日本が開戦したらしい

CRAZY_T

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第1話「最後の会議」

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4月3日午前8時38分ごろ、テレビのあるニュース番組が、衝撃的な出来事を告げた。
「ただいま入った情報です。先ほど、日本国のシンオーサカ海底軍基地から、発射された潜水艦発射弾道ミサイルが、ハンタ連邦国の首都圏に落下した模様です。ミサイルが落ちたハンタ連邦国の首都、サマランディでは、少なくとも数十万人が死亡し、かなりの数の建物が崩壊したようです。これを受けて日本政府の笹口哲平(ささぐちてっぺい)氏は、『日本国の軍事力が増進した証拠であり、ハンタ連邦国を植民地にするのにも適した一発である』と語っておられます」
「なんで日本はハンタ連邦国にミサイルを打ち込んだんだ?」
「おいおい、ハンタ連邦国は日本の最大の石油貿易国じゃねえか!」
国民たちは焦った。ハンタ連邦国といえば、中東にある石油産出国だし、日本の大きな貿易国でもあった。しかも、日本とハンタ連邦国との関係は良好であり、おたがい憲法で戦争はしないと誓っていた。

国民が心配し始めた頃、ハンタ連邦国代表者がシントーキョーに緊急来日し、ハンタ連邦国の首相と日本国首相が緊急会議を開いていた。日本側は政府県警者の岸田義一(きしだよしかず)氏を、ハンタ連邦国側はまたも政府関係者のリット・ナラノモ・コッタドラ氏が出席した。
「これは日本国による一方的な攻撃です!」
「何を言うのです。我が国はハンタ連邦国に戦線克服を出しました。これは国際違反にはならないはずです」
「あなたは何を言っているんだ!何のために国際連合があると思っているんだ!地球から戦争や紛争をなくし、平野を求めるためだろう。しかし、今回のあなたがた日本の攻撃はこの国際法令に反します!」
「国際法など関係ない。我が国は戦線克服を出した。これは紛れもない事実。戦線克服はもう出されている。それを勝手に無視したあなたがたの国がおかしいのでは?」
両国の意見は対立し、会議は進まなかった。結局この日の会議はまとまらず、翌日の国連会議に持ち越されることとなった。

そして翌日、国連会議にて。国連委員長である、アサマ・ガルーダ氏が会議の司会を務めた。
「まずは、日本のハンタ連邦国にむけたミサイル攻撃についてですが、国連委員会は、これを不正攻撃とし、国際法違反とみなします。よって、日本はハンタ連邦国に大きな損害を与えたとして、賠償金を...」
ガルーダ氏がそこまで言いかけた時、日本代表の政府関係者、佐藤真崎(さとうまさき)氏が無言で立ち上がり、こう言った。
「我が国は戦線克服を出しました。よってこれは不正攻撃でも国際法違反でもありません。戦争開幕の合図をちゃんと出しました」
「しかし、ハンタ連邦国は多大な損害を受け、犠牲者も多く復興も困難。日本は国内ラジオでしか戦線克服とやらを出しておらず、他国には伝わっておりません」
そのとき、佐藤氏の中で、何かがプツリと切れた。
「もういいです。我が国の戦線克服が認められないのであれば、我が国は国際連合を脱退します。それではみなさん、さようなら」
佐藤氏は、こう言うとさっさと荷物を片付けて席を離れてしまった。
「...国連での日本の扱い方について、どうするべきでしょうか...」
こう問いかけるガルーダ氏に対し、東南アジアに位置するジャンバ王国大統領、ロッカ・ハンサジ氏は冷たい目つきでこう返答した。
「...やむを得ません。日本の国連脱退を認めましょう。日本は開戦する気です。これ以上日本を説得するより、あっさり脱退を認めるほうが、後処理が楽です」
「...では、日本の国連脱退を認める方々は挙手を願います...」
そして、日本を除いた国連加盟国236ヶ国中、233ヶ国が挙手をした。
「...では、日本の国連脱退を認めます。これにより、今日の会議は終了いたします」

翌日の日本政界新聞に、大きな見出しが載った。『さらば、国連』『日本国、昨日国連を脱退』この出来事は、世界中のテレビニュース・新聞・ラジオで取り上げられた。この出来事を受け、日本国首相の坂原裕次郎さかのはらゆうじろう氏はテレビのあるニュース番組でこう語った。
「日本国は、今や産業・農業の工業化と近代化が進み、世界最高レベルの技術力を持っております。ですが、人口は年々減少しており、労働力が不足しております。そこで、我が国の重要な貿易相手国であるハンタ連邦国を占領して、植民地化し、日本の労働力を補おうとしたのです。意見が認められないなら脱退すればいい。不満があれば武力行使。この考え方がなぜ批判されるのでしょうか?これは正義の戦争、つまり聖戦なのであります!」
坂原首相が発言した、『不満があれば武力行使』という言葉は、深く国民の心に染み付いた。
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