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第4章 新旧時代大戦
氷河期の世界
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白い閃光が走り辺り一面を包み込んだ。その影響で視力が回復しない僅かな時間、その数秒の間でタケル達は違う地に辿り着いた事を肌で理解した。肌を刺す様な寒さが全身に伝わったからだ。
視力が回復すると、目の前は見渡す限りの銀世界が広がっていた。自分達の立ち位置はどうやら台地の様で、遠くに見える山以外には枯れた木々が点々と見えるだけである。押し潰されそうになっている木に積もった雪も数日で出来る様な厚みでは無かった。
「おいおいコッチは冬なのか?!」
「違うわい、此処は一年中この有様じゃ」
ブルブルと震えながら、ジョンは尻餅をついたレベッカを起こしている。
ウィルソンは裸同然の姿なのに平然としている。技能肉の壁の効果だろう。見ているコッチが寒く感じる。
マイクは急いで義足を外していた。義足に使われている金属が冷えて接続部がかなりの痛みを負い始めたからだ。とりあえずはタケルが肩を貸してあげる事にした。何か対策を考えないと義足を付けていたら凍傷するかもしれない。
膝までズッポリと雪に埋まった足を抜いては歩いて再び沈むを繰り返して、ブルゲンが先を歩いて行く。
「付いて来い、そのままそこにおると凍え死ぬぞぃ」
唯一、以前来た事のあるブルゲンの後を付いて行くと、山小屋らしき建物が見えてきた。
入り口付近には魔石灯が配置してあるのが確認できる。どうやら利用者は自分達の世界の者に違いないだろう。
「ありゃ、鍵がかかっているのぅ」
扉をガチャガチャと回すが開かない。タケルはそれなら鍵開けをしようかと専用のキーピックを取り出そうとしたが無駄に終わった。
「ガハハ、開いたぞぃ」
ブルゲンが無理矢理ノブを破壊して開けてしまったのだ。閉まらなくなった扉を放置して、全員は室内の奥へと入った。
中は広々としていて、巨大なテーブルと横繋ぎとなった椅子が中央にあり、大きな煖炉もある。この場所で食事や軍議を開いていたかもしれないと思えた。
レベッカとシャルロットが早速煖炉に火を着ける準備をしている。タケルはマリから手渡されたバーナーを取り出して貸してあげた。
「何これ、凄い便利!」
着火の手間が簡単に終わって、レベッカは喜んでいる。帰ったらきっと商品を買ってくれるだろう。
「どうやらセルゲンやノゾムは居らん様じゃの。此処に居らんとなれば、ワシが行った事がある場所は後一つなんじゃが、50年も経つからの。無事に残っておるかわからん」
他の部屋を調べ終えたブルゲンが部屋に戻ってきてどっしりと椅子に座る。
「ノゾム達が居そうな場所をソドムは知らないのか?」
静かに壁に寄りかかっていたソドムは、フードの奥からギョロリとタケルを睨んだ。
「…おそらく飛行場だと思う。世界各地にノゾム様は魔法で飛べるが、セルゲン王は移動には飛竜を利用していたからな。場所もここから三キロ程の距離だ」
「おお、ワシの知っとる場所と同じ場所の様じゃの」
「一応言っておくが、お前等のその格好ではこの世界では何も出来ないぞ」
「ううむ、確かにのぅ。以前来た時も寒さには勝てんかったからの」
ブルゲンは考え込む。ウィルソンはともかく、鍛え方の足りない若造達ではこの寒さには耐えられないだろうと。
「ブルゲン、この義足も凍傷しない様に金属部分だけ何か別な物で代用してくれよ」
「お、おお。そうじゃったの。どれ、貸してみぃ」
ブルゲンは義足を寒冷地仕様にと作り直すことになった。ブルゲンも四次元バックパックを持っていた様で、次々と道具を取り出した。
「なぁ、ブルゲン。この世界は俺等がいた時代より過去の時代なんだろう?何で一年中雪が降ってるんだ?」
ジョンは、風が強くなった窓の外を見ながら尋ねると、手を休める事無く作業をしながらブルゲンは答えた。
「ワシ等ドワーフとエルフ族の者で、前に来た時も当然同じ疑問を皆が思った。作った転移装置は六箇所じゃったが、それぞれ時代と場所は違っておっての。ここはワシ等の時代から先年前の東の大陸の場所じゃ。この時代より百年前はこうなっておらなんだ。我々はエルフと協力して、世界各地の人間に情報を集めて回った。その結果、極論で言えば氷河期に入ったということが分かったのじゃ」
「いや、極論過ぎて分からないから!ちゃんと説明して?」
レベッカが思わずツッコミを入れてしまう。
それは歴史何てものを今まで気にして無かったからかもしれないが、いざ体験してしまったら、どうやって自分達の時代の状況まで歩んで来たかを知りたくなるのも無理はない。
ブルゲンは作業の手を止めて、皆んなの顔をジッとを見た。やがて観念したように語り出した。
「…この世界には人間しか居らん。ドワーフもエルフも魔物も居らん。人間には世界上で敵は居らず、食物連鎖の頂点に立っていた。ありとあらゆる資源を使い、人間は人間と領地の奪い合いを繰り返していた。我々の時代では禁呪魔法とされる様な、大地の形すら変えてしまう程の武器を大量に作っては放ち、爆発で舞い上がった大量の粉塵と火災煙がこの世界全体を覆ってしまった。太陽の光を失ってしまったことが原因で寒波が襲い、植物は枯れ果て生命の殆どが死に絶えたのだ。まさに今がその時代の真っ只中なのじゃ。人間の数もワシが居た時代の10分の1まで少なくなったが、それでも争いは収まっておらぬ状況であった。しかし、これらの事態があったからこそ我々の時代があるのだと、エルフ達はこれ以上の干渉は止めると言い出した。オイゲン王は反対してのぅ、人間と勝手に戦争を始めてしまったんじゃ。結果は惨敗での…。エルフ達の考えを理解して、後にワシはあの時代の監視役として向かったのじゃ」
ブルゲンが語り終えると、彼の前にジョンがコップを置く。中には暖かいコーヒーが入れてあった。ティーセットはどうやらシャルロットとレベッカが持って来ていた様で、全員にコップが配られた。もちろんソドムにもだ。
「ちょっと休憩にしようぜ?外は完全に吹雪いてきたから、当分出れそうに無いしな」
窓ガラスがガタガタと強風で揺れている。完全に足止めを食らってしまった様だ。
「そう言えば、リザードマンは寒さに弱いはずだが、ソドムが平気なのは何故だ?」
コーヒーをどうやって啜るか試行錯誤していたソドムはビクッと驚き、コーヒーをこぼしそうになる。
「ああ、それはこの精霊の護符を取り入れたローブのおかげだな。寒さは微塵も感じない」
「精霊の護符?それで寒さを凌げるのか。凄いな。俺達は持って無いぞ。どうするんだブルゲン?」
「ふむ、精霊の護符と言うのはこれじゃ」
ブルゲンは台の上に黒い物体を幾つも並べる。それを見たジョンとマイクは声を合わせて指差した。
「この前取りに行ったドロップアイテムじゃないか!」
タケルは目視でアイテム鑑定をした。それはトーキオから南西部にある砂漠地帯アリラートスオに生息する、サンドワームの卵巣だと判断できた。
サンドワーム自体はとても大人しい魔物で、砂漠地帯に多く生息しているのだが、人を襲う事も無く普段は地上にも現れないほどだ。それをおびき出して集めたのなら、ある意味希少な物だろう。
「この時の事を考えて取りに行かせたのかよ?やるじゃないか!苦労した甲斐があるぜ」
「ふむ、この時期のサンドワームの卵巣には、繁殖の為に大地の精霊の加護が与えられとるでの。この卵巣を粉状にして繊維に練り込んで使用するのじゃ。という訳じゃから、お主等の予備の戦闘衣を出すんじゃ」
全員が予備の戦闘衣を台に提出する中、ウィルソンもタンクトップとショートパンツを出していた。あれでも一応戦闘衣だったんだな。それに技能肉の壁でも多少の寒さを感じているのだろうとタケルは無言で納得するのだった。
視力が回復すると、目の前は見渡す限りの銀世界が広がっていた。自分達の立ち位置はどうやら台地の様で、遠くに見える山以外には枯れた木々が点々と見えるだけである。押し潰されそうになっている木に積もった雪も数日で出来る様な厚みでは無かった。
「おいおいコッチは冬なのか?!」
「違うわい、此処は一年中この有様じゃ」
ブルブルと震えながら、ジョンは尻餅をついたレベッカを起こしている。
ウィルソンは裸同然の姿なのに平然としている。技能肉の壁の効果だろう。見ているコッチが寒く感じる。
マイクは急いで義足を外していた。義足に使われている金属が冷えて接続部がかなりの痛みを負い始めたからだ。とりあえずはタケルが肩を貸してあげる事にした。何か対策を考えないと義足を付けていたら凍傷するかもしれない。
膝までズッポリと雪に埋まった足を抜いては歩いて再び沈むを繰り返して、ブルゲンが先を歩いて行く。
「付いて来い、そのままそこにおると凍え死ぬぞぃ」
唯一、以前来た事のあるブルゲンの後を付いて行くと、山小屋らしき建物が見えてきた。
入り口付近には魔石灯が配置してあるのが確認できる。どうやら利用者は自分達の世界の者に違いないだろう。
「ありゃ、鍵がかかっているのぅ」
扉をガチャガチャと回すが開かない。タケルはそれなら鍵開けをしようかと専用のキーピックを取り出そうとしたが無駄に終わった。
「ガハハ、開いたぞぃ」
ブルゲンが無理矢理ノブを破壊して開けてしまったのだ。閉まらなくなった扉を放置して、全員は室内の奥へと入った。
中は広々としていて、巨大なテーブルと横繋ぎとなった椅子が中央にあり、大きな煖炉もある。この場所で食事や軍議を開いていたかもしれないと思えた。
レベッカとシャルロットが早速煖炉に火を着ける準備をしている。タケルはマリから手渡されたバーナーを取り出して貸してあげた。
「何これ、凄い便利!」
着火の手間が簡単に終わって、レベッカは喜んでいる。帰ったらきっと商品を買ってくれるだろう。
「どうやらセルゲンやノゾムは居らん様じゃの。此処に居らんとなれば、ワシが行った事がある場所は後一つなんじゃが、50年も経つからの。無事に残っておるかわからん」
他の部屋を調べ終えたブルゲンが部屋に戻ってきてどっしりと椅子に座る。
「ノゾム達が居そうな場所をソドムは知らないのか?」
静かに壁に寄りかかっていたソドムは、フードの奥からギョロリとタケルを睨んだ。
「…おそらく飛行場だと思う。世界各地にノゾム様は魔法で飛べるが、セルゲン王は移動には飛竜を利用していたからな。場所もここから三キロ程の距離だ」
「おお、ワシの知っとる場所と同じ場所の様じゃの」
「一応言っておくが、お前等のその格好ではこの世界では何も出来ないぞ」
「ううむ、確かにのぅ。以前来た時も寒さには勝てんかったからの」
ブルゲンは考え込む。ウィルソンはともかく、鍛え方の足りない若造達ではこの寒さには耐えられないだろうと。
「ブルゲン、この義足も凍傷しない様に金属部分だけ何か別な物で代用してくれよ」
「お、おお。そうじゃったの。どれ、貸してみぃ」
ブルゲンは義足を寒冷地仕様にと作り直すことになった。ブルゲンも四次元バックパックを持っていた様で、次々と道具を取り出した。
「なぁ、ブルゲン。この世界は俺等がいた時代より過去の時代なんだろう?何で一年中雪が降ってるんだ?」
ジョンは、風が強くなった窓の外を見ながら尋ねると、手を休める事無く作業をしながらブルゲンは答えた。
「ワシ等ドワーフとエルフ族の者で、前に来た時も当然同じ疑問を皆が思った。作った転移装置は六箇所じゃったが、それぞれ時代と場所は違っておっての。ここはワシ等の時代から先年前の東の大陸の場所じゃ。この時代より百年前はこうなっておらなんだ。我々はエルフと協力して、世界各地の人間に情報を集めて回った。その結果、極論で言えば氷河期に入ったということが分かったのじゃ」
「いや、極論過ぎて分からないから!ちゃんと説明して?」
レベッカが思わずツッコミを入れてしまう。
それは歴史何てものを今まで気にして無かったからかもしれないが、いざ体験してしまったら、どうやって自分達の時代の状況まで歩んで来たかを知りたくなるのも無理はない。
ブルゲンは作業の手を止めて、皆んなの顔をジッとを見た。やがて観念したように語り出した。
「…この世界には人間しか居らん。ドワーフもエルフも魔物も居らん。人間には世界上で敵は居らず、食物連鎖の頂点に立っていた。ありとあらゆる資源を使い、人間は人間と領地の奪い合いを繰り返していた。我々の時代では禁呪魔法とされる様な、大地の形すら変えてしまう程の武器を大量に作っては放ち、爆発で舞い上がった大量の粉塵と火災煙がこの世界全体を覆ってしまった。太陽の光を失ってしまったことが原因で寒波が襲い、植物は枯れ果て生命の殆どが死に絶えたのだ。まさに今がその時代の真っ只中なのじゃ。人間の数もワシが居た時代の10分の1まで少なくなったが、それでも争いは収まっておらぬ状況であった。しかし、これらの事態があったからこそ我々の時代があるのだと、エルフ達はこれ以上の干渉は止めると言い出した。オイゲン王は反対してのぅ、人間と勝手に戦争を始めてしまったんじゃ。結果は惨敗での…。エルフ達の考えを理解して、後にワシはあの時代の監視役として向かったのじゃ」
ブルゲンが語り終えると、彼の前にジョンがコップを置く。中には暖かいコーヒーが入れてあった。ティーセットはどうやらシャルロットとレベッカが持って来ていた様で、全員にコップが配られた。もちろんソドムにもだ。
「ちょっと休憩にしようぜ?外は完全に吹雪いてきたから、当分出れそうに無いしな」
窓ガラスがガタガタと強風で揺れている。完全に足止めを食らってしまった様だ。
「そう言えば、リザードマンは寒さに弱いはずだが、ソドムが平気なのは何故だ?」
コーヒーをどうやって啜るか試行錯誤していたソドムはビクッと驚き、コーヒーをこぼしそうになる。
「ああ、それはこの精霊の護符を取り入れたローブのおかげだな。寒さは微塵も感じない」
「精霊の護符?それで寒さを凌げるのか。凄いな。俺達は持って無いぞ。どうするんだブルゲン?」
「ふむ、精霊の護符と言うのはこれじゃ」
ブルゲンは台の上に黒い物体を幾つも並べる。それを見たジョンとマイクは声を合わせて指差した。
「この前取りに行ったドロップアイテムじゃないか!」
タケルは目視でアイテム鑑定をした。それはトーキオから南西部にある砂漠地帯アリラートスオに生息する、サンドワームの卵巣だと判断できた。
サンドワーム自体はとても大人しい魔物で、砂漠地帯に多く生息しているのだが、人を襲う事も無く普段は地上にも現れないほどだ。それをおびき出して集めたのなら、ある意味希少な物だろう。
「この時の事を考えて取りに行かせたのかよ?やるじゃないか!苦労した甲斐があるぜ」
「ふむ、この時期のサンドワームの卵巣には、繁殖の為に大地の精霊の加護が与えられとるでの。この卵巣を粉状にして繊維に練り込んで使用するのじゃ。という訳じゃから、お主等の予備の戦闘衣を出すんじゃ」
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