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第1章 一学期
前兆
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今日の目覚まし時計はベッドの棚から勢いよく落ちて止まった。
時計を払い除けた手は、まだその場所に時計を探している。
やがて本体の頭がのそっと布団から姿を現した。そこでようやく時計が床に落ちている事に気づいた。
「あ、もうこんな時間?!」
拾い上げた時計の時刻を見て、眠気は軽く吹っ飛んだ。
寝間着を急いで脱ぎ、用意して置いた制服に直ぐに着替えてカバンを掴み部屋を出る。
階段を降りて玄関に鞄を置くと、洗面所の鏡の前に走った。洗顔を終わらし、ボサボサになった寝ぐせを櫛で梳かす。
寝坊のおかげで分刻みのスケジュールだ。
次は床の間に入ると仏壇の前に正座をする。仏壇には亡き母の遺影と写真が飾られていて、その前にお供え物として塩まんじゅうがお供えしてあった。担当は私なんだけど、お父さんがしてくれたに違いない。
母は私がまだ1歳の頃に病で亡くなったらしい。写真で見る若い母親の顔を自分は覚える事すらできなかった。手を合わせて軽く黙祷をする。
お母さんごめん、今日はかなり時間が無いのと早々に切り上げて部屋を出る。
続いて玄関の横にある勝手口から、喫茶店舗内へと入る。
「お父さん!」
長いテーブルカウンターの奥で、開店前の準備をしていた父が振り返る。
真緒の父、武智 一。55歳。温厚な性格で、滅多に叱られない。最近の悩みは白髪が増えてきたことらしい。
「おはよう、真緒。弁当ならそこに置いてある」
「うん、ありがと。行ってきます!」
直ぐ側のテーブルの上に置いてあった弁当箱を回収すると、会話もせずに再び玄関へと引き返した。
靴を履き、鞄に弁当を入れ込む。さぁ準備完了!と玄関を勢いよく開ける。玄関先で日向ぼっこしていた猫数匹が驚いて走り去った。
「バスが来るまで後5分。良かった、間に合いそう!」
左右を確認すると、真緒はバスへと駆け出した。
「あれ?真緒ちゃん、今出たところかい?」
カランカランと店側の扉の呼び鈴を鳴らして、中年の男が入って来た。扉にはまだcloseのプレートがぶら下げてあるのだけれど。
「入学して早々、寝坊したようです。というか田中さん、まだ開店前なんですけど~」
「マスター、固いこと言うなよ。ここで朝を食べないと、読みが上手く当たらないんだよ」
スポーツ新聞を片手にニカッと笑う。
この人は毎回こうなのだけれど、それを毎回許している自分も同じ様なものだなと、いつもの席の椅子をテーブルから降ろしテーブルを拭き灰皿を置く。
「ありがとね~」
用意された席に座るなりたばこに火をつけて新聞を広げる。
「それでご注文は何にします?」
コップに冷水を注いでテーブルに置き、一応メニュー表も出すが、田中さんは常連さんなので既にメニューは覚えている。
「今日はカツサンドを頼むよ。それと例の珈琲でね」
「MYAO(ミャオ)ブレンドですね。今日は何かあるんですか?」
MYAOブレンド。マスターオリジナルのブレンドコーヒーで豆の種類と分量は当然企業秘密だ。しかも、値段は時価である。
それでも頼むには、それなりの効果があることを知っているからだ。マスターは早速準備に取り掛かる。
「競馬の記念レースがあるんだよ。今回は大きく賭けたいところでね」
田中さんは新聞のレース記事の欄に赤ペンで書き込みをしている。
揚げたてのカツにマスタードとソースをかけて、レタスを敷いたパンに挟みザクッと切り分ける。
「う~ん、必ずしも効果が上がるとは限らないですよ?金運が上がる訳じゃないですから」
皿に装ってテーブルへと運ぶ。田中さんはおしぼりで軽く手を拭くと、早速、ガブリとかぶりつく。
「いいのいいの。只の験担ぎだからさ」
モグモグと満足そうな笑みを浮かべる。マスターはゆっくりとドリップした、一見すると普通のコーヒーをソーサーに乗せて田中さんの前に置く。
「どうぞ、MYAOブレンドです」
待ってましたと、カツサンドの皿を退かしてソーサーを目の前に移動させる。
目を閉じて鼻からすーっと香りを吸い込むと目を閉じたまま祈る様な手を合わせる。
「今日もお願いします」
すると、
パン!パン!パン!と手を叩くような音が少し離れた場所から聞こえる。
「音は三回でしたね」
店の奥の上壁に設置してある神棚を見上げて、マスターがそう伝える。
「今日は三つ分の厄をお持ちだった様ですね。頼んで良かったのかも」
「うーん、大破産だったかもしれないな。流石、MYAO様様だ」
危なかったと胸を撫で下ろして、そこでやっとコーヒーを楽しんで飲む。
「うん、美味しいね」
「ありがとうございます。今回は三回でしたので、ご会計は7128円です」
時価による想像以上の値段の高騰に少し呻きながらも支払いを済ませて、よ~しやるぞ!とやる気を出した田中さんが帰ったその後、神棚の方を見てマスターは溜め息をつく。
「厄を取るだけなら二回で良かったんじゃないかい?普通以上に運気を上げちゃうと、田中さんが賭博目的だけに来ちゃうよ?」
「本人の希望通りだから良かったんじゃニャいの?」
神棚の下の壁から声が聞こえる。そしてその壁からすうっと腕が突き抜けてきた。
スルスルと障害物が何も無いように壁抜けを行ったのは、和服姿で黒髪の長いの女性。
その容姿は若く、20代に見られてもおかしくない。
壁抜けという人間では有り得ないことをした彼女は、当然容姿にも人間離れした場所が見て取れた。
頭からひょこっと出た耳と、頬から長く横に跳ねる細いヒゲ。背中から見え隠れしてる二本の尻尾。
そう、彼女はネコマタと呼ばれる妖怪であった。
「それに、厄鼠は確かに居たよ?小さかったけどね」
悪びれる素ぶりも無く笑顔を見せる。マスターはしょうがないなと軽い溜め息をついた。
「ああ、真緒の目覚まし時計の鳴る時間を変えたのは君かい?」
「もうちょっと寝顔見たかっただけニャンだけど、かなり慌ててたニャ~。今日は何かあるのかニャ?」
「確か、今日から部活に入れるって言ってたよ」
マスターは使用した食器と器具を始める。その横で洗剤の泡を見ながら彼女は呟いた。
「私も見に行きたいニャ~」
「駄目だよ。霊感強い子が居たら姿を見られてしまうし。真緒に見つかったら何て言うのさ?」
「そんニャの決まってるニャ!私がママだニャ~って言うニャ!」
ゴン!と鈍目の音が鳴り、彼女は頭を抱えて目に涙を溜めた。マスターが盆で少し強めに叩いたのだ。
「それはまだ駄目だと言ったはずだよ?彼女が二十歳を迎える時までは、ずっと見守る約束をしたじゃないか」
「一のケチんぼ!」
べ~っと舌を出して、彼女は再び壁抜けをして隠れてしまった。
少し反省した方がいいと、マスターは放って置くことにした。
しばらくしてから通常の時間の店を開店する。
扉のcloseのプレートをひっくり返してOpenに変えたその時に、ふと視野の隅に何かを感じた。
見ると、猫が三匹じゃれ合っているだけだった。さほど気に留めずに店内に入り、ふと止まる。
「美亜?お~い美亜、出ておいで」
彼女の名を呼ぶが反応がない。マスターは冷や汗が出るのを感じた。
「まさか…?」
悪いイメージしか浮かばない。探しに行こうかと考えた矢先に扉が開き、複数の客が入る。マスターは学校の方角を見て頭を抱えるのだった。
時計を払い除けた手は、まだその場所に時計を探している。
やがて本体の頭がのそっと布団から姿を現した。そこでようやく時計が床に落ちている事に気づいた。
「あ、もうこんな時間?!」
拾い上げた時計の時刻を見て、眠気は軽く吹っ飛んだ。
寝間着を急いで脱ぎ、用意して置いた制服に直ぐに着替えてカバンを掴み部屋を出る。
階段を降りて玄関に鞄を置くと、洗面所の鏡の前に走った。洗顔を終わらし、ボサボサになった寝ぐせを櫛で梳かす。
寝坊のおかげで分刻みのスケジュールだ。
次は床の間に入ると仏壇の前に正座をする。仏壇には亡き母の遺影と写真が飾られていて、その前にお供え物として塩まんじゅうがお供えしてあった。担当は私なんだけど、お父さんがしてくれたに違いない。
母は私がまだ1歳の頃に病で亡くなったらしい。写真で見る若い母親の顔を自分は覚える事すらできなかった。手を合わせて軽く黙祷をする。
お母さんごめん、今日はかなり時間が無いのと早々に切り上げて部屋を出る。
続いて玄関の横にある勝手口から、喫茶店舗内へと入る。
「お父さん!」
長いテーブルカウンターの奥で、開店前の準備をしていた父が振り返る。
真緒の父、武智 一。55歳。温厚な性格で、滅多に叱られない。最近の悩みは白髪が増えてきたことらしい。
「おはよう、真緒。弁当ならそこに置いてある」
「うん、ありがと。行ってきます!」
直ぐ側のテーブルの上に置いてあった弁当箱を回収すると、会話もせずに再び玄関へと引き返した。
靴を履き、鞄に弁当を入れ込む。さぁ準備完了!と玄関を勢いよく開ける。玄関先で日向ぼっこしていた猫数匹が驚いて走り去った。
「バスが来るまで後5分。良かった、間に合いそう!」
左右を確認すると、真緒はバスへと駆け出した。
「あれ?真緒ちゃん、今出たところかい?」
カランカランと店側の扉の呼び鈴を鳴らして、中年の男が入って来た。扉にはまだcloseのプレートがぶら下げてあるのだけれど。
「入学して早々、寝坊したようです。というか田中さん、まだ開店前なんですけど~」
「マスター、固いこと言うなよ。ここで朝を食べないと、読みが上手く当たらないんだよ」
スポーツ新聞を片手にニカッと笑う。
この人は毎回こうなのだけれど、それを毎回許している自分も同じ様なものだなと、いつもの席の椅子をテーブルから降ろしテーブルを拭き灰皿を置く。
「ありがとね~」
用意された席に座るなりたばこに火をつけて新聞を広げる。
「それでご注文は何にします?」
コップに冷水を注いでテーブルに置き、一応メニュー表も出すが、田中さんは常連さんなので既にメニューは覚えている。
「今日はカツサンドを頼むよ。それと例の珈琲でね」
「MYAO(ミャオ)ブレンドですね。今日は何かあるんですか?」
MYAOブレンド。マスターオリジナルのブレンドコーヒーで豆の種類と分量は当然企業秘密だ。しかも、値段は時価である。
それでも頼むには、それなりの効果があることを知っているからだ。マスターは早速準備に取り掛かる。
「競馬の記念レースがあるんだよ。今回は大きく賭けたいところでね」
田中さんは新聞のレース記事の欄に赤ペンで書き込みをしている。
揚げたてのカツにマスタードとソースをかけて、レタスを敷いたパンに挟みザクッと切り分ける。
「う~ん、必ずしも効果が上がるとは限らないですよ?金運が上がる訳じゃないですから」
皿に装ってテーブルへと運ぶ。田中さんはおしぼりで軽く手を拭くと、早速、ガブリとかぶりつく。
「いいのいいの。只の験担ぎだからさ」
モグモグと満足そうな笑みを浮かべる。マスターはゆっくりとドリップした、一見すると普通のコーヒーをソーサーに乗せて田中さんの前に置く。
「どうぞ、MYAOブレンドです」
待ってましたと、カツサンドの皿を退かしてソーサーを目の前に移動させる。
目を閉じて鼻からすーっと香りを吸い込むと目を閉じたまま祈る様な手を合わせる。
「今日もお願いします」
すると、
パン!パン!パン!と手を叩くような音が少し離れた場所から聞こえる。
「音は三回でしたね」
店の奥の上壁に設置してある神棚を見上げて、マスターがそう伝える。
「今日は三つ分の厄をお持ちだった様ですね。頼んで良かったのかも」
「うーん、大破産だったかもしれないな。流石、MYAO様様だ」
危なかったと胸を撫で下ろして、そこでやっとコーヒーを楽しんで飲む。
「うん、美味しいね」
「ありがとうございます。今回は三回でしたので、ご会計は7128円です」
時価による想像以上の値段の高騰に少し呻きながらも支払いを済ませて、よ~しやるぞ!とやる気を出した田中さんが帰ったその後、神棚の方を見てマスターは溜め息をつく。
「厄を取るだけなら二回で良かったんじゃないかい?普通以上に運気を上げちゃうと、田中さんが賭博目的だけに来ちゃうよ?」
「本人の希望通りだから良かったんじゃニャいの?」
神棚の下の壁から声が聞こえる。そしてその壁からすうっと腕が突き抜けてきた。
スルスルと障害物が何も無いように壁抜けを行ったのは、和服姿で黒髪の長いの女性。
その容姿は若く、20代に見られてもおかしくない。
壁抜けという人間では有り得ないことをした彼女は、当然容姿にも人間離れした場所が見て取れた。
頭からひょこっと出た耳と、頬から長く横に跳ねる細いヒゲ。背中から見え隠れしてる二本の尻尾。
そう、彼女はネコマタと呼ばれる妖怪であった。
「それに、厄鼠は確かに居たよ?小さかったけどね」
悪びれる素ぶりも無く笑顔を見せる。マスターはしょうがないなと軽い溜め息をついた。
「ああ、真緒の目覚まし時計の鳴る時間を変えたのは君かい?」
「もうちょっと寝顔見たかっただけニャンだけど、かなり慌ててたニャ~。今日は何かあるのかニャ?」
「確か、今日から部活に入れるって言ってたよ」
マスターは使用した食器と器具を始める。その横で洗剤の泡を見ながら彼女は呟いた。
「私も見に行きたいニャ~」
「駄目だよ。霊感強い子が居たら姿を見られてしまうし。真緒に見つかったら何て言うのさ?」
「そんニャの決まってるニャ!私がママだニャ~って言うニャ!」
ゴン!と鈍目の音が鳴り、彼女は頭を抱えて目に涙を溜めた。マスターが盆で少し強めに叩いたのだ。
「それはまだ駄目だと言ったはずだよ?彼女が二十歳を迎える時までは、ずっと見守る約束をしたじゃないか」
「一のケチんぼ!」
べ~っと舌を出して、彼女は再び壁抜けをして隠れてしまった。
少し反省した方がいいと、マスターは放って置くことにした。
しばらくしてから通常の時間の店を開店する。
扉のcloseのプレートをひっくり返してOpenに変えたその時に、ふと視野の隅に何かを感じた。
見ると、猫が三匹じゃれ合っているだけだった。さほど気に留めずに店内に入り、ふと止まる。
「美亜?お~い美亜、出ておいで」
彼女の名を呼ぶが反応がない。マスターは冷や汗が出るのを感じた。
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