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3章 鉱石と鍛冶屋
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しおりを挟む研究員「あ・・・あのぉ・・・、何だか話が進んでいる所申し訳ないのですが・・・。」
そしてその会話に研究員も割って入って来た。
加治屋「あぁ・・・もちろん、この件はあなたの依頼あって成立する事ですから。」
研究員「あ・・い・え、鉱石を加工して頂くのは一向に構わないんです。ですが、
この鉱石がまだどの位の規模なのか把握できていませんし・・・、
規模によっては町へ要請しないといけない可能性が・・・。」
徳井「あぁ・・・確かに、流石に1人じゃ取り出せないしな、それに運搬にも手間がかかる。
そうなると人員は相当必要になるな・・・。そこら辺はどうなんだ加治屋?」
加治屋「・・・俺の店の常連に町長の側近がいる。そいつに頼んでみよう。何とかしてくれるかもしれない。
それに新しい鉱石が出たとなれば、あの町の活性化にも繋がる。ただでさえ地味な町なんだし・・・。」
徳井「側近って・・・お前んとこにそんな奴いたのか?って言うか何で町の鍛冶屋に行かないんだろうな?」
加治屋「さぁな・・・、あぁ、もちろんこれで発生した利益は、あなたに還元される様俺から言っておきます。
第一発見者はあなたなんですから。」
研究員「あ・・・ありがとうございます。ですが・・・あの、どうしてそこまでしてくれるんでしょうか?
先程会ったばかりの私なんかに・・・。」
加治屋「確かにそうです。まだあって数十分しか経っていない。だから・・・あなたに報われて欲しい。
この規模の鉱石を発見するのにたった1人でここまでやり遂げた、それをもっと色んな人達に知って欲しい。
それにこれは俺の勝手なお節介みたいな物です。」
研究員「いえいえ・・・、私には十分すぎる位の称賛ですよ。・・・あなた達がここに来てくれて・・・、
本当に・・・良かったぁ・・・。」
徳井「まぁ・・・、増援を呼ぶ事は出来るかもしれないが、盗みを働く奴らもいるかもしれないな。
なんせ未発見の鉱石と聞けば、高値が付く事が多いからな。充分警戒しておかないとな。」
加治屋「それは問題ないだろう。この辺りは夜中になると結構な数の魔物が現れる、レベルもそれなりに高い。
だから盗人も迂闊には手は出せない。盗人に実力があったとしても騒ぎは起こしたくないだろう。
それに朝は警備でも付けて貰えれば充分だ。」
研究員「本当に・・・何から何まですいません・・・。あなた達に出会えてよかったです・・・。」
そう言って研究員は感謝してもしきれない様子で、2人に頭を下げていた。
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