ナニカがタリナイ

罪

つまらない

「……無理だよ。スラスラ過去を言えるわけ……」

「は？面白くねぇな。」

2は3の言葉に本音を漏らす。
今までのオドオドさはどこへいったのやら。
多分今までのは演技。
本当にグレイでその話が本当であれば、金を盗むために演じた。
それに納得がいく。

4はどうすれば良いかわからない。
3を助けたいのだが、2の強い言葉に自分も圧される。

「そもそも、2ちゃんの過去は僕興味無いよ。」

「もし、貴方がグレイなら、噂や情報は話せますので」

4はそう言い切る。
2は首を横に振り、座り込んだ

「うるさい、うるさい、うるさい！マスコミなんて！」

そして声を荒らげた。

「汚い男が俺を触るんだ。俺を蝕むんだ。俺の心に踏み入れるんだ。」

この言葉は、まさに助けだった

「まさか、貴方は」

4がそういう時に、2はギラリと睨みつけた。
4の考えることは多分合っている。
3はただじっと2を見ていた。

それは、2にとっては嫌いな光景だった。

「やめろ、やめろ！！俺をそんな見下すな！」

「ちがう、そんなつもりじゃないよ！」

3は慌てて抑え、しゃがみこんだ。
4もそっとしゃがみこみ、同じ目線になる。

「大丈夫だよ。僕ら仲間じゃん？」

「そうですよ。今は仲間です。」

3と4はそう優しく声をかけた。
すると、
2は

「……なか、ま……？」

その言葉に涙が溢れた。

「何かあれば私達に話してください。貴方のこと知りたいです。」

「そうだよ。情報やマスコミなんて関係ない。本当の事教えてよ」

3が微笑みかけると、2はボロボロ涙を溢れさせた。

「ごめ、なさい。3、4……悪いことして、ごめんなさい……」

「謝らないでください。私達も言葉が悪かったです。」

「……ごめんね、2ちゃん」

ゆっくり3人で並んで座った。

「俺は、……いじめられていた。」

ゆっくりと打ち明けていく。


◇◇◇_______________◇◇◇

『おい、見ろよ！グレイの怯えた顔！』

『うわ、どの顔のお前もキモイ。』

思い出すと頭痛がする。
いや、吐き気がする。
何度汚物が出てきたことか。
何度あいつらに牙を向けようと思ったのか。
グレイは復讐を考えた。
奴らをズタズタにして、心引き裂いてやろう……と。




「貴方、辛い思いして来たんですね。芸能界で」

「付き物だ。毎日身体を蹴られて、殴られてさ。」

アイドルは顔。そんな俺は顔ではなく、身体を蝕んでいかされた。
俺はこいつらの為ならなんでもした。
エッチもしたし、刃物で傷つけられたり、色々だ。
正直、生きていけるか不安で
いつ死のうか悩んでいた

こんなズタボロの身体なら別にリスカしたって変わらない。
だが、プロデューサーは違った。

「グレイ！なんだその痣は！」

俺の背中を見た時にそう言った。
おしまいだと思った

「み、見るな！」

そう言うのだが、俺のことが好きな人達は皆やめてった。
モノクロのホワイトとブラックが俺に手を出す。
だから次は、

お前たちの番だと思った。
それは、俺の引退宣言とひとつの動画に過ぎなかった。
それはファンだけではなく世界中に広がったもの。
あれはあまりにも残酷で、
テレビは当たり前、記者からなんから俺の家に押しかけた。

『グレイさん！教えてください！』

俺は、一言も話さなかった。
が、あの二人は俺の家を知ってるからか、訪れるようにもなり、家庭内も全て崩壊した。

多分あの二人で俺は狂ったんだと思う。