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番外編
後日談:幸せな日々 前編
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メルヴィンとオフィーリアのその後です。
※※※※※※※※
メルヴィンとオフィーリアの結婚からはや半年、結婚式やその後のパレードの様子からメルヴィンが妃に溺れ、仕事が疎かになるかと思われたが、普段の仕事ぶりが変わる所か前にもまして精力的に執務に励む様子に国民はホッとしていた。
そんなある日、メルヴィンとオフィーリアが二人で公務を果たすため、王宮から馬車で二時間程のとある町に視察に赴いていた。
メルヴィンが先に馬車を降り、オフィーリアに手を貸す。
「陛下、ありがとうございます」
「足元気をつけて」
オフィーリアを優しく見守るメルヴィンと表情は変わらないものの恥ずかしそうに手を預けるオフィーリアに様子を見ていた町の人々はいつまでも初々しい国王夫婦へ暖かな眼差しを向けるのだった。
二人は町の視察も終わり、町長の屋敷に昼御飯をご馳走になろうと立ち寄った。
メルヴィンは毒味後パクパクと食べ始めたが、オフィーリアは顔色が悪く、食べようとするが食が進まない。
オフィーリアは仕方なく一緒にテーブルを囲む町長に詫びを入れる。
「申し訳ありません。せっかく用意していただいたのですが……」
人の良さそうな町長はオフィーリアを気遣うように言った。
「ご結婚されて半年、お疲れが出ているのではありませんか? 王妃殿下は公務に尽力されているとお聞きしますから。お気になさらず。陛下にお食べいただけましたので。お疲れなら安静にしていれば治りますから、ここは無理をなさらずに」
「ありがとうございます」
オフィーリアは町長へ礼をするのだった。
メルヴィンが町長に話しかける。
「町長、気遣い感謝する」
「いえ、私どものことより妃殿下の事をお願いいたします」
「ありがとう」
町長に感謝したかと思うと、メルヴィンは立ち上がり、オフィーリアを横抱きにした。
「へ……陛下!」
「無理は良くない。馬車まで連れていく」
「はい……」
人前で横抱きされて恥ずかしさに顔が赤くなるオフィーリア。町長を見る。
「町長、お気遣いありがとうございました。このような格好の挨拶になり申し訳ありません」
「お気になさらず。またお元気になられたら、うちの自慢の料理を食べに来てください」
「はい、ありがとうございます」
オフィーリアの挨拶が終わったのを見計らって、メルヴィンが町長に話しかける。
「今日は用意してもらったのに誠にすまぬ。改めて立ち寄らせてもらう」
「いえいえ、お気遣いありがとうございます。それより妃殿下のお体を大事になさってくださいませ」
「心遣い感謝する」
町長に礼をしたメルヴィンはオフィーリアを横抱きにしたまま馬車へ乗り込んだ。そのままオフィーリアをメルヴィンの膝の上に乗せて座る。オフィーリアはメルヴィンを見つめる。
「陛下、一人で座れます」
メルヴィンはオフィーリアを見つめ返して微笑む。
「道中舗装できてない道を通る所もある。体調も悪いし何かあるといけないから、ここに座って」
「でも……」
「ほら、町のものたちが見送りに来てくれている。挨拶せねば」
メルヴィンに促され、オフィーリアが馬車の窓から覗くと周りには町長を始め町の者達が見送りに集まっていた。馬車に向かい各々手を振っている。
オフィーリアもメルヴィンと共に手を振り返した。そして、馬車は出発したのだった。
町の人々は、メルヴィンの膝の上に乗せられているオフィーリアの姿に優しい微笑みを浮かべた。メルヴィンのオフィーリアへの気持ちを感じ、相思相愛な感じが滲み出ている国王夫婦を微笑ましい気持ちで見送っていたのだった。
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メルヴィンとオフィーリアの結婚からはや半年、結婚式やその後のパレードの様子からメルヴィンが妃に溺れ、仕事が疎かになるかと思われたが、普段の仕事ぶりが変わる所か前にもまして精力的に執務に励む様子に国民はホッとしていた。
そんなある日、メルヴィンとオフィーリアが二人で公務を果たすため、王宮から馬車で二時間程のとある町に視察に赴いていた。
メルヴィンが先に馬車を降り、オフィーリアに手を貸す。
「陛下、ありがとうございます」
「足元気をつけて」
オフィーリアを優しく見守るメルヴィンと表情は変わらないものの恥ずかしそうに手を預けるオフィーリアに様子を見ていた町の人々はいつまでも初々しい国王夫婦へ暖かな眼差しを向けるのだった。
二人は町の視察も終わり、町長の屋敷に昼御飯をご馳走になろうと立ち寄った。
メルヴィンは毒味後パクパクと食べ始めたが、オフィーリアは顔色が悪く、食べようとするが食が進まない。
オフィーリアは仕方なく一緒にテーブルを囲む町長に詫びを入れる。
「申し訳ありません。せっかく用意していただいたのですが……」
人の良さそうな町長はオフィーリアを気遣うように言った。
「ご結婚されて半年、お疲れが出ているのではありませんか? 王妃殿下は公務に尽力されているとお聞きしますから。お気になさらず。陛下にお食べいただけましたので。お疲れなら安静にしていれば治りますから、ここは無理をなさらずに」
「ありがとうございます」
オフィーリアは町長へ礼をするのだった。
メルヴィンが町長に話しかける。
「町長、気遣い感謝する」
「いえ、私どものことより妃殿下の事をお願いいたします」
「ありがとう」
町長に感謝したかと思うと、メルヴィンは立ち上がり、オフィーリアを横抱きにした。
「へ……陛下!」
「無理は良くない。馬車まで連れていく」
「はい……」
人前で横抱きされて恥ずかしさに顔が赤くなるオフィーリア。町長を見る。
「町長、お気遣いありがとうございました。このような格好の挨拶になり申し訳ありません」
「お気になさらず。またお元気になられたら、うちの自慢の料理を食べに来てください」
「はい、ありがとうございます」
オフィーリアの挨拶が終わったのを見計らって、メルヴィンが町長に話しかける。
「今日は用意してもらったのに誠にすまぬ。改めて立ち寄らせてもらう」
「いえいえ、お気遣いありがとうございます。それより妃殿下のお体を大事になさってくださいませ」
「心遣い感謝する」
町長に礼をしたメルヴィンはオフィーリアを横抱きにしたまま馬車へ乗り込んだ。そのままオフィーリアをメルヴィンの膝の上に乗せて座る。オフィーリアはメルヴィンを見つめる。
「陛下、一人で座れます」
メルヴィンはオフィーリアを見つめ返して微笑む。
「道中舗装できてない道を通る所もある。体調も悪いし何かあるといけないから、ここに座って」
「でも……」
「ほら、町のものたちが見送りに来てくれている。挨拶せねば」
メルヴィンに促され、オフィーリアが馬車の窓から覗くと周りには町長を始め町の者達が見送りに集まっていた。馬車に向かい各々手を振っている。
オフィーリアもメルヴィンと共に手を振り返した。そして、馬車は出発したのだった。
町の人々は、メルヴィンの膝の上に乗せられているオフィーリアの姿に優しい微笑みを浮かべた。メルヴィンのオフィーリアへの気持ちを感じ、相思相愛な感じが滲み出ている国王夫婦を微笑ましい気持ちで見送っていたのだった。
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