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3章 鉱石と鍛冶屋

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徳井「待て待て待て待てぇぇぇぇぇぇ!た・・・確かに俺は前に冒険家志望だって言ったよ!

だからって俺を鉱石の人体実験に使おうとしてんじゃねぇよ!!」


徳井は加治屋に、加工した鉱石がはめ込まれた指輪を付けられ、裏庭の裏ダンジョンの扉の前。

そのロープで囲われている内側に無理矢理立たされ、最後の抵抗かの様に加治屋に訴えかけていた。


加治屋「そうは言ってもな・・・身近にいるのがお前しかいなかったんだ。

それに俺はここで何度も同じ様なのを喰らってるから慣れてるんだ。そんな体じゃあ参考にならんだろ?」


徳井「か・・・かか考え直せ!俺なんかが裏ダンジョンの主にちょっと威嚇されてみろ!

一瞬でペチャンコだぞ!?お前だってそんなの見たくねぇだろ!!?」


加治屋「大丈夫だそんなに重くはさせない。主には軽く威嚇する様頼んであるから安心しろ。」


徳井「いやいやいや!!俺の場合はまだ体感したことが無いから言ってんだよ!お前の話でたまに聞く位で、

実際どう言った規模の物か知らねぇんだよ!!」


徳井は飯屋でも出した事が無い程の大声で怒涛の抗議を行い、加治屋をどうにか説得しようと試みていたが・・・。


加治屋「大丈夫だ心配するな。少しでも危険と感じたら止めて貰うからよ。それ位は俺にもわかる。」


徳井「ほ・・・本当なんだろうな?本当に止めるんだよな?俺は芸人じゃねぇから、

オーバーリアクションなんか取れねぇぞ!全てが素なんだからよ!!」


加治屋「あぁ・・・わかってる、って言うかもうやって貰ってるんだがな?」


徳井「おいコラてめぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇえぇ!!!?」


徳井は先程よりも更に大音量の叫び声と共に、考えうる限りの防御の体勢をとったが・・・。


加治屋「・・・あれ・・・おかしいな?流石に体のどこかに何か変化が起きてもおかしくないんだが・・・?

時間経過で変化が現れる物なのか・・・?」


徳井「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおぉおおぉおぉぉのぉぉぉぉぉぉぉぉぉおっぉ!!!」


そう言った加治屋の言う通り、威嚇されているはずの徳井の体には全くと言って良い程、

変化が見られないていなかった。それどころか徳井の大絶叫の方が加治屋に耳へダメージを与えそうな勢いだった。


徳井「うおおおおわぁぁぁおおおぇええええええええええ!!!!!」


加治屋「・・・あの鉱石、一体どんな効果を持っているんだ?・・・ってうるせぇなさっきから!

こっちの鼓膜が破れそうだ!!」

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