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第二章
第十話
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竜騎士訓練学校でのマチルダとハンスは自主的な練習を始めた時から馬が合うのか昼ごはんを食堂で取る時も一緒に取るようになっていた。お互い急かされることもなく、同じペースで食べるのが気に入っていた。
今日のメニューは卵がトロっとしたオムライスにグリーンサラダにコーンスープだった。
それぞれのトレーに乗せて席に着いた。
「今日はオムライスですね。おいしそう」
嬉しそうなマチルダにハンスは頷く。
「オムライス、おいしそうですね。本で読んだことはあったのですが、こちらに来てから生まれて初めて食べました」
ハンスの一言にマチルダは驚きのあまり固まった。と言うのは、ドラガニアに来るまでマチルダもオムライスを食べたことはなかったのだが、ドラガニアの王宮のかしこまった食事の場でない時にはかなりの頻度で出てくる人気のあるメニューで、初めて食べた時からマチルダは気に入っていた。
ドラガニア王の説明では国民食と言ってもいいほどらしい。国民の好きなケチャップと玉子が一緒なのがたまらないらしい。
ドラガニアの国民であるハンスが訓練学校にくるまで食べた事がないと言ったことにマチルダは驚きを隠せなかった。
「ハンス様はドラガニアご出身ですよね? ドラガニアの方はよく食べると陛下から伺ったのですが……」
「そうですね。絵本にもよく登場するのですが、ぼ……僕は孤児院出身なので、ケチャップライスは食べていたのですが、オムライスは食べれなかったので……」
食べたことがないことが恥ずかしいのか、ハンスは言葉を詰まらせた。
「申し訳ありません。言いたくないことまで話をさせてしまいまして……」
マチルダは慌てて、謝った。
「いえ、事実ですから……」
ハンスは悲しそうに答えた。それを見たマチルダは自分の祖国でどのよう過ごしていたか話し始めた。
「私はオムライスを食べたのはこの国へ来てからです。祖国に居た時は容姿のせいで蔑まされていたので、公爵家出身でも固いパンに水しか食事にだされませんでした」
マチルダの話を聞いたハンスはマチルダの気品や国王がおじであることから、それなりの身分だとは思っていたが、公爵令嬢であることを改めて聞かされると訓練学校では身分は関係ないと言われても、急にマチルダの身分が気にかかる。
「公爵家出身なのですね。僕とこの様に親しくしていても大丈夫でしょうか?」
ハンスが思いもしないことを心配し始めたので、マチルダは焦る。
「ハンス様、私、公爵家のものと言ってもこの国に来るまで一人でした。今はハンス様がいつも一緒に居てくださって嬉しいです。陛下やルドルフ様も気にかけてくださって嬉しいですが……つまり、親しくしていただけて嬉しいですし、国を出て来たので身分は平民ですわ。一緒ですわ」
そう言ってマチルダはハンスに微笑んだ。マチルダはこの国に来て一人で居る事がなくなったので、祖国で感じていた孤独感を感じる事がなくなった。
「僕は親を知らないので、孤児院に居ても他の子は親の記憶があったりして親を知らない僕は他の子と違うんだって一人ぼっちを感じていたから、一人で生きていける様に竜騎士を目指したけれど、マチルダと訓練をしていて一緒にいることが嬉しいし、楽しいよ」
「ありがとうございます、ハンス様。私も嬉しいですし、楽しいです」
「様と付けられる身分じゃあないし、呼び捨てでお願いします」
「わかりました……ハ……ハンス……」
二人は目を合わせてニコッと笑い、スプーンを取ってオムライスを食べ始めた。
生まれて何回目かのオムライスを食べるハンスはオムライスを食べるのをやめられないようで、もくもくと食べ勧めた。それを見たマチルダは美味しそうに食べるハンスの姿に心が温かくなる。
マチルダの視線を感じるのか、ハンスはオムライスを食べながらマチルダの方を見上げた。
見上げたハンスと目があったマチルダはニコッと笑いかけ、それに返すようにハンスもニコッと笑いオムライスを食べる手を皿に進めるのだった。
今日のメニューは卵がトロっとしたオムライスにグリーンサラダにコーンスープだった。
それぞれのトレーに乗せて席に着いた。
「今日はオムライスですね。おいしそう」
嬉しそうなマチルダにハンスは頷く。
「オムライス、おいしそうですね。本で読んだことはあったのですが、こちらに来てから生まれて初めて食べました」
ハンスの一言にマチルダは驚きのあまり固まった。と言うのは、ドラガニアに来るまでマチルダもオムライスを食べたことはなかったのだが、ドラガニアの王宮のかしこまった食事の場でない時にはかなりの頻度で出てくる人気のあるメニューで、初めて食べた時からマチルダは気に入っていた。
ドラガニア王の説明では国民食と言ってもいいほどらしい。国民の好きなケチャップと玉子が一緒なのがたまらないらしい。
ドラガニアの国民であるハンスが訓練学校にくるまで食べた事がないと言ったことにマチルダは驚きを隠せなかった。
「ハンス様はドラガニアご出身ですよね? ドラガニアの方はよく食べると陛下から伺ったのですが……」
「そうですね。絵本にもよく登場するのですが、ぼ……僕は孤児院出身なので、ケチャップライスは食べていたのですが、オムライスは食べれなかったので……」
食べたことがないことが恥ずかしいのか、ハンスは言葉を詰まらせた。
「申し訳ありません。言いたくないことまで話をさせてしまいまして……」
マチルダは慌てて、謝った。
「いえ、事実ですから……」
ハンスは悲しそうに答えた。それを見たマチルダは自分の祖国でどのよう過ごしていたか話し始めた。
「私はオムライスを食べたのはこの国へ来てからです。祖国に居た時は容姿のせいで蔑まされていたので、公爵家出身でも固いパンに水しか食事にだされませんでした」
マチルダの話を聞いたハンスはマチルダの気品や国王がおじであることから、それなりの身分だとは思っていたが、公爵令嬢であることを改めて聞かされると訓練学校では身分は関係ないと言われても、急にマチルダの身分が気にかかる。
「公爵家出身なのですね。僕とこの様に親しくしていても大丈夫でしょうか?」
ハンスが思いもしないことを心配し始めたので、マチルダは焦る。
「ハンス様、私、公爵家のものと言ってもこの国に来るまで一人でした。今はハンス様がいつも一緒に居てくださって嬉しいです。陛下やルドルフ様も気にかけてくださって嬉しいですが……つまり、親しくしていただけて嬉しいですし、国を出て来たので身分は平民ですわ。一緒ですわ」
そう言ってマチルダはハンスに微笑んだ。マチルダはこの国に来て一人で居る事がなくなったので、祖国で感じていた孤独感を感じる事がなくなった。
「僕は親を知らないので、孤児院に居ても他の子は親の記憶があったりして親を知らない僕は他の子と違うんだって一人ぼっちを感じていたから、一人で生きていける様に竜騎士を目指したけれど、マチルダと訓練をしていて一緒にいることが嬉しいし、楽しいよ」
「ありがとうございます、ハンス様。私も嬉しいですし、楽しいです」
「様と付けられる身分じゃあないし、呼び捨てでお願いします」
「わかりました……ハ……ハンス……」
二人は目を合わせてニコッと笑い、スプーンを取ってオムライスを食べ始めた。
生まれて何回目かのオムライスを食べるハンスはオムライスを食べるのをやめられないようで、もくもくと食べ勧めた。それを見たマチルダは美味しそうに食べるハンスの姿に心が温かくなる。
マチルダの視線を感じるのか、ハンスはオムライスを食べながらマチルダの方を見上げた。
見上げたハンスと目があったマチルダはニコッと笑いかけ、それに返すようにハンスもニコッと笑いオムライスを食べる手を皿に進めるのだった。
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