ワイズマンと賢者のいし

個人戦

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　一か月間、各々が個人戦のために特訓した。


【個人戦当日】


　微かな痛みで目覚める。気が付くと騒音が聞こえた。ノラやロロは、※魔導計時機まどうけいじきを沢山セットし、既に登校していた。
※めざましどけい

　ノラは説教、ロロはパーティーで騒いでいる時の声を計時器に録音していた。

（死ぬかと思った……というか騒音で起きろ……）

　騒音で起きなかったので、刺激を与えて起こした。リルが慌ててベッドからでるとアイナが床に転がり落ちる。服を着たり脱いだり、行ったり来たりを繰り返すうち、気が付かづにアイナを踏んでしまった。謝まりながら慌てて支度をする。しかし、ぐっすり眠っていた。上には上がいるようだ。


（ノラとロロ……流石に今回は緊張しているようだな）


　この学園の闘技場に来ていた。大きな観客席も付いている。様々な行事で使用する場所だ。今回、戦闘用の舞台は三つ用意されている。クラスごとではないので、時間の関係で進行を早めなければならないからだ。


　この個人戦は一年だけで、上級生は時期が違う。教師の殆どは個人戦の手伝いがあるので、上級生は休日である。しかし、生徒会の数人は新入生を視察している。



　試合がない生徒はクラス別に別れ待機している。時間になると女性の学園長が前に出る。隣には男性の副学園長がいた。軽い挨拶とともにルールが説明された。

　敗北条件は場外に出る、降参する、気を失う、故意の殺人。魔法は全属性使用可能。魔導具も使用可能。近接攻撃有。三つの舞台で試合をする選手、六名の名前が宙に表示される。


『早速か。調子はどうだ』

（『良い感じ！！』）

『そうか。なら魔法を楽しんでこい』

（『うん！！』）


　赤クラスの生徒と対戦になる。眼鏡をかけた青髪の女子だ。向かい合うとクイっと眼鏡を上げる。

「リルルナ・フールマン。戦闘で邪魔になりそうな宝石を常に身に着けた子供。使用属性は火と強。魔力は一学年で上位に入るほど高め。アホそうな。あ、可愛らしい見た目からは想像出来ないが、なかなかどうして、器用に戦う」

「アホ！！？　今アホって言った！？」

（ほー、調べられているか。それだけ危険視されてるって事だな。まっ、当然だな）

「貴方の情報は全て頭に入ってます。勝たせてもらいますよ」

「させないよ」