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最初の試験
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戦闘の訓練のため、運動場へ着くと早速マグナが話し始める。
「それじゃあ、今日は組み合わせを何度も変える。相手の魔法属性と癖を把握するのが重要だ。っとフィンリーとジェイクは俺とだ」
「えええ!!」「今日こそ勝手やるぜ!」
「あ、それと今回の個人戦は全クラスでやることになった」
「え? 確か去年や一昨年はクラスだけでしてませんでしたか?」
「まあ、そうだな。実力的にも差があるし、全員だと時間がかかる。だが、黒クラスの奴等がごねてな。赤も巻き込んで抗議したらしい。余程白クラスと戦いたいらしい」
「そ、そんな事が……」
「まあ時間の関係で流石に全員とはまではいかんが、何人かは他クラスとも戦うだろう。てなわけで格下に負けるなよー」
マグナ先生は皆にプレッシャーをかけてくる。白クラスは優等生の集まり、先頭を走り続けなければならない。それによりさらに気を引き締めて授業を行った。
どうやら去年よりもきついらしい。それは思ったよりも数倍きつかったが、何とか無事に訓練は終わり解散となった。
着替える前に魔導具から水を出し頭を冷やす、その後、近くの魔導具の温風で乾かす。休憩しようと近くにある中庭のベンチに向かった。
先客がいた。白い髪の女子が丸まって寝ていた。普通のローブとは違う、動物を模したフード。起こさない様に隣に座るが、眼を覚ました。
何やらボーっとしていた。どこか反応が鈍い、動きもゆったりとしていた。マイペースともいえる。
(『同じクラスの子だ』)
『魔導戦闘科ではないのは覚えている』
しばらくして、リルに気が付いたのか、表情が余り動かない虚ろな瞳で見る。綺麗な青い瞳だった。すぐに興味をなくして辺りを見る。ふとした時、宝石に気が付きジッと見つめてきた。
「それ……」
「これ?」
「見たい……」
賢者の石をそのまま少しだけ近づける。嬉しそうに手を伸ばすのに合わせ、石を引っ込める。
「……」
少女の頬が少し膨れた。
「ごめん。これはちょっと……色々とあってー」
そのまま左右にフラフラと揺れ始めた。
「だ、大丈夫?」
「ムン!」
先ほどとは別人の様に腕を素早く振り上がる。そして、素晴らしいフォームで走り出す。一歩遅れてリルは賢者の石が無い事に気が付いた。
「ええええ!!!」
リルは急いでそれを追いかける。
白い髪の少女は先ほどのゆっくりとした動きからは想像出来ない程、凄まじい速度で走り去る。
(ふむ。最低限、魔力の貯蓄はあるし。たまにはこういう訓練もいいだろう。リル、油断大敵って奴だ……げっ)
「それじゃあ、今日は組み合わせを何度も変える。相手の魔法属性と癖を把握するのが重要だ。っとフィンリーとジェイクは俺とだ」
「えええ!!」「今日こそ勝手やるぜ!」
「あ、それと今回の個人戦は全クラスでやることになった」
「え? 確か去年や一昨年はクラスだけでしてませんでしたか?」
「まあ、そうだな。実力的にも差があるし、全員だと時間がかかる。だが、黒クラスの奴等がごねてな。赤も巻き込んで抗議したらしい。余程白クラスと戦いたいらしい」
「そ、そんな事が……」
「まあ時間の関係で流石に全員とはまではいかんが、何人かは他クラスとも戦うだろう。てなわけで格下に負けるなよー」
マグナ先生は皆にプレッシャーをかけてくる。白クラスは優等生の集まり、先頭を走り続けなければならない。それによりさらに気を引き締めて授業を行った。
どうやら去年よりもきついらしい。それは思ったよりも数倍きつかったが、何とか無事に訓練は終わり解散となった。
着替える前に魔導具から水を出し頭を冷やす、その後、近くの魔導具の温風で乾かす。休憩しようと近くにある中庭のベンチに向かった。
先客がいた。白い髪の女子が丸まって寝ていた。普通のローブとは違う、動物を模したフード。起こさない様に隣に座るが、眼を覚ました。
何やらボーっとしていた。どこか反応が鈍い、動きもゆったりとしていた。マイペースともいえる。
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「それ……」
「これ?」
「見たい……」
賢者の石をそのまま少しだけ近づける。嬉しそうに手を伸ばすのに合わせ、石を引っ込める。
「……」
少女の頬が少し膨れた。
「ごめん。これはちょっと……色々とあってー」
そのまま左右にフラフラと揺れ始めた。
「だ、大丈夫?」
「ムン!」
先ほどとは別人の様に腕を素早く振り上がる。そして、素晴らしいフォームで走り出す。一歩遅れてリルは賢者の石が無い事に気が付いた。
「ええええ!!!」
リルは急いでそれを追いかける。
白い髪の少女は先ほどのゆっくりとした動きからは想像出来ない程、凄まじい速度で走り去る。
(ふむ。最低限、魔力の貯蓄はあるし。たまにはこういう訓練もいいだろう。リル、油断大敵って奴だ……げっ)
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