふーん。これがあの竜殺しを成した主役の力よ」
そして、またしても風の魔法を使う。
(『フー、駄目! 分からない!!!』)
『先に視覚からいくとするか。魔力を借りるぞ』
目の前に巨大な炎の壁が出現した。
「駄目っしょ! そんな薄い壁じゃっ!」
ロロの風は容易に炎を貫く。
「あ……」
お互い同時にそれに気が付いた。風と炎が合わさり、風成分多めの火の球となった。それにより、軌道がしっかりと見える。
「ヒートシールド!!」
三枚の炎の板を正面と左右に設置し、それを全て受けきった。マグナ先生は遠くでそれをチラリと見て感心する。
「や、やるじゃない」
皆は体育着と呼ばれる動き易い服に着替えていた。
「先生ッ、魔導師用の服やローブでやらないんですか!!? これにはなんの魔法がかかってませんが……」
「個人戦は皆必死に勝ちを狙う。強力な魔法の応酬になるのは分かるな?」
「は、はい」
「魔導服の防御魔法が必ず発動するなら良いが、欠損はつきもの……魔導服を過信し過ぎた為に死んでしまったなんていうのはざらにある」
その言葉に唾を飲みこむ。
「これより一週間は自身の力のみで魔法防御を行う訓練になる。それは二人組を作れ、お互いに軽めの魔法で練習してみろ……」
先生は少し間を置き追加する。
「それとフィンリー、お前は俺とだ……ジェイク、お前もだ。手加減ってやつを教えてやる」
「ええっ!!! 先生と!!!」
「おっしゃ! 手加減魔法ってやつを極めて、全部吹き飛ばしてやるぜ!!」
ロロは呆れながら言う。
「そりゃそうっしょ、あんた等の魔法なんて受けたくないわよ」
リルとロロが組んだ。最初にリルが火の魔法を放ち、それを同じく火で相殺する。今度は交代した。火のシールドを構えるとロロがニヤリとした。木の短剣をリルに向け、風の魔法を放つ。
何処からともなく魔法同士接触した音がなる。しかし、次の瞬間リルが吹き飛ばされた。透明な何かが横から当たった。
「……ぃッ」
「はい残念ー! 見えなかったっしょ! ヒートウォールじゃ防げなかったね!」
「むー! ずるーい! それとシールド!!」
「あははは! 本番なら私の勝ちだね!」
『うむ。ここまでで自分の弱点が二つほど見えたんじゃないか?』
(『え? う~ん…………あ、火しか使えない? 後は……』)
『それと魔力の感知、いずれは分析も必要だ』
(『でも急に言われても難しいよ』)
『魔力感知の時は第三試験で無意識に出来ていた。それを意識的にやればいい』
「ほらっ、どうしたの? それとももう降参?」
「これからだよ!」
杖を振るうとロロを中心とし、四方八方に炎の球が現れた。それがロロに集まる様に動き始める。
「これでどう!」
ロロは大きな風の球体で自分を守っていた。
「ふふーん。これがあの竜殺しを成した主役の力よ」
そして、またしても風の魔法を使う。
(『フー、駄目! 分からない!!!』)
『先に視覚からいくとするか。魔力を借りるぞ』
目の前に巨大な炎の壁が出現した。
「駄目っしょ! そんな薄い壁じゃっ!」
ロロの風は容易に炎を貫く。
「あ……」
お互い同時にそれに気が付いた。風と炎が合わさり、風成分多めの火の球となった。それにより、軌道がしっかりと見える。
「ヒートシールド!!」
三枚の炎の板を正面と左右に設置し、それを全て受けきった。マグナ先生は遠くでそれをチラリと見て感心する。
「や、やるじゃない」
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