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2章 飯屋と鍛冶屋
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しおりを挟む徳井「で・・・でもよ・・・、そりゃあ魔王を倒すのは誰にでも可能だろうけどよ。
裏ダンジョンが解放されるのって、確か勇者の装備をした者が倒した場合じゃ無かったか?俺はそう聞いたぞ?」
加治屋「あぁそうだ、高いレベルまで行けば特定の場所で勇者の素材が手に入り、
特定の町で加工を施せば装備もする事が出来る。だが、それは1つではない。
数は限られているが複数人が取得する事が出来る。まぁ、素材がある場所には強い魔物が存在するのが定石だが。」
徳井「・・・お前の言おうとしている事が何となくわかって来た。つまり、魔王軍に引き抜きに遭った冒険者、
その中にもし勇者の装備している者がいた場合・・・、そして、
その者が魔王軍に入りそこで力を付けて行った場合・・・。」
加治屋「・・・・・・・・・。ただ、その装備自体手に入れた場合かなりのリスクを背負う事になる。
それだけ魔王を倒すと言うのは大変でもあるんだ・・・。」
加治屋が話し終え静かになった店内、その中で会話をしていたにも関わらず、
黙々と加治屋が作業している音だけが静かに響いていた。
徳井「・・・まぁ、俺達がそんな事考えたってどうにもならないんだけどな・・・。俺達戦闘経験も無いから、
始めりの町のモンスターにも遅れを取るかもしれねぇし・・・。」
加治屋「そうだな。それに勇者の装備をしたところで、魔王に確実に勝てる保証はない。
そこは力がものを言うこの世界だ。俺は関わりたくないけどな?重労働は好まないからな。」
徳井「もしかしたらよ、逆に魔王軍が侵攻してくるかもしれんしな。
そうなったら俺達だけでも町を守らないと・・・。」
そう言いながら徳井は、スッと立ち上がりシュッシュッとシャドーボクシングの動きをしていた。
加治屋「出来んのか?お前さっき近くのモンスターにも勝てないとか言って無かったか?」
徳井「おいおい舐めるなよ?俺も前世じゃ腕には自信があったんだ!これからでも鍛えれば何とか・・・。
だって俺だって冒険家志望だったんだ!でも希望したら定員オーバーだって言われて・・・。」
加治屋「結局お前も冒険家志望だったのかよ・・・。」
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