かご喰らいの龍

第五章 怪物

第９話 逃げきれるか ※グロ、淫口あり 瞬間火力注意

　その前日、茶系統の服を脱いだ子供。大きな布に身を包んでいた。ルーベン達に川で溺れている所を助けられた後に街に到着していた。家畜小屋かちくごやに忍び込んで時間を過ごす。彼女は震えながら身を小さくして、恐怖に耐えていた。

　翌朝になると朝日が目に入る。静かな空気に家畜の鳴き声が混じっている。大きく背伸びをすると完全に目を覚ました。干していた服も何とか乾いたようだ。

　服を着ていると、ふと男達の声が聞こえた。聞き覚えのある声だ。不味まずいと思い、身を隠す。小さくなり、早く去ってくれと願いながら目を瞑っていた。

　しかし、あろう事か彼等はその小屋に入って来た。彼等が探し始める。

「いたか？」
「いや、いなさそうだ」
「そうか……」

「別の所に行くぞ」

　短い間だったが、それは恐ろしく長く感じた。去って行く男達にホっとして目を開けた次の瞬間、思わず声が出た。

「うわっ！」

　彼等が目の前にいたのだ。男達は嫌らしく笑いながら言った。

「助かったと思ったか、リーゼ……」
「離はなせ！」

　逃げようと立ち上がるが、すぐに取り押さえられた。

「早くボスに報告をしましょう」
「まあ待て……」

「え？」
「馬鹿が。ボスに引き渡したら楽しみが無くなるだろうが……」

「まさかっ。怒られるんじゃ……」

「じゃあ、お前はボスに待ち合わせ場所でも相談して決めて来い。その間に俺達は楽しんでおくからな」
「そ、そんなぁ～。分かりましたよっ」

「そういう事だ。リーゼ」
「ふざけるなっ。離せ！」

　男達のリーダーらしき人物がリーゼの腹部を思いっきり殴る。

「ぁがっ……」

「うっせんだよ」
「っ……やめ……」

　周りの男達がわざとらしくヒューという声を出す。

「おい、離してやれ。やりにくいだろ」
「へへへ、了解でっす」

　リーダーはリーゼを見下ろしながら睨み付ける。

「おい、銜くわえろ」

　そう言って男はズボンを下ろした。リーゼは顔をしかめる。

「ぅっ、臭い……」
「ふふ、その内病みつきになる」

「な、なるはずないだろっ。その汚いのをしまえよ！」
「早くしろよ。クソガキがっ」

　そう言いながら無理やりそれを口にねじ込むと、リーゼは苦しそうにもがく。彼は無理やり前後に動かす。リーゼの唾液だえきと男の先走り汁が混じり合いチュパ、チュポっと音が出る。男は気持ちよさそうに上を向いていた。

「どうだ、美味しいだろ？　今後これは必要になるからよく覚えておけ」

「んーっ！　ん～！」

「リーダ～、俺達もしたいですよ。早く変わってくださいよ！」
「まあ待て。もう少しだ」

　咽の奥まで入れられて、涙が自然と溢れて来る。それと対称にニヤニヤと気持ちよさそうに頭を無理やり動かす男。だが、男が突然叫んだ。

「ぐあぁぁああぁぁああ！　ぎぃぃいいごぁぁあああ！」

　リーゼの口の周りには、赤い液体が付いていた。そして彼女は睨みながらぺっ、と半分になったそれを吐き出す。男は苦しみ、地面をのたうち回る。それに思考が追い付いた取り巻き達がリーゼに襲おそい掛かるが、彼女はそれを上手くかわして逃げ出した。

「は、早くそいつを治療しないと死ぬかもしれないぞ！」

　彼女はそう言い残して走り去って行った。男達はどうするか迷う。苦痛の表情を浮かべながらもリーダーは数人に追わせて、残りに医者を呼んで来いと指示を飛ばした。

　一日中逃げ回ったが、追手おってが常に近くをうろついている。リーゼは疲れていた。時折目めの焦点しょうてんが合わない事もある。数日間追われていて限界げんかいが来ていたのだ。隠れて息を整ととのえながら彼女は呟く。

「日が沈む……これで大丈夫……何より視界しかいが悪くなれば街から逃げれる……もうちょっと、だ……」

　追手が一人裏路地に入って来た。それに気が付いたリーゼは顔を引きつらせながらも潜ひそんで居た。その時、彼女は意識いしきが飛び、頭を建物の壁にぶつけた。その音に気が付いた男が走って来た。

「しま……ッ」

　逃げようと立ち上げり走り出すが、足がもつれて転んでしまう。

「きゃぁっ！」

「鬼ごっこはもう終わりだ……」

「そ、そっちが悪いんでしょ……私は何も悪くないっ。お願いだからもうほっておいてッ……」

「良い顔だなぁ。落とし前はつけてもらうぞ、リーゼ。お前の体でたっぷりとなッ」

　彼等は悪い笑みを浮かべながらゆっくりと近づいて来た。