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第10章132話 配下達の蟠り
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とある地方の修道院。そこには大罪教の団員となるべく預けられた信徒や孤児、魔王配下候補を育成する施設としても使われている。
「見ろよ、行き遅れが居るぞ?」
食堂にやって来た10代後半の団員達が、先に席に着きパンを齧っていた5人気付いて、ボソボソと小声で話し出す。
「魔王の配下が決まったのにも関わらず、就任する前にその魔王に先立たれた不運者達だ。関わるなよ、後任候補からも外されるぞ?」
魔王候補には、後任が順に決まっている。就任した者が死亡した場合、その枠に直ぐに選ばれるのだ。翻訳士には翻訳士の後任と、もちろん役職で分かれている。
しかし、死亡扱いの嫉妬魔王や暴食魔王の後任候補達は、その行き場を無くすのだ。
「トランスポート司教様が来られたぞ!」
団員が慌てて報せに来た。その場に居た団員達は、急ぎ身嗜みを整えて座るが、ソワソワとしている。
彼等が緊張するその理由は、その司教が来た時には、現魔王の配下に欠員が出た事を意味するからだ。つまりは、次の候補者が選ばれるのだ。
「昼食中に悪いが、皆、揃って居るな?」
現れたその司教は、司教では珍しく女性の司教で、厳格な性格は表情を見るだけでも分かる。
司教は、そのままツカツカと食堂へ入って来ると、真っ直ぐに行き遅れ組の前に向かった。
「うそっ⁉︎何で?」
思わず声を出してしまった団員が居たが、そう言いたいのは5人も同じだった。
「【囮03】、【体05】、【盾01】、【耳口07】、【生産02】、お前達に移動命令が下った。着いてこい」
彼等にとっての名前を呼ばれ、5人は素早く席を立った。一瞬、お互いに顔を見合わせるが、先に行く司教に慌ててついて行く。
「何で行き遅れ組が⁉︎」
「いや、単に地方の勤務に厄介払いされたのでは?」
「そうだ、そうに違いない」
残された団員達は、きっとそうだと邪魔者が居なくなる事を喜ぶ事にした。
「今からお前達を、ゲートの魔法によりラエテマ王国はインガス領のオモカツタ支部へと送る」
執務室に着くなりそう告げられた5人は、ポカンとしてしまう。
「あ、あの、それは左遷という事でしょうか?」
「…これは極秘事項である。詳しくは現地にてベルフェル司教より伺うが良い」
極秘事項?皆が不安に思う中、トランスポート司教はお構い無しに魔法の詠唱を始める。
5人の足元に魔法陣が現れ、黒い光で彼等を地中へと一瞬で飲み込む。地中へと消えた黒い光の後には誰も残されてはいなかった。
「キャアッ!」
地中から現れた黒い光が、再び5人を出現させたのは教会の礼拝堂の前だった。
彼等を見下ろすフレイア女神像に、5人は慌てて姿勢を正す。
「よく来たな」
5人の背後から声が聞こえ振り返ると、そこには顔に傷がある司教、ベルフェル司教が立っていた。
気配感知に反応が無かった事に【囮】だけが冷や汗を流すが、ベルフェル司教はニコリの強面の笑顔を見せる。
「お前達には、吉報となるだろうな。待ちに待った就任だ」
「「「えっ⁉︎」」」
5人は自身の耳を疑った。彼等が待つ就任は、暴食魔王の配下以外に有り得ない。彼等の存在意義であり、その為だけに幼少の頃から、日々努力していたのだから。
「暴食魔王の生存が確認された。この事実を知るのは大司教様と我々司教のみだ。つまり、これは極秘事項となる。この条件の下、暴食魔王はお前達が配下に着く事を許可した」
「暴食魔王様が生きて居られた‼︎」
「嗚呼、フレイア様!貴女様の御加護に感謝致します!」
各々が喜びを感じる中、ベルフェル司教は布巾着を5つ取り出して彼等の前に置いた。
「既に暴食魔王はこの地を離れ、我等をアルローズ領で待ち待機している。出発は明日だ。このお金は教団が用意した。身支度を整えるのに使うように。但し、この街は今魔物の襲撃被害による復興で品不足だ。必要最低限の量に留める様に」
「「「ハッ!」」」
翌日の午後、大罪教団前に、一台の馬車と、5人が待機していた。
ベルフェル司教は、街長に会っていたらしく少し遅れて来た。
「皆、準備は済んでいるな?」
「「「ハッ!」」」
彼等は直ぐに出発できるように、しっかりと旅支度を終わらせていた。
「晴れてお前達は王の配下となる訳だが、歴代の暴食王同様に、干渉を嫌う性格のようだ。よって、お前達の役割は影からのサポートに徹する事だ。そしてリーダーは、王と面識が有り、監視下を承諾させたハウンに一任する」
「「「はっ!仰せのままに」」」
「よろしくお願いします」
ハウンと呼ばれた女性団員が頭を下げる。
役名ではなく名前で呼ばれたこの女性は何?と、【耳口】は彼女を不審の目で見る。
彼等が用意された馬車に全員乗り込むと、ハウン自身は魔王から預かっているという馬に乗馬する。それに対しても、どういう事?と思ってしまう。
「では、頼んだぞ」
「「「はっ!」」」
ハウン達はオモカツタの街を後にして、アラヤ達が待つ隣の領地へと出発した。
しかし、道中は積雪が多く、速度は出せない。アラヤ達の様に魔法で雪を溶かし進むにはホットブローの魔法も魔力量も無い。
かと言って、馬車をソリ型に変えるのも困難だ。つまりは、日数が掛かる事を意味していた。
『はい、分かりました。ご迷惑をお掛けします』
休憩中、ハウンは1人で妻の1人と念話のやり取りをしている。遠距離でも連絡可能な念話の高レベル持ち、それが彼女のハウンドと呼ばれる役職だ。
「今、魔王様の奥様と連絡を取り、我々が出発した事を報告しました。その際に、魔王様の大まかな情報は貴方達にも公言して良いと許可がおりました」
ハウンは、自身が暴食魔王アラヤ=グラコとの出会いと、彼等の容姿と強さを話した。
「…えっと、ハウンだっけ?貴女、随分と出しゃばりだけど、魔王様本来の配下は私達なんだからね?」
【耳口】の役職名を持つ彼女は、どうやら私を気に入らないらしい。まぁ、その気持ちは充分に理解できる。
「おい、やめないか!彼女が居なければ、我々は魔王様の配下にすらなれていないのだぞ!」
大盾を持つ男がフォローするも、彼女の不満はそうそう消えないだろう。
「大体、魔王様の容姿が子供みたいで、奥方が4人居る?そんなのこの人が作った嘘かもしれないでしょ?歴代の暴食魔王様は大柄で、人付き合いが苦手な方ばかりなのよ。どうせ、知ったかぶりしたんじゃないの?」
刹那、喉元につけられた短刀に、彼女は息が止まる。全く対応出来なかったと、【囮】と【盾】は冷や汗を流す。
「私の事はともかく…魔王様を愚弄するつもりならば、任務から外れてもらいますよ?返事は?」
「は、はい…」
重く低い彼女の声は、皆を従わせるには充分の殺気が込められていた。少なくとも、その様な行為はこの中では彼女が1番の経験者だろう。
短刀を仕舞うと、ハウンは再び笑顔に戻る。
「まぁ、一度でも会えば、魔王様達の規格外な事が直ぐに分かりますよ?」
それからは、彼女も大人しく従うようになった。だが、念には念を入れておくべきだろう。そう思ったハウンは2日目の晩、野営の番を彼女とペアにした。
「…あの…」
「…何?」
「…近過ぎませんか?」
焚き火を前に【耳・口】が番をしているのだが、ハウンもまた、彼女の隣で座っていた。
肩が触れそうな距離に座られ、落ち着けないでいると、ハウンがクイッと彼女の顎を上げて目を合わせる。
「一応、確認をしたいのよ」
「…確認?」
「そう、貴女が魔王様、もしくは奥方様達に色目を使ってしまわないかを…」
ハウンの視線が自身の唇に移動したのに気付き、彼女もまた、ハウンの唇に視線が釘付けになる。
「魔王様はもちろんですが、奥方様達も魅力的な方達です。そう、思わずこうなる可能性も…」
唇はとうとう触れ合い、ヌルリと柔らかい舌先が侵入を図る。
「んっ…」
受け入れてしまった彼女は、なし崩しに主導権を奪われてしまった。と言うより、経験が無い故に刺激に酔いしれてしまった。
大した抵抗も出来ぬまま、黒の教団服を脱がされていく。
焚き火の強弱に揺れる明かりに、白い肌が暖かくも冷たく見える。
「は、ハウンさ…ん、待って…」
ハウンの少し冷たい手が、彼女の乳房を優しく揉み始め、秘部にも伸びて来る。今更ながらに怖くなり、身を捩る様に抵抗するが既に体は反応している。
「大丈夫。…自慰を手伝って上げるだけよ?」
溢れ出る蜜は、彼女の思いとは違いハウンの指を奥へと誘う。
「い、いや、それ以上は…!」
「ダメ。体に覚えてもらう。貴女が魔王様達に色目を使う事があってはならない。その先には終わりしか無いの」
ハウンの指に掻き乱されるも、彼女は喘ぐ声を必死に我慢しているが、時折声を漏らしてしまう。寝ている筈の男達を起こしてしまう緊張感が、更にハウンの指を加速させた。
「だから、そんな気が起きないように、私が偶に相手をしてあげるわ」
ハウンの肩を掴む彼女の手に力が入る。彼女の限界が近い様だ。
ハウンは彼女を抱き寄せ、指は見つけ出した弱い部分を苛め抜く。
キュウと膣内の絞まりが強くなり、彼女は涙を溜めて耐えている。
「身を委ねなさい」
ハウンが、彼女の耳の穴に舌先で刺激を与えた途端、彼女はビクッビクッと体を痙攣させた。
「どう?これから先、守れるかしら?」
「ハァ、ハァ…。は、はい…。よ、よろしくお願いしますぅ」
トロンとした瞳の彼女の額に、ハウンは軽いキスをして頭を撫でる。これで彼女も、ハウンの事を認める認めないという些細な事は気にしないだろう。
ようやく、アラヤ様達に会う準備が完全に整ったと言える。
ハウンは濡れた指先を、パクッと咥えて満足そうに笑みを浮かべるのだった。
「見ろよ、行き遅れが居るぞ?」
食堂にやって来た10代後半の団員達が、先に席に着きパンを齧っていた5人気付いて、ボソボソと小声で話し出す。
「魔王の配下が決まったのにも関わらず、就任する前にその魔王に先立たれた不運者達だ。関わるなよ、後任候補からも外されるぞ?」
魔王候補には、後任が順に決まっている。就任した者が死亡した場合、その枠に直ぐに選ばれるのだ。翻訳士には翻訳士の後任と、もちろん役職で分かれている。
しかし、死亡扱いの嫉妬魔王や暴食魔王の後任候補達は、その行き場を無くすのだ。
「トランスポート司教様が来られたぞ!」
団員が慌てて報せに来た。その場に居た団員達は、急ぎ身嗜みを整えて座るが、ソワソワとしている。
彼等が緊張するその理由は、その司教が来た時には、現魔王の配下に欠員が出た事を意味するからだ。つまりは、次の候補者が選ばれるのだ。
「昼食中に悪いが、皆、揃って居るな?」
現れたその司教は、司教では珍しく女性の司教で、厳格な性格は表情を見るだけでも分かる。
司教は、そのままツカツカと食堂へ入って来ると、真っ直ぐに行き遅れ組の前に向かった。
「うそっ⁉︎何で?」
思わず声を出してしまった団員が居たが、そう言いたいのは5人も同じだった。
「【囮03】、【体05】、【盾01】、【耳口07】、【生産02】、お前達に移動命令が下った。着いてこい」
彼等にとっての名前を呼ばれ、5人は素早く席を立った。一瞬、お互いに顔を見合わせるが、先に行く司教に慌ててついて行く。
「何で行き遅れ組が⁉︎」
「いや、単に地方の勤務に厄介払いされたのでは?」
「そうだ、そうに違いない」
残された団員達は、きっとそうだと邪魔者が居なくなる事を喜ぶ事にした。
「今からお前達を、ゲートの魔法によりラエテマ王国はインガス領のオモカツタ支部へと送る」
執務室に着くなりそう告げられた5人は、ポカンとしてしまう。
「あ、あの、それは左遷という事でしょうか?」
「…これは極秘事項である。詳しくは現地にてベルフェル司教より伺うが良い」
極秘事項?皆が不安に思う中、トランスポート司教はお構い無しに魔法の詠唱を始める。
5人の足元に魔法陣が現れ、黒い光で彼等を地中へと一瞬で飲み込む。地中へと消えた黒い光の後には誰も残されてはいなかった。
「キャアッ!」
地中から現れた黒い光が、再び5人を出現させたのは教会の礼拝堂の前だった。
彼等を見下ろすフレイア女神像に、5人は慌てて姿勢を正す。
「よく来たな」
5人の背後から声が聞こえ振り返ると、そこには顔に傷がある司教、ベルフェル司教が立っていた。
気配感知に反応が無かった事に【囮】だけが冷や汗を流すが、ベルフェル司教はニコリの強面の笑顔を見せる。
「お前達には、吉報となるだろうな。待ちに待った就任だ」
「「「えっ⁉︎」」」
5人は自身の耳を疑った。彼等が待つ就任は、暴食魔王の配下以外に有り得ない。彼等の存在意義であり、その為だけに幼少の頃から、日々努力していたのだから。
「暴食魔王の生存が確認された。この事実を知るのは大司教様と我々司教のみだ。つまり、これは極秘事項となる。この条件の下、暴食魔王はお前達が配下に着く事を許可した」
「暴食魔王様が生きて居られた‼︎」
「嗚呼、フレイア様!貴女様の御加護に感謝致します!」
各々が喜びを感じる中、ベルフェル司教は布巾着を5つ取り出して彼等の前に置いた。
「既に暴食魔王はこの地を離れ、我等をアルローズ領で待ち待機している。出発は明日だ。このお金は教団が用意した。身支度を整えるのに使うように。但し、この街は今魔物の襲撃被害による復興で品不足だ。必要最低限の量に留める様に」
「「「ハッ!」」」
翌日の午後、大罪教団前に、一台の馬車と、5人が待機していた。
ベルフェル司教は、街長に会っていたらしく少し遅れて来た。
「皆、準備は済んでいるな?」
「「「ハッ!」」」
彼等は直ぐに出発できるように、しっかりと旅支度を終わらせていた。
「晴れてお前達は王の配下となる訳だが、歴代の暴食王同様に、干渉を嫌う性格のようだ。よって、お前達の役割は影からのサポートに徹する事だ。そしてリーダーは、王と面識が有り、監視下を承諾させたハウンに一任する」
「「「はっ!仰せのままに」」」
「よろしくお願いします」
ハウンと呼ばれた女性団員が頭を下げる。
役名ではなく名前で呼ばれたこの女性は何?と、【耳口】は彼女を不審の目で見る。
彼等が用意された馬車に全員乗り込むと、ハウン自身は魔王から預かっているという馬に乗馬する。それに対しても、どういう事?と思ってしまう。
「では、頼んだぞ」
「「「はっ!」」」
ハウン達はオモカツタの街を後にして、アラヤ達が待つ隣の領地へと出発した。
しかし、道中は積雪が多く、速度は出せない。アラヤ達の様に魔法で雪を溶かし進むにはホットブローの魔法も魔力量も無い。
かと言って、馬車をソリ型に変えるのも困難だ。つまりは、日数が掛かる事を意味していた。
『はい、分かりました。ご迷惑をお掛けします』
休憩中、ハウンは1人で妻の1人と念話のやり取りをしている。遠距離でも連絡可能な念話の高レベル持ち、それが彼女のハウンドと呼ばれる役職だ。
「今、魔王様の奥様と連絡を取り、我々が出発した事を報告しました。その際に、魔王様の大まかな情報は貴方達にも公言して良いと許可がおりました」
ハウンは、自身が暴食魔王アラヤ=グラコとの出会いと、彼等の容姿と強さを話した。
「…えっと、ハウンだっけ?貴女、随分と出しゃばりだけど、魔王様本来の配下は私達なんだからね?」
【耳口】の役職名を持つ彼女は、どうやら私を気に入らないらしい。まぁ、その気持ちは充分に理解できる。
「おい、やめないか!彼女が居なければ、我々は魔王様の配下にすらなれていないのだぞ!」
大盾を持つ男がフォローするも、彼女の不満はそうそう消えないだろう。
「大体、魔王様の容姿が子供みたいで、奥方が4人居る?そんなのこの人が作った嘘かもしれないでしょ?歴代の暴食魔王様は大柄で、人付き合いが苦手な方ばかりなのよ。どうせ、知ったかぶりしたんじゃないの?」
刹那、喉元につけられた短刀に、彼女は息が止まる。全く対応出来なかったと、【囮】と【盾】は冷や汗を流す。
「私の事はともかく…魔王様を愚弄するつもりならば、任務から外れてもらいますよ?返事は?」
「は、はい…」
重く低い彼女の声は、皆を従わせるには充分の殺気が込められていた。少なくとも、その様な行為はこの中では彼女が1番の経験者だろう。
短刀を仕舞うと、ハウンは再び笑顔に戻る。
「まぁ、一度でも会えば、魔王様達の規格外な事が直ぐに分かりますよ?」
それからは、彼女も大人しく従うようになった。だが、念には念を入れておくべきだろう。そう思ったハウンは2日目の晩、野営の番を彼女とペアにした。
「…あの…」
「…何?」
「…近過ぎませんか?」
焚き火を前に【耳・口】が番をしているのだが、ハウンもまた、彼女の隣で座っていた。
肩が触れそうな距離に座られ、落ち着けないでいると、ハウンがクイッと彼女の顎を上げて目を合わせる。
「一応、確認をしたいのよ」
「…確認?」
「そう、貴女が魔王様、もしくは奥方様達に色目を使ってしまわないかを…」
ハウンの視線が自身の唇に移動したのに気付き、彼女もまた、ハウンの唇に視線が釘付けになる。
「魔王様はもちろんですが、奥方様達も魅力的な方達です。そう、思わずこうなる可能性も…」
唇はとうとう触れ合い、ヌルリと柔らかい舌先が侵入を図る。
「んっ…」
受け入れてしまった彼女は、なし崩しに主導権を奪われてしまった。と言うより、経験が無い故に刺激に酔いしれてしまった。
大した抵抗も出来ぬまま、黒の教団服を脱がされていく。
焚き火の強弱に揺れる明かりに、白い肌が暖かくも冷たく見える。
「は、ハウンさ…ん、待って…」
ハウンの少し冷たい手が、彼女の乳房を優しく揉み始め、秘部にも伸びて来る。今更ながらに怖くなり、身を捩る様に抵抗するが既に体は反応している。
「大丈夫。…自慰を手伝って上げるだけよ?」
溢れ出る蜜は、彼女の思いとは違いハウンの指を奥へと誘う。
「い、いや、それ以上は…!」
「ダメ。体に覚えてもらう。貴女が魔王様達に色目を使う事があってはならない。その先には終わりしか無いの」
ハウンの指に掻き乱されるも、彼女は喘ぐ声を必死に我慢しているが、時折声を漏らしてしまう。寝ている筈の男達を起こしてしまう緊張感が、更にハウンの指を加速させた。
「だから、そんな気が起きないように、私が偶に相手をしてあげるわ」
ハウンの肩を掴む彼女の手に力が入る。彼女の限界が近い様だ。
ハウンは彼女を抱き寄せ、指は見つけ出した弱い部分を苛め抜く。
キュウと膣内の絞まりが強くなり、彼女は涙を溜めて耐えている。
「身を委ねなさい」
ハウンが、彼女の耳の穴に舌先で刺激を与えた途端、彼女はビクッビクッと体を痙攣させた。
「どう?これから先、守れるかしら?」
「ハァ、ハァ…。は、はい…。よ、よろしくお願いしますぅ」
トロンとした瞳の彼女の額に、ハウンは軽いキスをして頭を撫でる。これで彼女も、ハウンの事を認める認めないという些細な事は気にしないだろう。
ようやく、アラヤ様達に会う準備が完全に整ったと言える。
ハウンは濡れた指先を、パクッと咥えて満足そうに笑みを浮かべるのだった。
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